>ただ、たった5%なので、個々の遺伝子は、p値が差が出ていないのですが、こんな微量な差でも差があると言い切っていいものなのでしょうか。
特定の遺伝子リストに載ってるものが与えられた変化で全体として変化してるか?ということを統計的に処理する方法はいくつかあると思います。一番わかりやすいのはFisherの検定をしてあるリストの遺伝子がDEGに濃縮されてるかを見るとか(GO解析など)、ノンパラメトリックならGSEAのgene setをつくって優位にあるとかも出せると思います。
もっとも、バイオ系の論文だと特定データをこねくり回して優位だからって結論を出すより、別の角度からとったデータをふまえて”総合的に見て”意味がある、というほうが説得力がある気もします。それなら、別に20/80でもそれらをheat mapにしてAに関連する複数の遺伝子は全体的に影響してることもわかる、って1つのfigを作るだけで十分ではないでしょうか?個別分子でP-valで優位でなくても、残りの60個も期待通りの変動傾向がみえるだけでもいいと思います。
本質的なことをいうと、Aによって制御を受けるとされる80個の遺伝子全てが同様にAの量に応答するかはわかりません。シグナル伝達でネガティブフィードバックなどを構成する因子であればシグナルの強弱に感度よく応答しますが、関連が弱い分子が全て動かなくても”コンテクストによる”とも言えます。よって、たとえばHIFの活性がある、というデータを示す場合にHIF関連遺伝子を全て見なくても、重要なものを複数確認してqPCRデータを並べて表示などはよく論文でされてます。オートファジー、アポトーシス、細胞老化マーカー、とかそういうケースはよくあります。当然それらの遺伝子発現だけで証明とはなりませんが、データの一つとしては有効でしょう。 |
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