RNA probeが好まれて使われる理由は、
1) RNA probeは一本鎖probeであるため、二本鎖DNAをprobeとした場合に生じる相補鎖同士のハイブリに因る干渉が起こらないこと、また、DNA-RNA hybridよりRNA-RNA hybridのほうが安定であることなどから、RNA probeのほうが数倍(たしか8倍だったか)感度が良いという報告があるため。
2) RNA probeは一本鎖であり、DNA probeは一般的に二本鎖である。ISHではanti-sense strand probeで検出されたシグナルの正当性の評価を、sense strand probeのISH像をネガティブコントロールとして行うのが常法なので(すくなくともISH手法の黎明期では)、一本鎖probeとなるRNA probeが好まれる。
3) RNA probeは非特異的に吸着し標的にハイブリしていない分子を一本鎖特異的なRNase Aで分解することによって、バックグラウンドを下げることができる。反面、バックグラウンドが上がりやすいのはRNA probeの性質という面もあり、DNA probeではそういう処理が必要とされない。
RNA probeの利点の多くは一本鎖であるというところにあります。
しかし、最近ではasynmetric PCRで一本鎖DNAプローブを容易につくる方法がありますので、そうなってくるとそれほどRNA probeにこだわる必要はないと考えます。 |
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