質問とはずれますが、接着細胞でも、導入試薬/DNA複合体を添加した後、plateごと遠心すると導入効率が向上しますよ。この効果は、導入試薬/DNA複合体と細胞の接触頻度が上がるからと説明されています。
遺伝子導入効率は、導入試薬/DNA複合体と細胞の接触頻度、細胞内への取り込み、細胞質内へのDNAの放出、核への移行率などいろいろな要因が関与しますので、複雑です。
293細胞の遺伝子導入効率が高い理由の一つは、細胞内に取り込まれたDNAが分解されづらい(分解酵素活性が低い)そうです。
electroporationは、膜に開いた穴の大きさ、開口時間、回復の容易さ、流入量などの条件が影響します。
細胞周期も導入効率に影響します。核膜がバリアーになっているので、導入後M期を回った細胞が多い方が効率が高いです。
だから、なんやんねんという話ですが、「接触表面積」だけでは説明できない、ということです。
同じ細胞で比べているのかな?それなら、「浮遊系の細胞」という表現は間違いで、「浮遊状態の細胞と接着状態の細胞を比較すると」という表現にしないと。
浮遊系の細胞で遺伝子導入効率が良かったのは、浮遊培養に馴化した293F細胞でした(PEI-MAXで60%ほど)が、同じ293F細胞を接着状態にした方が良いですね(80-90%)。もっとも導入後の培地組成が異なるので同一条件ではないけど。 |
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