Infusion法で気がついたことをコメントします。
原理は、3'-5'exonuclease活性で一本鎖部分を作り出し、相補鎖でハイブリさせ、大腸菌内で修復・連結させています。
(1)同じコロニー数を得るにはDNA(vector,insertともに)は通常のligation法に比べ多く必要(~10倍~?)。したがってライブラリー作製には向いていない。
(2)KitのManual通りだと反応液が余るし高価なので、1/3~1/2volで行なっている。
(3)insertはfreshなものが良い。その意味は、fidelityの高いPCR酵素を用いたPCRサイクル終了後4℃で一晩おいたものは電気泳動のバンドに変化はないが、infusion効率が悪い時があった。そのためPCR反応後すぐに精製して用いている。PCR産物末端が削られたせいか?
(4)稀にコロニーが得られないときがあるが、その時はinsert量を3~5倍に増やすと成功することが多い。それでもダメなときは他の方法(bluny-end ligation)を試した方が早い。ただし、insertの質が悪かっただけかもしれない。
(5)ベクターは1-cutだとinsertなしが取れやすいので、stuffer DNA入れて確実に切断できたvector DNAをゲルから切り出し使用すると効果的。アルカリフォスファターゼ処理してもinfusion効率は変わらないようである。最近は制限酵素切断前にPlasmid-Safe酵素処理すると良いかも、思っている。
(6)稀に接続部分が1bp欠けるときがある。
使用経験はないのでコメント出来ませんが、T4 DNA polymeraseを使う方法もあります。
http://www.embl.fr/research/services/berger/ACEMBL.pdf
SSBを添加すると効率が向上するようです(論文が出て来なくてすいません)
あくまでも私の限定された使用感ですが、ご参考になれば幸いです。 |
|