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Colony Formation Assayの意味合い トピック削除
No.2434-TOPIC - 2013/10/07 (月) 22:29:10 - f
みなさん、はじめまして。
よろしくお願いします。

In vitroでがん細胞株のコロニー形成能をみるアッセイがありますが、このアッセイでみていることは、Physiologicalな現象では何にあたるのか、頭の整理がつきません。ご助言いただきたいです。出典などもあると大変助かります。

足場非依存的な増殖、自己複製能を測る、などがよく目にする意味合いです。

足場非依存的な増殖、ががんの特徴、悪性度の指標、といわれたりもしていますが、そのPhysiologicalな意味合いが自分の中で不明瞭です。

自己複製能をみている、というのも理解できなくもないのですが(コロニーをつくるから)、そもそも”増殖”することと、”コロニー形成”することの違いが自分のなかで明確でないです。
手技としては、コロニー形成アッセイでは、増殖抑制アッセイと比べて、播種細胞数が非常に少ないのが特徴のひとつだと思いますが、このことから推測するに、”増殖”は、周りの細胞との相互作用(cell-cell, cytokinesなど)を含めた意味で、”コロニー形成”は、周りとの相互作用が排除されたなかで、純粋にself-renewする能力をみている、ということなのかな、と思っていますが、これは見当違いでしょうか?

このような推察から、

・がん幹細胞性をみている(→コロニー形成能が高い=がん幹細胞の性質が高い)
・発癌、微小転移巣からの再発、の初期段階の現象をみている(コロニーアッセイの播種細胞数うすまきは、微小転移巣などの状態をミミックしている)

と考えますが、みなさまのご意見をお伺いしたいです。

取り留めのない乱文で恐縮ですが、アドバイスいただけると幸甚です。
 
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(無題) 削除/引用
No.2434-7 - 2013/10/08 (火) 10:26:04 - U2
いずれの培養系でも、in vivoでの生理学的な状況とは異なる人工的な環境になりますので、physiologicalな現象に当てはめるのは、無理があるように思います。あえて言えば、コロニーアッセイは一応3Dですので、2Dでの接着培養よりは生理的かもしれません。

原理的には、単細胞(クローナル)培養かバルクの培養か、という点も両者の違いになると思います。コロニーアッセイあるいは単細胞(低密度)での接着培養の場合、細胞間のheterogeneityを評価できます。例えば、「コロニー形成能の亢進」という場合に、コロニーの数が増えているのか、サイズが大きくなっているのか、両者なのか。大きくなっている場合、それはすべてのコロニーでそうなのか、ごく一部のコロニーで見られるのか、といった情報が得られる点で、クローナル培養は有用と思います。

細胞密度が高くなれば、培地中の分泌タンパク濃度は高くなるし、細胞間接着も増えると思うので、その影響は出るでしょう。増殖抑制(接着培養)アッセイとコロニーアッセイを、同じ細胞数、同じ培地量でやってみると、足場の違いによる影響がはっきりするかもしれません。また、非造血系のがん細胞株の場合、クローナル培養でも一回の分裂で2細胞の接着による相互作用ができてしまうので、細胞間接着による相互作用はコロニーアッセイでも排除できないように思います。

がん幹細胞性についてですが、コロニー形成と幹細胞性を直接リンクするのは難しいと思います。例えば、正常の造血細胞の場合、幹細胞のほかに、色々な前駆細胞がコロニーを作りますので、コロニーアッセイは幹細胞の定量には使えません。幹細胞の評価には移植によるin vivoの系が必要です。一般にがん細胞株は、継代による維持が可能なので、大まかにみて「自己複製能」を既に持っている(幹細胞的な性質を既に持っている)と考えられます。コロニーが大きくなるのであれば、「増殖亢進」、コロニーの数が増えるのであれば、「プラスチックへの接着を必要としないサブクローンの増加」、と言う事はできても、「幹細胞性が高い」とは言えないと思います。

(無題) 削除/引用
No.2434-6 - 2013/10/08 (火) 08:42:06 - おお
>[Re:5] fさんは書きました :

> 大変貴重なアドバイスありがとうございます。
> おおさんの上記のストーリーも考えたのですが、私の出自が少し特殊(学生のころECMの研究をしていました)だからかもしれませんが、がん細胞は、自らECMを分泌して自らに適した環境を構築しながら、腫瘍塊をつくったり、浸潤転移の過程でも、ECMの分泌と破壊を繰り返しながら動くことや増殖に適した環境(マトリクスの適したコンタクト)をつくりだす、という概念が根本にどうしてもありますので、”足場非依存的な”というコンセプトにあまりしっくり感を得ることができません。

これはことばのあやかもしれません。たとえば癌がみずから都合のよい足場をつくって異所的な局在を示せるとするならば、正常組織で構築される足場は必要ないわけで、そういう足場には非依存的といえますよね。でコロニーフォーメーションでそういうのもみえるわけですからアッセイとしては成り立つわけですし。あとはそれがどの程度スペキュレーションで、どの程度調べられているかですが、、、もともとそう言うフィールドのかたでしたらある程度全体像はみえてるんではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.2434-5 - 2013/10/08 (火) 07:09:59 - f
> おおさま

コメントありがとうございます。

> 自己複製能力は分裂すればいいので、コロニーを作らす必要はないですよね。たしかに指摘があるように血球細胞のCFUをみるなら意味合いが違ってきますけど。
>

おっしゃるとおりかと思うのですが、コロニー形成の条件での分裂と、増殖抑制アッセイなどの条件での分裂は、本質的にちがうのかもしれない、と感じてしまいます。これは、専門家の間では、当然のことでコンセンサスの取れていることなのか、まったくの見当違いな発想なのか、はたまただれもそんなあほなこと考えていないのか、どうなのかな、と思いまして。

> ところで癌のコロニーフォメーションアッセイでもメチルセルロースを使うことはあるんじゃなかったっけ。
>

はい。下のコメントでも書きましたが、今回は条件検討した結果、メチルセルロースでのコロニーアッセイでデータを取りました。

>
> 細胞は血球系とか一部のものをのぞいては、組織のいるべきところのマトリクス上で生存していて、それが細胞にとって必要だというコンセプトだと思います。
>
> がんはこのマトリクスとの相互作用がなくても生存できるので、マトリクスのコンタクトなしに自由に動き回ったりでき、従来存在しないところでも増えることができるので、
> 生理的に意味のない塊をつくったり、浸潤転移ができるというのが生理的というか病理的な足場依存性のいぎではないでしょうか。

大変貴重なアドバイスありがとうございます。
おおさんの上記のストーリーも考えたのですが、私の出自が少し特殊(学生のころECMの研究をしていました)だからかもしれませんが、がん細胞は、自らECMを分泌して自らに適した環境を構築しながら、腫瘍塊をつくったり、浸潤転移の過程でも、ECMの分泌と破壊を繰り返しながら動くことや増殖に適した環境(マトリクスの適したコンタクト)をつくりだす、という概念が根本にどうしてもありますので、”足場非依存的な”というコンセプトにあまりしっくり感を得ることができません。

でも、きっと、おおさんの言われるように、足場非依存的ながんの病理的な状況があるのだと思います。もう少し勉強してみます。(あまり適切な文献がなかなかみつからないのですが...)

(無題) 削除/引用
No.2434-4 - 2013/10/08 (火) 06:55:34 - f
> Hajimeさま

コメントありがとうございます。

> fさんが仰られているコロニーアッセイはSoft Agar Assayの方でしょうか?
> それとも造血幹細胞のメチルセルロースでのコロニーアッセイでしょうか?

がん細胞株で、メチルセルロースでのコロニーアッセイです。
寒天ゲル、なんにもなしのただのうすまき(6-well plateに2000 cells/well)、メチルセルロースの濃度をふった、などいろいろ検討して、ある濃度のメチルセルロースで、よい差がみられました。
培養条件のちがいによる、コロニー形成能の差がみられました。コロニー形成能が亢進する条件下では、いわゆるふつうの増殖カーブ(96-well plateに2000 cells/well)を描くとそのときの”増殖”は著しく抑制されるという結果が得られてました。

この経験、結果をふまえて、”増殖”と”コロニー形成”のちがいはなにを意味するのか、と考えるに至ったわけでした。


> 私は造血幹細胞でのCFU Assayを良くしますが、その場合は、造血幹細胞が特定のCytokine、またはNo CytokineでHematopoieticコロニーが形成できるかをControlとMutantで比べています。
>

サイトカインなどは添加しておらず、いわゆる一般的な培地(RPMI1640, 10% heat-inactivated FBS, penicillin/streptomycin)です。

(無題) 削除/引用
No.2434-3 - 2013/10/08 (火) 06:12:16 - おお
自己複製能力は分裂すればいいので、コロニーを作らす必要はないですよね。たしかに指摘があるように血球細胞のCFUをみるなら意味合いが違ってきますけど。

ところで癌のコロニーフォメーションアッセイでもメチルセルロースを使うことはあるんじゃなかったっけ。


細胞は血球系とか一部のものをのぞいては、組織のいるべきところのマトリクス上で生存していて、それが細胞にとって必要だというコンセプトだと思います。

がんはこのマトリクスとの相互作用がなくても生存できるので、マトリクスのコンタクトなしに自由に動き回ったりでき、従来存在しないところでも増えることができるので、
生理的に意味のない塊をつくったり、浸潤転移ができるというのが生理的というか病理的な足場依存性のいぎではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.2434-2 - 2013/10/08 (火) 01:10:13 - Hajime
fさんが仰られているコロニーアッセイはSoft Agar Assayの方でしょうか?
それとも造血幹細胞のメチルセルロースでのコロニーアッセイでしょうか?


もうすでに御覧になられたかもしれませんが、後者の実験ならば
http://www.caids.kumamoto-u.ac.jp/yobou/yobou%20home/stem%20cells.htm
に説明が載っていました。

私は造血幹細胞でのCFU Assayを良くしますが、その場合は、造血幹細胞が特定のCytokine、またはNo CytokineでHematopoieticコロニーが形成できるかをControlとMutantで比べています。

Colony Formation Assayの意味合い 削除/引用
No.2434-1 - 2013/10/07 (月) 22:29:10 - f
みなさん、はじめまして。
よろしくお願いします。

In vitroでがん細胞株のコロニー形成能をみるアッセイがありますが、このアッセイでみていることは、Physiologicalな現象では何にあたるのか、頭の整理がつきません。ご助言いただきたいです。出典などもあると大変助かります。

足場非依存的な増殖、自己複製能を測る、などがよく目にする意味合いです。

足場非依存的な増殖、ががんの特徴、悪性度の指標、といわれたりもしていますが、そのPhysiologicalな意味合いが自分の中で不明瞭です。

自己複製能をみている、というのも理解できなくもないのですが(コロニーをつくるから)、そもそも”増殖”することと、”コロニー形成”することの違いが自分のなかで明確でないです。
手技としては、コロニー形成アッセイでは、増殖抑制アッセイと比べて、播種細胞数が非常に少ないのが特徴のひとつだと思いますが、このことから推測するに、”増殖”は、周りの細胞との相互作用(cell-cell, cytokinesなど)を含めた意味で、”コロニー形成”は、周りとの相互作用が排除されたなかで、純粋にself-renewする能力をみている、ということなのかな、と思っていますが、これは見当違いでしょうか?

このような推察から、

・がん幹細胞性をみている(→コロニー形成能が高い=がん幹細胞の性質が高い)
・発癌、微小転移巣からの再発、の初期段階の現象をみている(コロニーアッセイの播種細胞数うすまきは、微小転移巣などの状態をミミックしている)

と考えますが、みなさまのご意見をお伺いしたいです。

取り留めのない乱文で恐縮ですが、アドバイスいただけると幸甚です。

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