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インバースPCR&サザンブロッティングによるコピー数調査 トピック削除
No.2330-TOPIC - 2013/08/27 (火) 19:53:22 - tany
いつもお世話になっております.

今回質問させていただくのは,内生の遺伝子コピー数調査についてです.
現在サザンブロッティングである遺伝子の内生コピー数を調査しているのですが,シグナルが弱く,あまりうまくいっていない現状です.
これは,おそらく用いているサンプルが原因と考えています(サンプルのゲノムサイズが非常に大きいこと,また他のサンプルではシグナルが得られていることから).
そこで,サザンブロッティングの条件を最適化するのと並行して,別の方法でもコピー数を調査できないかと考えています.

今考えている方法としては,

@ターゲット遺伝子の保存領域にプライマーを設計し,緩い条件のインバースPCRで増幅.おそらくこの時には多くのノンスぺが出ると考えられます.
AそのPCR産物を用いてサザンハイブリダイゼーションを行い,目的産物のバンドのみを検出し,コピー数を確定する.

今回のサンプルを用いたゲノミックPCRは問題なく走るので,以上の方法でコピー数調査ができないかと考えています.
しかし同様の方法で行われた例はざっと探してみたところ見つかりませんでした.

そこでお聞きしたいのですが,この方法が用いられた場合に何か問題となりそうな点,気になる点はありますでしょうか.また,将来的にこのデータを用いて論文に投稿した場合には,やはり何かケチを付けられるでしょうか.

パッと思いつく問題点としては,プライマーの特異性(すべてのホモログで増幅が起きるか)などの点がありますが,特異性の低い短めのプライマーを複数セット用いることで,信頼性は高まるのではないかと考えています.


申し訳ありませんが,皆様のご意見をお聞かせください.
 
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(無題) 削除/引用
No.2330-23 - 2013/08/30 (金) 21:54:26 - tany
>AP様,ペーペー様

説明不足でもうしわけありません.
今回調べている遺伝子は,過去に多くの植物において調べられており,ほぼ1〜3コピーの間で存在しているようです.
ですので,少なくとも10コピー以上存在するような遺伝子ではないと考えております.

>で、コピー数が少ないなら(いま見ている2個だけとか、せいぜい一桁とか)なら、だれかが示唆していたようにPCRでやるのがいいんじゃないかと思えてきました。ただし、inverse PCRではなくて、LM PCRで。
inverse PCRはligationのときに断片ごとに環状化のしやすさが違ったり(それぞれ鎖長が異なるので)、断片同士の重合体と環状化したものが混在し、かつ後者のほうがまれであったりするので、取りこぼしがでやすいです。
制限酵素消化したゲノムDNAに過剰量のアダプターをligationする方法では、ほとんどの断片が両端にアダプターをもつ単量体になるので、ここでバイアスがかかりにくくなるし、鋳型の利用効率もよくなります。

LM PCRは今まで行ったことないのですが,調べてみたところ有効な手段のように感じます.最終的なデータとしてではなくても,コピー数を推定するのに一度試してみたいと思います.ありがとうございます!

(無題) 削除/引用
No.2330-21 - 2013/08/30 (金) 11:48:52 - AP
問題の遺伝子は種を越えて保存性が高いとのことですが、モデル生物でもコピー数が複数ありそうなんでしょうか。たとえばA. thalianaとか。

先に示されたような遺伝子の重複の仕方は、いわゆる「遺伝子重複」でよくあるパターンで、近縁種間でも重複の有り無しがあったりします。このパターンの重複なら、他の遺伝子領域には存在せず、案外コピー数は少ないのかなと。
多倍体性の植物だとそう単純ではないかもしれませんが。

で、コピー数が少ないなら(いま見ている2個だけとか、せいぜい一桁とか)なら、だれかが示唆していたようにPCRでやるのがいいんじゃないかと思えてきました。ただし、inverse PCRではなくて、LM PCRで。
inverse PCRはligationのときに断片ごとに環状化のしやすさが違ったり(それぞれ鎖長が異なるので)、断片同士の重合体と環状化したものが混在し、かつ後者のほうがまれであったりするので、取りこぼしがでやすいです。
制限酵素消化したゲノムDNAに過剰量のアダプターをligationする方法では、ほとんどの断片が両端にアダプターをもつ単量体になるので、ここでバイアスがかかりにくくなるし、鋳型の利用効率もよくなります。

複数の制限酵素、出来れば4塩基認識で複数の切断の仕方で、それぞれやってみて、コピー数に関してconsistentな結果がでたら、まずまずの説得力があるんじゃないか。

(無題) 削除/引用
No.2330-20 - 2013/08/29 (木) 15:09:57 - AP
コピーとホモログ(パラログを含む)では話が違うな。

遺伝子コピー数と書いていたから、rDNAやトランスポゾンのように同一の配列単位が多重に存在しているのだと思っていました。

その後のお話だと、ヘモグロビン遺伝子群で代表されるような、遺伝子重複からの多重遺伝子ファミリーの形成、パラログの形成のようなケースみたいですが。そうすると、プライマーの設計がすべてのファミリーには適合していないかもしれないとか、PCRベースの方法だと不安な要因がでてきます。

(無題) 削除/引用
No.2330-19 - 2013/08/29 (木) 13:22:39 - ぺーぺー
No.2330-18はinverse PCRとqPCRとの比較です。
サザンができるのならば、サザンが一番良いのかもしれません。
これも、モデル生物やその培養細胞だけしか使ってなかったせいかもしれませんが、サザンはあんまり、というか事実上やったことがないのです。
fuzzyな標的配列に対するサザンとかは、自分でやることを考えた事がなかったです。

あと、やっぱり、私がちょっと誤解があるのかもしれません。
件の遺伝子は「塩基配列レベルで相同性を維持している」のですか?
私が見てきた遺伝子では「様々な種で高度に保存されている」というのは「ポリペプチドの一次配列では保存されている」場合がほとんどだったので。
もしかしたら、お使いの生物はコドンが非常に強く拘束されている、とか、既に解析された「様々な種」が近縁で、その遺伝子が複製されてから非常に歴史が浅い、とかがあるのかもしれないので何とも言えませんが。

(無題) 削除/引用
No.2330-18 - 2013/08/29 (木) 12:56:50 - ぺーぺー
私はその目的、つまりホモログ(この場合パラログですね)の探索、であれば直感的にはinverse PCRの方が筋が良いかなと思いました。
網羅できるかは分からないという前提でです。

(1)解析するのにはどうせクローニング(PCR direct sequencingでも良いかもしれませんが)をしなきゃならない訳ですから、そちらの実験への接続を優先した方が良さそう。
仮に、qPCRで10遺伝子/ゲノムある事が分かっても、クローニングできないかもしれませんから。

(2)ゲノムDNAのqPCRを自分でやったことが無いのでよく分からないのですが、degenerate primerや、ミスマッチが存在するかもしれないprimerでqPCRをするのはトリッキーじゃないかと思いました。サイクルあたりの増幅効率がコピーによって違うのであれば定量性は担保されないのでは???

あと、バンドの数が対応できる範囲内であれば私ならサザンはしません。
多少、クローン当たりの真偽は最終的には確認できるわけですから、偽陽性の方が偽陰性よりマシです。
あとは、バンドが多すぎるのならばサザンかnested PCRがいいのか分かりませんが"特異性の低い"方法を採用するかなぁ。

(無題) 削除/引用
No.2330-17 - 2013/08/29 (木) 02:22:33 - tany
>ぺーぺー様

> もしかして、RNA干渉とか、その遺伝子のホモログについても今後解析したいので「緩い条件の(=degenarate?)インバースPCR」で「すべてのコピー(ホモログ)を網羅的に」見つけられないか?という疑問なのでしょうか。
> 私の知識が乏しいので正確には分かりませんが、そのような手法は宝探し的な要素が多分にあって「すべてのコピー(ホモログ)を拾う程の網羅性」はなく、ゲノム中のホモログの網羅的な解析はゲノムDNA配列の情報が相当に充足した状態で初めて可能になったのではないでしょうか?
> 私にとって非モデル生物やゲノムプロジェクトが開始される以前の研究のやり方は、文献を読み想像する外ありませんが、一報の論文ですべてのホモログを(確実に)カバーするような情報を得るような実験手法は読んだことがありません。
>
> もしかしたら、tanyさんは「すべてのコピー(ホモログ)の配列はかなり近いはず」という明確な根拠があって的外れな意見なのかもしれませんが。


今回のターゲット遺伝子に関しては,様々な種で高度に保存されていることが分かっているため,ゲノム内に存在するホモログ遺伝子をすべて網羅的に検出することが可能なのではないかという予測のもと考えました.
ペーペー様のおっしゃられているように,今後の詳細な解析のため,ゲノム内に何コピーのホモログ遺伝子が存在するかをまず明らかにしたいというのが第一目的です(複数存在する場合にはそれらの単離・解析も行う必要があるので・・・).インバースPCRで網羅的に単離できたら楽ちんだなーというところもありますが,皆様のご意見の通りインバースPCRでは確実に全ホモログ遺伝子をカバーすることは難しいようです.しかし,配列の保存性が高いと予測されるため,少なくともサザンブロッティングでは,網羅的に検出できると考えています.
非モデル生物を用いた研究は,モデル生物では不可能な研究成果が得られる可能性を秘めていると考えていますが,実際研究するに当たり難しさをひしひしと感じております・・・.


> ここまで書いて、私が壮大な勘違いをしている不安も感じていますが、せっかく書いたのでポストします。

ご意見ありがとうございます.
皆様のご意見,参考にさせていただいております.

(無題) 削除/引用
No.2330-16 - 2013/08/29 (木) 00:24:54 - ぺーぺー(魚屋さんあらため
すみません。

最初は「内生の遺伝子」というのは内生菌みたいに外来性だけれども共生して存在している遺伝子?みたいに理解していました。
それで、tanyさんはその遺伝子がどのように存在しているのかそのものに興味があるのかと。
あるいは進化とかに興味があるとか。

コピー数を比較しようとするのであればサザンであれqPCRであれ、検出系の特異性を決定する配列がそれぞれのコピーで検出に影響を与えるほどの相違が無いという前提があるはずです。
つまり、そのコピーは「比較的(かなりかも?)最近に増幅なり挿入されたものである」という事がわかってて初めて可能であるはずです。
結局、tanyさんはそのコピーがどのようにしてゲノムなりに存在するのかという経緯についてある程度の見通しがあって最初の質問があると考えていました。

もしかして、RNA干渉とか、その遺伝子のホモログについても今後解析したいので「緩い条件の(=degenarate?)インバースPCR」で「すべてのコピー(ホモログ)を網羅的に」見つけられないか?という疑問なのでしょうか。
私の知識が乏しいので正確には分かりませんが、そのような手法は宝探し的な要素が多分にあって「すべてのコピー(ホモログ)を拾う程の網羅性」はなく、ゲノム中のホモログの網羅的な解析はゲノムDNA配列の情報が相当に充足した状態で初めて可能になったのではないでしょうか?
私にとって非モデル生物やゲノムプロジェクトが開始される以前の研究のやり方は、文献を読み想像する外ありませんが、一報の論文ですべてのホモログを(確実に)カバーするような情報を得るような実験手法は読んだことがありません。

もしかしたら、tanyさんは「すべてのコピー(ホモログ)の配列はかなり近いはず」という明確な根拠があって的外れな意見なのかもしれませんが。
ここまで書いて、私が壮大な勘違いをしている不安も感じていますが、せっかく書いたのでポストします。

(無題) 削除/引用
No.2330-15 - 2013/08/28 (水) 21:16:28 - tany
>AP様
おっしゃる通り,サザンブロッティングでの検出がかなり難しいように感じます.
条件検討の結果,10ugのゲノムを用いてうっすらとしたバンドが検出されるようにはなったのですが,あまりにも薄いため,結果の信頼性・再現性の点が問題となるように感じます.また,PC上でコントラストなどをかなり調整しないとはっきり見えないため,かなり加工された画像に見える点も気になります.一度,100ugのゲノムを泳動したことがあるのですが,結果はかなり汚く,またそのような膨大な量のゲノムを用意するのも現実的ではないと思いそれ以降は試していません.

過去の論文を調べると,同様にゲノムサイズの大きなユリを用いたサザンブロッティングの例もありますが,シグナルはあまりきれいではありませんでした(ただしコピー数は何とか判別可能かなと).
少なくとも,この論文くらいには検出できればと思っているのですが...

(無題) 削除/引用
No.2330-14 - 2013/08/28 (水) 20:45:37 - AP
ヒトゲノムより二桁大きなサイズがあるんですね。
逆にお聞きしたいのですが、それだけ大きなゲノムでも、ゲノムサザンでシングルコピー遺伝子がルーチンに検出できるんでしょうか。
通常、ヒトやマウスのゲノムだと ゲノムDNAが1 ugもあればシングルコピーをサザンで検出できますが(感度が不十分だと10 ugくらい使うことも)、その100倍のゲノムサイズだと単純計算で100倍量のゲノムDNAが必要ということになりそうなんですが。実際問題、そんなに大量だとゲル電気泳動できないんじゃないのかしら。

(無題) 削除/引用
No.2330-13 - 2013/08/28 (水) 19:42:47 - tany
皆様,様々なご意見ありがとうございます.
一般的な意見として,私の考えたストラテジーには無理があるということがよく理解できました.


今回使っているサンプルなのですが,1.2×10^11bp程度の大きなゲノムサイズを持つと考えられるユリ科植物を用いております.
ターゲットの遺伝子コピー数は明らかではないのですが,現在までに単離された1遺伝子の近傍のゲノムをシークエンスしたところ,約1kb下流に同一遺伝子の別ホモログが存在することが示されました(非常に近いのでFISHは厳しいですね・・・).つまり少なくとも2コピー以上は存在するということになります.

_______|約1kbp|
------[遺伝子1]------[遺伝子2?]--------


ゲノムサイズが巨大なためかサザンがうまくいっていないので,今回は何か簡便な方法でコピー数調査ができないかと思い,質問させていただきました.

ご意見で頂いた,リアルタイムPCRを用いた方法,competitive PCRについてもう少し調べてみて,適用可能であれば行ってみたいと思います.
サザンブロッティングではっきりとしたシグナルが得られることが一番ですので,条件検討も引き続き頑張りたいですが...


貴重なご意見,本当にありがとうございます.

(無題) 削除/引用
No.2330-8 - 2013/08/28 (水) 12:17:52 - んぐ
qPCRで条件を最適化した上で測定すれば文句は付けられないと思います。
周辺配列が増幅効率に影響しそうなら鋳型ゲノムを断片化してやればいいよう
に思えます。

(無題) 削除/引用
No.2330-7 - 2013/08/28 (水) 11:08:17 - AP
real time PCRでも出来るでしょうが、古典的な方法を参考までに。

competitive PCRという方法です。
PCRの標的配列に小さな(増幅効率に影響を与えない程度の)insertion, deletionを入れたcompetitorを作製します。これを正確に定量しておきます。
ゲノムDNAとcompetitorの比率を変えてPCRをかけます。これを電気泳動してゲノム由来の産物、competitor由来の産物を定量します(染色強度でもいいし、RIの取り込みでもいいし、プライマー末端ラベルの計測でもいい)。
両者の定量値の比率の検量線を描くと、比率が1:1になる点が求められます。その点ではcompetitorの分子数とサンプル中の標的配列のコピー数が同じであるということから既知量のcompetitorの分子数から標的配列のコピー数が求められます。
これをシングルコピー遺伝子と問題の多コピー遺伝子で行えば一ゲノムあたりのコピー数が求められます。

>どうも正確にコピー数が得られるのか疑ってしまいます.例えば,遺伝子の存在する位置によって増幅効率が違いが生じないのか,本当にコピー数に比例するのかという点です.

コピーごとの増幅効率の差と言ったら、inverse PCRやLM PCRの方が異なる鎖長、部分的に異なる配列のアンプリコンが混在するので、すべてのコピーが同一のアンプリコンとなる普通のPCRの方が問題が少ないはずですね。特に断りなしに増幅効率は一定という仮定も受け入れられやすいのでは。
それとも、コピーごとの増幅効率が異なるであろうと予測されるなにかがあるのでしょうか。例えば、遺伝子増幅とか部分的な多倍化などがある材料もあるので。差し支えなければ材料の種類とどのような反復配列なのか(トランスポゾン、遺伝子ファミリー?、散在、タンデム?)知りたいですね。

まあ、それじゃどうしても納得がいかないというなら、断片化ゲノムDNAライブラリーで、deep sequenceするか、近頃バイオラッドあたりから出てきているディジタルPCRのような、増幅効率の影響を受けない、PCR産物量の測定によるのではなくPCRポジティブな分子数を数える方法を採用したらいいと思います(最悪デモしてもらってその時にデータを取るとか)。

(無題) 削除/引用
No.2330-5 - 2013/08/28 (水) 09:41:35 - おお
インバースPCRするさいに、ライゲーションするでしょうから、その効率が均一であることをまず示さないと説得力がありません。

逆にいうと均一でないだろうとたいていの人が思っているかと思います。そんな状態でほかと比べてなんコピーあるといわれても、訳が分からない数字としかおもえないわけで、、、

例えばですよ、染色体nの状態で複数個あるとするなら、その遺伝子の近傍の配列は違う遺伝子が乗っているので違うとするなら、それを読んでいけば何種類近傍に違う配列があるかで決められるかもしれません。ただ近傍の配列も非常に似ている可能性もあります。

あとは fishなどで、何個スポットがえられるかとかいうのもいいかもしれません。ただ非常に近傍にある場合はそのシグナルを定量できたかどうかはちょっとわすれました。。。。

リアルタイムでていりょうするqPCRであればうまくコントロールされていれば誤差は10%ぐらいだそうです(とここで教えてもらったことがあります、まあ賛否両論かもしれませんが)。なので1コピーと2コピーの識別はつきますね。1コピーと10コピーのさは十分検出可能でしょうけど、正確に10か11かは出ないかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.2330-4 - 2013/08/28 (水) 08:48:35 - ぺーぺー魚屋さん
APさんのご意見に概ね賛成です。

実に不勉強で申し訳ないのですが「内生の遺伝子」というのが何を指しているのか分からなかったので、そこで誤解をしているのかもしれません。
いずれにせよ、PCRはバイアスがかかる点が多いので、こういう実験で何かを言うのは酷ではないかという気がします。

今回おっしゃているコピー数というのはゲノム上に散在している遺伝子のホールゲノム中のコピー数を測定したい、という事ですよね。
思い付いた問題となる可能性は3つあります。
(1)長いやGC含量が多いなどの理由で増えない配列があるかもしれない。
(2)非常に大きさの近いフラグメントが増幅された場合に分離できない(PCRが噛んでいるのでバンドの太さでは物を言えない)
(3)非常に近接している部位に順方向のコピーが存在している場合に、単独のコピーとしてしか検出されないかもしれない。
というのは思いつきますね。

(無題) 削除/引用
No.2330-3 - 2013/08/27 (火) 23:28:28 - tany
>AP様

ご意見ありがとうございます.
このストラテジーでは取りこぼしや不明瞭な結果となってしまうのですね...


>同濃度のゲノムDNAを鋳型として定量PCRで、シングルコピー遺伝子の分子数に対する、多コピー遺伝子の分子数の比を求める。real-time PCRでもできると思いますが、そのfacility がなくてもcompetitive PCRをすればそれと同等以上にできます

増幅効率からコピー数を算出するという方法は以前に調べたことがあります.
この方法が有効ならばぜひ使ってみたいと思ったのですが,どうも正確にコピー数が得られるのか疑ってしまいます.例えば,遺伝子の存在する位置によって増幅効率が違いが生じないのか,本当にコピー数に比例するのかという点です.
確かに複数の論文においてこの方法の有用性が示されているのですが,すでに一般的に認知されており,よく利用されている方法なのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.2330-2 - 2013/08/27 (火) 22:54:55 - AP
inverse PCRでは各コピーに対応するするレプリコンが均一には増えず、ほとんど増えないものから非常によく増えるものまでが混在するのでしょう。検出されないコピーがあったり、それがむしろ多かったりする可能性は低くないです。
また、不正な増幅産物でも部分的に標的の配列を含んでいて、それがサザンで検出されてわけがわからない状況になってもおかしくないです。

複数コピーの標的配列がある場合、inverse PCRよりもadaptor ligation mediated PCRのほうが幾分、成績がよいです。しかし、コピー数が2,3個くらいならうまくいく可能性はありますが、もっと多い場合は取りこぼしがでるのは避けられないと思います。

考えられる戦略としては、
・同濃度のゲノムDNAを鋳型として定量PCRで、シングルコピー遺伝子の分子数に対する、多コピー遺伝子の分子数の比を求める。real-time PCRでもできると思いますが、そのfacility がなくてもcompetitive PCRをすればそれと同等以上にできます。

・ゲノムに対して一種のdeep sequencingをしてシングルコピー遺伝子と多コピー遺伝子の比率を求める。

インバースPCR&サザンブロッティングによるコピー数調査 削除/引用
No.2330-1 - 2013/08/27 (火) 19:53:22 - tany
いつもお世話になっております.

今回質問させていただくのは,内生の遺伝子コピー数調査についてです.
現在サザンブロッティングである遺伝子の内生コピー数を調査しているのですが,シグナルが弱く,あまりうまくいっていない現状です.
これは,おそらく用いているサンプルが原因と考えています(サンプルのゲノムサイズが非常に大きいこと,また他のサンプルではシグナルが得られていることから).
そこで,サザンブロッティングの条件を最適化するのと並行して,別の方法でもコピー数を調査できないかと考えています.

今考えている方法としては,

@ターゲット遺伝子の保存領域にプライマーを設計し,緩い条件のインバースPCRで増幅.おそらくこの時には多くのノンスぺが出ると考えられます.
AそのPCR産物を用いてサザンハイブリダイゼーションを行い,目的産物のバンドのみを検出し,コピー数を確定する.

今回のサンプルを用いたゲノミックPCRは問題なく走るので,以上の方法でコピー数調査ができないかと考えています.
しかし同様の方法で行われた例はざっと探してみたところ見つかりませんでした.

そこでお聞きしたいのですが,この方法が用いられた場合に何か問題となりそうな点,気になる点はありますでしょうか.また,将来的にこのデータを用いて論文に投稿した場合には,やはり何かケチを付けられるでしょうか.

パッと思いつく問題点としては,プライマーの特異性(すべてのホモログで増幅が起きるか)などの点がありますが,特異性の低い短めのプライマーを複数セット用いることで,信頼性は高まるのではないかと考えています.


申し訳ありませんが,皆様のご意見をお聞かせください.

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