ご承知だとは思いますけど、ミエロペルオキシダーゼは主に好中球のアズール顆粒内に貯蔵されている酵素で、好中球が異物などを貪食・消化する際に活性が認められます。
したがって、肝臓内にMPO活性が観察されるということは、すなわち、肝炎や脂肪肝などで肝臓に炎症が生じ、肝組織中に好中球が集積していることを示唆しています。
凍結融解後の肝ホモジネート中にMPO活性が検出されないということですけど、可能性としてはおおまかに、
(1)そもそも炎症が生じていなくて肝臓内に好中球が浸潤していない(か量的に不十分)
(2)肝臓内に好中球は集積しているが、ホモジネート上清中に抽出できていないか、凍結保存あるいは抽出操作中に失活してしまっている
(3)ホモジネート上清中に(酵素自体は)抽出できているが、活性を示す条件が整っていないか(カルシウムイオンやその他補因子が足りないなど)、活性を阻害する物質が内在している
などが考えられます。
それぞれの可能性を否定するための対照群をおいて実験することをお勧めしますけど、最初から(2)の可能性が高いと推論される根拠がなにかあるのでしょうか。
またどのような肝炎モデルを選ばれているのでしょうか。その条件で病理組織的には十分炎症像が観察されているのでしょうか。 |
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