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ウイルスゲノムの導入 トピック削除
No.2207-TOPIC - 2013/07/18 (木) 13:21:57 - ふーみ
いつも勉強させていただいています。

ある遺伝子ののったプラスミドを含むウイルスを、マウス細胞にトランスフェクションしようと思っています。しかし、ここで一つ疑問が湧いてきました。ウイルスゲノムが入り込むのは、一般に転写活性の強い領域だと昔授業で習ったのですが、そうだとしたら、そういったところに入り込んだウイルスゲノムはそのローカスにある遺伝子の発現を邪魔したり、破壊したりしてしまうこともあるんじゃないかと思ってしまいました。しかも転写が活発に起こっているということは、細胞にとっても重要な遺伝子である可能性もあるため、細胞に変な機能が付け加わったり、おかしくなったり、何らかの悪影響が及ぼされることも考えられると思うのですが、みなさまどう思われますか?
 
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(無題) 削除/引用
No.2207-10 - 2013/07/18 (木) 18:40:25 - AP
「相補」遺伝学用語です。ある遺伝子が欠損しても、正常な遺伝子のコピーによって、着目している表現型に影響が現れないことです。着目してる表現型やその評価方法で判断する限り、正常なアリルがひとつあれば十分な機能が果たせると解釈できます。

優性、劣性は、同じアリルについて述べる場合でも、何に着目して言うか、どんな表現型について言うかによって変わります。
導入した遺伝子(それがなんであれ)が、発現(転写、翻訳)されるかどうかという「表現型」にかんして言えば、他のアリル(トランスジーンに対してはアリルはそもそも存在していませんが)によって影響を受けないので優性とみなされます。その発現によって、細胞の形態やら生理やらになにか表現型が認められればその表現型に関しては優性と表現することができます。

うん、だからいちどちゃんと勉強しなおしたほうがいいと思うのだけれど、
講義2−3コマ分の説明をここでするわけにいかないし、中途半端に説明すると誤解するし、

(無題) 削除/引用
No.2207-9 - 2013/07/18 (木) 16:58:22 - ふーみ
APさま

誤解をしていたようで申し訳ございません。

> 二倍体の細胞であれば、LOF突然変異が生じたとしても、野生型の相同遺伝子で相補されるはずなので(LOHなどが生じない限り)、

「野生型の相同遺伝子で相補」というのを「野生型の相同遺伝子で抑制」ととらえてしまったために、挿入配列が、相同染色体のそのローカスに位置する野生型アレルによって「相補」されることで、結果的に「抑制」されると思い込んでしまいました。
この解釈はやはり間違っているのでしょうか?
また重ね重ね質問をしてしまい大変恐縮なのですが、トランスジーンが優勢に働くのはなぜでしょうか。
ご回答よろしくお願い致します。

(無題) 削除/引用
No.2207-8 - 2013/07/18 (木) 16:42:57 - おお
>片方の染色体には組み込まれたとしても、もう一方の染色体には組み込まれないとすれば、組み込まれていない側の染色体によって発現が抑制されるということになるように思うのですが、どうでしょうか。

なぜその様に思うのでしょうか?個人的には否定的ですが、その様に思う理由が分からないので、どの様に説明したらいいかわかりません。

もしろん片方の鎖がもう一方に影響するということが全く知られていないわけではありませんけど、

(無題) 削除/引用
No.2207-7 - 2013/07/18 (木) 16:39:57 - AP
>初心者なもので理解できていないのかもしれませんが、複数の独立したlineを立てて比較するというのは (略)

クローニングの実際については、おたくのスーパーバイザーに聞いてください。
同じ遺伝子を導入しても、例えば発現量がクローンごとに違うのは普通なので、全く同じ性質になるということはまずありません。定量的には異なるけれど、大部分のクローンは定性的に同様の性質がある、ということを確認して、その性質について見ていけばいいと思います。


>かしながら、そう考えると、誠に不勉強で恐縮なのですが、
野生型(非挿入)か突然変異体か(挿入体)が問題なのではなくて、優性(dominant)に作用するか、劣性(recessive)に作用するかということを考えるべきです。
野生型のアリルがあるから挿入突然変異アリルがもつトランスジーンの作用が抑えられるというのは、どういう機序を想定しているわけ? 野生型なら突然変異アリルは自動的に抑圧されるとでも? ちがうでしょう? トランスジーンの作用は優性に働くんだから。

細胞の遺伝子導入という手技の問題ではなく、基礎遺伝学をいちどちゃんと勉強したほうがいいと思います(あまり役に立たない高校生物の遺伝学以外、まともに勉強していない人が多くて、、、)。

(無題) 削除/引用
No.2207-6 - 2013/07/18 (木) 16:11:36 - ふーみ
APさま、おおさま

ご回答誠にありがとうございます。

> ゲノムにインテグレートされた状況を想定しているので、おそらくstableなcell lineを確立するつもりでしょうが、複数の独立したlineを立てて比較することで、現れた現象が導入した遺伝子の影響か、挿入でたまたまヒットした突然変異の影響なのかを検討できると思いますし、そうすべきだと思います(cell lineを立てるときはそうするものですよね)。

初心者なもので理解できていないのかもしれませんが、複数の独立したlineを立てて比較するというのは、例えば96穴プレートなどに一細胞ずつクローニングしていき、それらの細胞間で性質が同じかどうかを比べるということなのでしょうか?

> 二倍体の細胞であれば、LOF突然変異が生じたとしても、野生型の相同遺伝子で相補されるはずなので(LOHなどが生じない限り)、挿入位置の異なる複数のlineで本質的になにか異なる現象が起こることはそれほど無いように思います。

確かに仰ることは分かるような気がします。しかしながら、そう考えると、誠に不勉強で恐縮なのですが、今回の実験ではあるタンパク質のC末端側のみを発現させるための配列を挿入しようと考えているのですが、それ以外でも例えばshRNAでノックダウンさせるための配列などを二倍体細胞に導入したとき、片方の染色体には組み込まれたとしても、もう一方の染色体には組み込まれないとすれば、組み込まれていない側の染色体によって発現が抑制されるということになるように思うのですが、どうでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.2207-5 - 2013/07/18 (木) 15:33:50 - AP
挿入変異が生じるのは不可避。
プロモータ付近に挿入して転写活性を下げるとか、遺伝子を破壊してしまうとかで部分的な機能喪失型(loss-of-function, LOF) 突然変異が起こったり、挿入したレトロウイルスがもつ強力なエンハンサーやプロモータの影響で、周辺の遺伝子の転写活性が異常に活性化された機能獲得型(Gain-of-function, GOF)突然変異が起こったり。

ゲノムにインテグレートされた状況を想定しているので、おそらくstableなcell lineを確立するつもりでしょうが、複数の独立したlineを立てて比較することで、現れた現象が導入した遺伝子の影響か、挿入でたまたまヒットした突然変異の影響なのかを検討できると思いますし、そうすべきだと思います(cell lineを立てるときはそうするものですよね)。

二倍体の細胞であれば、LOF突然変異が生じたとしても、野生型の相同遺伝子で相補されるはずなので(LOHなどが生じない限り)、挿入位置の異なる複数のlineで本質的になにか異なる現象が起こることはそれほど無いように思います。

(無題) 削除/引用
No.2207-4 - 2013/07/18 (木) 15:22:29 - おお
プラスみどを含むウイルスといわれるとちょっと具体的にどんな方法をとろうとしているのかよくわからないのですが、
たいていの安定発現株をえるようなほうほうは、導入した遺伝子が転写が比較的盛んな場所にはいるといわれています。なのでご指摘の心配はつきものです。なのでそれを念頭にいれて実験をくむしかありません。

例えばシングルクローンからのコロニーで複数安定発現株をとったなら、全く同じ場所に導入されているわけではないでしょうから、たいていのそれらのクローンで共通して見いだせる性質なら、導入された部分依存的ではないといえるでしょうし、

シングルクローンをとらずにふやしたなら、違うところに挿入されたクローンのミクスチャーになるので、全体としてある程度平均化されるということは期待できます。

で転写があまりされていないところに入れることができたとしても、その入った周辺の遺伝子の発現が活性化される可能性があるので、同じような問題が起こり得ます。

(無題) 削除/引用
No.2207-3 - 2013/07/18 (木) 14:24:25 - ふーみ
774さま

ありがとうございます。では、発がんレトロウイルス以外のウイルスではどうでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.2207-2 - 2013/07/18 (木) 14:15:53 - 774
発がんレトロウイルスがそんな感じです。

ウイルスゲノムの導入 削除/引用
No.2207-1 - 2013/07/18 (木) 13:21:57 - ふーみ
いつも勉強させていただいています。

ある遺伝子ののったプラスミドを含むウイルスを、マウス細胞にトランスフェクションしようと思っています。しかし、ここで一つ疑問が湧いてきました。ウイルスゲノムが入り込むのは、一般に転写活性の強い領域だと昔授業で習ったのですが、そうだとしたら、そういったところに入り込んだウイルスゲノムはそのローカスにある遺伝子の発現を邪魔したり、破壊したりしてしまうこともあるんじゃないかと思ってしまいました。しかも転写が活発に起こっているということは、細胞にとっても重要な遺伝子である可能性もあるため、細胞に変な機能が付け加わったり、おかしくなったり、何らかの悪影響が及ぼされることも考えられると思うのですが、みなさまどう思われますか?

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