直輝さん
私もその可能性を考えていました。
A) 組織のcDNAを加えることによって、プラスミドDNAのチューブへの吸着が防がれた。プラスミドDNAの量がそれなりにあれば、多少吸着しようが大勢に影響はないですが。
そうなんです。プラスミドDNAの量がそれなりにあれば大勢に影響は無いと思うのです。ところが、実際に検量線をきちんと引くとなると、段階希釈の結果濃度の低いのはかなり少量になってしまいますよね。こういうのをきちんと考慮しているのかどうか。
B) マウス組織の抽出物が夾雑物となっているのか
非常にありえると思います。というか恐らくはメインの理由だろうと。しかし、これを完全に避けるのって無理ですよね。RNAの抽出をTRIzolからカラム式のものに変えたりするという手もあるのでしょうが、これも完全では無いですし。
仰る通り、自分が示したいことによって、どれ位の厳密さが必要なのかをきちんと考慮しないといけないと思うのですが、きちんとできてる場合ってのは実はかなり少ないように思います。
各組織における遺伝子Aの発現量をリアルタイムPCR法で比較しました、なんてデータは結構見かけるのですが、きちんとした実験デザインが出来てないと、先に書いた通り、実際に発現量が同じでも容易に2倍近く、あるいは2倍以上の差が"みかけ上"あるようなデータになったりするわけです。単純に組織別発現量の比較をしました、ならまあそれでも良い(いや、本当は良くはないけど)ですけど、ある疾患によって遺伝子Aの発現量が倍増しました、というのが論文のメインの主題なのに、実験デザインがザルだったりすることはよくあります(レビューでよくこの点突っ込んでます)。 |
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