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PEG沈によるウイルスの濃縮実験について トピック削除
No.1719-TOPIC - 2013/05/08 (水) 13:39:55 - みっきー
お世話になります。

私は修士2年で、PEG沈によるウイルス濃縮法の回収率を測っております。これまで何度か回収実験を行ってきたのですが、回収率が一桁台のパーセンテージに留まっており困っています。私が行っている実験手順を示させて頂きますので、どのように改善すれば高い回収率が得られるのかアドバイスを頂けたら幸いです。

以下は先週行った実験手順です。


1) 水道水を5分間流した後に1 L×3を三角フラスコに採水した

2) 60 mgのチオ硫酸ナトリウムと200 mLの超純水で水溶液を作り、オートクレーブし、室温で冷ました後に1 mLを各サンプルに加えた

3) 各サンプルに850 gc/μLのHuman adenovirus 40 Dugan (ATCC® VR-931™)を1 mL添加し、ピペッティングと軽くヴォルテックスし撹拌させた

4) pHが7〜7.4ぐらいであることを確認した

5) 1つ目のサンプルにはNaCl 2% (w/v)とPEG 15% (w/v)、2つ目のサンプルにはNaCl 5% (w/v)とPEG 15% (w/v)、3つ目のサンプルにはNaCl 2% (w/v)とPEG 8% (w/v)を加え溶解させた (このようにPEGとNaClの濃度をバラけさせたのはこれまでの回収実験で沈殿物が見られず、PEGとNaClの濃度に問題があるのではないかと思ったからです)

6) サンプルを振とう機で120 rpm、4°C、2時間振とうさせた(多くの文献ではovernightで振とうさせたと書かれているのですが、Lewis and Metcalf (1988)にてstirred for 1.5 to 2 h at 4°Cと書かれていたのでそちらを参考にさせて頂きました)

7) サンプルを500 mLの遠心ボトルに250 mL程入れ、10,000 rpm, 4°C, 30分で遠心し、上澄みを吸引した。【この時、黒いペレットが各ボトルに3〜4個程確認された】

8) 50程残ったサンプルを50 mLのコニカルチューブに半分程移し(この時、10〜20 mL程度のPBSで遠心ボトルを2回濯いでその液もコニカルチューブに加えた)、10,000 rpm, 4°C, 30分で複数回に分けて遠心し、上澄みを吸引し、最終的に2mL程サンプルが残るようにした。【黒いペレットはサンプル中に残した】

9) 超音波振動を2分間、ヴォルテックス短めを複数回かけた後、150 rpmで1時間振とうさせ、ヴォルテックスと超音波振動を同じ要領で行った

10) 2 mLのクロロホルムを加え、15分間チューブを振りながら混ぜた後にサンプルだけをピペットで吸い取り別のチューブに移した

11) High pure viral nucleic acid kit (Roche)によりDNAを抽出した

12) リアルタイムPCRにより定量を行った

この結果、2 mLのサンプル中に1つ目のサンプルからは210 gc、2つ目からは2010 gc、3つ目からは1470 gc程が検出されましたが、回収率としては順に0.02%, 0.24%, 0.17%というとても低い結果が出てしまいました。

これまでの回収実験でも回収率が全て一桁台のパーセンテージに留まっており、実験手順自体がどこか根本的に間違っているのではないかと感じております。

一番気になっているのは、黒いペレットこそ確認できているものの、多くの文献で言われているようなペレットの塊が確認されないことです。

今行っている実験手順をどのように改善すべきかよろしくご教授願います。
 
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(無題) 削除/引用
No.1719-13 - 2013/05/28 (火) 17:26:26 - みっきー
mon様

わざわざ訂正版の手順をお示し頂きありがとうございます。

訂正 削除/引用
No.1719-12 - 2013/05/27 (月) 08:29:16 - mon
訂正です。
正「2.5M NaCl,40%(w/v) PEG6000を細胞培養液上清に1/4量加えて混合し」
失礼しました。

(無題) 削除/引用
No.1719-11 - 2013/05/24 (金) 15:49:34 - みっきー
mon様

ご返信ありがとうございます。

実験手順をお示し頂きありがとうございます。やはり、ウイルスだけでは目に見える沈殿物はできないのですね。私は今は水道水を用いた回収実験を行っておりますが、実サンプルは下水処理水なのでその処理水中の浮遊物とウイルスが共に沈殿し、沈殿物が見られるかなと考えております。

ご指摘ありがとうございます。PBSで遠心ボトルを濯いだ濯ぎ液をサンプルに加えていますが、確かにPEG/NaClが希釈されてしまっています。気づいておりませんでした。

PBSで濯ぐ代わりにPEG+NaCl溶液を別に作っておいて、それで濯いだ方が良いかもしれません。ご指摘ありがとうございました。


Organ様

ご指摘ありがとうございます。この掲示板で質問させて頂いた時は沈殿形成時間は2時間、振とう有りで行っていたのですが、多くの文献ではovernightで静置させたと書かれておりましたので、20、40時間静置させてみたのですが沈殿物は見られず(遠心前も後も)、回収率も一桁台のままでした。

沈殿物が見られないのは水道水にウイルスを添加しているが、他にタンパク系の物質が入っていないからかと考えております。回収率が低いのはmon様がご指摘下さったようにPBSの濯ぎ液をサンプルに加える際にPEG/NaClが希釈されてしまっているのが一つの大きな要因ではないかと思います。

(無題) 削除/引用
No.1719-10 - 2013/05/24 (金) 11:41:53 - Organ
PEGでのウイルス濃縮をそれほどやったわけではないですが、手順を拝見して、また、monさんの手順と比較しても、PEGを加えてからの時間が短いこと、振とうされておられること、が気になりました。特に粘性の高い中で凝集させるわけですので、振とうしてはせっかくできかけた沈殿も融けてしまいそうな気がします。おそらくPEGとの混合を気にされてのことと思いますが、一度、静かに混ぜられて、液が均一に見えるようにまでしておいて、後は時間をかけて静置されたほうがよいのではないでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.1719-9 - 2013/05/24 (金) 06:42:53 - mon
返信が遅れてすいません。
私の実験系は みっきーさんとは異なり、細胞培養液中の組換えアデノウィルスをPEG/NaClで沈殿濃縮していますので、参考程度に捉えてください。
2.5M NaCl,40%(w/v) PEG6000(オートクレーブ後熱いときとは分離する)を細胞培養液上清に1/5量加えて混合し、4℃で一晩放置後、7000g(チューブの耐遠心能力の80%ほど:漏れると厄介なので)x30分ほど遠心しています。私の場合、細胞培養液中の血清タンパクも一緒に沈殿するので沈殿は見えますが、チューブ壁面全面に薄くへばり着いていますので、デカンテーションの際、剥がさないように注意しています。
みっきーさんの操作で気になったのは、PEG沈をPBSで回収後、さらに遠心していているところです。
PEG/NaClは添加しているのでしょうか?希釈されたPEG/NaClを含むPBSではアデノウィルスは再沈殿しないで、上清として捨てているような?

(無題) 削除/引用
No.1719-8 - 2013/05/09 (木) 15:29:28 - みっきー
モモ様

いえいえ、お気になさらず。

うちで使っている遠心機では10,000 rpm = 9800G ぐらいです。私もPEG沈に関してはまだまだ勉強不足で、10,000 rpmが果たして適切な遠心速度なのかは分かっておりません(10,000 rpmを使っている文献もありますが、多くの文献では1500〜4000Gぐらいが使われているので)。


mon様

ご指摘及びご助言ありがとうございます。

手順5), 7), 8)についてもう少し詳しく説明させて頂きます。

5)では3本の三角フラスコ(2L)にdechlorinationを行った水道水1Lと850,000 gc程のアデノウイルスがそれぞれ入っており、5)で述べた通りの濃度のPEGとNaClを加えました。(サンプル@〜Bとする)

7)では500 mLの遠心ボトルを6本使用しており、サンプル@〜Bにそれぞれ二本ずつ用い、1つのボトルには250 mL程度サンプルを入れます。(うちで使っている遠心機では最大6本のボトルが入ります)遠心して吸引し、ボトルに<50 mL程残し、三角フラスコに残っているサンプルをまたボトルに注ぎ足して同じように遠心と吸引を行います。最後の段階では2つのボトルの内容物を1つのボトルにまとめて遠心します。この時、空にした方のボトルはPBSで2回濯ぎ、その濯ぎ液もサンプルに加えます。

8)では各サンプルに1本のコニカルチューブ(50 mL)を用い、遠心→吸引→注ぎ足し を繰り返し、最終的にチューブに2 mL程のサンプルが残るようにします。

1サンプル当たりにボトル1つだけだと遠心をする回数が倍になってしまうので、これまではできるだけ多くのボトルに小分けにして遠心を行っていたのですが、mon様のご指摘通り1サンプルにつきボトル1つに統一してみたいと思います。

mon様がPEG沈を行われる際は沈殿形成時間にサンプルを振とう機で振とうしておられますか?それとも、ラックに立てかけて安静にしておかれるのでしょうか?これまでPEG沈時に肉眼で確認できる沈殿物を見かけたことがないのですが、その沈殿物は遠心後だけでなく、遠心前にも既に現れているのでしょうか?

お忙しい中恐縮ですが、ご回答よろしくお願い致します。

(無題) 削除/引用
No.1719-7 - 2013/05/09 (木) 09:16:52 - mon
トピ主さんほど低濃度での濃縮の経験はないし系も違うので、幾つか気になった点を。
&#9339;の操作が理解出来ていないのですが、一回1ボトルで遠心出来なかったということでしようか?もしそうなら、チューブやボトルが増やすより、同じボトルで沈殿を重ねた方が良いです。
沈殿形成時間は長い方が回収率は良かった。
大きなボトルでの沈殿は、壁面に広く筋状に付着していることが多いので、目に見える沈殿だけ回収しては、収率が低いことが多い。
以上、ご参考になれば。

(無題) 削除/引用
No.1719-6 - 2013/05/08 (水) 21:25:28 - モモ
すみません。

PEG沈って超遠心をしないウイルス濃縮法なんですね。

失礼しました。

(無題) 削除/引用
No.1719-5 - 2013/05/08 (水) 21:08:08 - モモ
PEG沈はやったこともないですし、原理も知らないですが、遠心の10000rpm、30分でウイルスがきちんと沈殿するか疑問な気がします。

10000rpmってせいぜい15000Gぐらいですよね?

(無題) 削除/引用
No.1719-4 - 2013/05/08 (水) 15:51:17 - みっきー
この実験を始めた際に前述のLewis and Metcalf (1988)の実験手順をベースにしたため、PEG 6000を使用しております。

他のPEG沈を行っている文献を見てもPEG 6000が良く使われているので、問題ないだろうと考えています。

(無題) 削除/引用
No.1719-2 - 2013/05/08 (水) 14:22:52 - おお
PEGの分子量は検討されましたか?

PEG沈によるウイルスの濃縮実験について 削除/引用
No.1719-1 - 2013/05/08 (水) 13:39:55 - みっきー
お世話になります。

私は修士2年で、PEG沈によるウイルス濃縮法の回収率を測っております。これまで何度か回収実験を行ってきたのですが、回収率が一桁台のパーセンテージに留まっており困っています。私が行っている実験手順を示させて頂きますので、どのように改善すれば高い回収率が得られるのかアドバイスを頂けたら幸いです。

以下は先週行った実験手順です。


1) 水道水を5分間流した後に1 L×3を三角フラスコに採水した

2) 60 mgのチオ硫酸ナトリウムと200 mLの超純水で水溶液を作り、オートクレーブし、室温で冷ました後に1 mLを各サンプルに加えた

3) 各サンプルに850 gc/μLのHuman adenovirus 40 Dugan (ATCC&#174; VR-931&#8482;)を1 mL添加し、ピペッティングと軽くヴォルテックスし撹拌させた

4) pHが7〜7.4ぐらいであることを確認した

5) 1つ目のサンプルにはNaCl 2% (w/v)とPEG 15% (w/v)、2つ目のサンプルにはNaCl 5% (w/v)とPEG 15% (w/v)、3つ目のサンプルにはNaCl 2% (w/v)とPEG 8% (w/v)を加え溶解させた (このようにPEGとNaClの濃度をバラけさせたのはこれまでの回収実験で沈殿物が見られず、PEGとNaClの濃度に問題があるのではないかと思ったからです)

6) サンプルを振とう機で120 rpm、4°C、2時間振とうさせた(多くの文献ではovernightで振とうさせたと書かれているのですが、Lewis and Metcalf (1988)にてstirred for 1.5 to 2 h at 4°Cと書かれていたのでそちらを参考にさせて頂きました)

7) サンプルを500 mLの遠心ボトルに250 mL程入れ、10,000 rpm, 4°C, 30分で遠心し、上澄みを吸引した。【この時、黒いペレットが各ボトルに3〜4個程確認された】

8) 50程残ったサンプルを50 mLのコニカルチューブに半分程移し(この時、10〜20 mL程度のPBSで遠心ボトルを2回濯いでその液もコニカルチューブに加えた)、10,000 rpm, 4°C, 30分で複数回に分けて遠心し、上澄みを吸引し、最終的に2mL程サンプルが残るようにした。【黒いペレットはサンプル中に残した】

9) 超音波振動を2分間、ヴォルテックス短めを複数回かけた後、150 rpmで1時間振とうさせ、ヴォルテックスと超音波振動を同じ要領で行った

10) 2 mLのクロロホルムを加え、15分間チューブを振りながら混ぜた後にサンプルだけをピペットで吸い取り別のチューブに移した

11) High pure viral nucleic acid kit (Roche)によりDNAを抽出した

12) リアルタイムPCRにより定量を行った

この結果、2 mLのサンプル中に1つ目のサンプルからは210 gc、2つ目からは2010 gc、3つ目からは1470 gc程が検出されましたが、回収率としては順に0.02%, 0.24%, 0.17%というとても低い結果が出てしまいました。

これまでの回収実験でも回収率が全て一桁台のパーセンテージに留まっており、実験手順自体がどこか根本的に間違っているのではないかと感じております。

一番気になっているのは、黒いペレットこそ確認できているものの、多くの文献で言われているようなペレットの塊が確認されないことです。

今行っている実験手順をどのように改善すべきかよろしくご教授願います。

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