real time PCRでも出来るでしょうが、古典的な方法を参考までに。
competitive PCRという方法です。
PCRの標的配列に小さな(増幅効率に影響を与えない程度の)insertion, deletionを入れたcompetitorを作製します。これを正確に定量しておきます。
ゲノムDNAとcompetitorの比率を変えてPCRをかけます。これを電気泳動してゲノム由来の産物、competitor由来の産物を定量します(染色強度でもいいし、RIの取り込みでもいいし、プライマー末端ラベルの計測でもいい)。
両者の定量値の比率の検量線を描くと、比率が1:1になる点が求められます。その点ではcompetitorの分子数とサンプル中の標的配列のコピー数が同じであるということから既知量のcompetitorの分子数から標的配列のコピー数が求められます。
これをシングルコピー遺伝子と問題の多コピー遺伝子で行えば一ゲノムあたりのコピー数が求められます。
>どうも正確にコピー数が得られるのか疑ってしまいます.例えば,遺伝子の存在する位置によって増幅効率が違いが生じないのか,本当にコピー数に比例するのかという点です.
コピーごとの増幅効率の差と言ったら、inverse PCRやLM PCRの方が異なる鎖長、部分的に異なる配列のアンプリコンが混在するので、すべてのコピーが同一のアンプリコンとなる普通のPCRの方が問題が少ないはずですね。特に断りなしに増幅効率は一定という仮定も受け入れられやすいのでは。
それとも、コピーごとの増幅効率が異なるであろうと予測されるなにかがあるのでしょうか。例えば、遺伝子増幅とか部分的な多倍化などがある材料もあるので。差し支えなければ材料の種類とどのような反復配列なのか(トランスポゾン、遺伝子ファミリー?、散在、タンデム?)知りたいですね。
まあ、それじゃどうしても納得がいかないというなら、断片化ゲノムDNAライブラリーで、deep sequenceするか、近頃バイオラッドあたりから出てきているディジタルPCRのような、増幅効率の影響を受けない、PCR産物量の測定によるのではなくPCRポジティブな分子数を数える方法を採用したらいいと思います(最悪デモしてもらってその時にデータを取るとか)。 |
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