実験動物生産業者の中の人です。
追いかけ交配に関しては別のスレに書いたので省略しますが、産仔の生存率を上げる手段としてFobP法を試してみたらどうでしょうか。
FobP法の手順は、
1.交配させたB6系統のプラグを確認して分娩日を予想する
2.妊娠が確認出来た頃に、B6系統よりも1〜3日早く分娩予定の妊娠ICRマウスを同じケージに同居させる
3.ICRが先に分娩する
4.B6系統が後から分娩する
5.分娩した後に仔を哺育放棄しても、ICRが自分の仔と一緒にB6系統の仔も育ててくれる
6.生後3日目頃にB6系統の親を別ケージに分離する
7.生後10日目頃にICRとB6の仔が合計8〜10匹位になるように匹数を調整する(仔が多い時はICRの仔を間引く)
8.離乳まで成育させる
といった流れです。
FobP法の大前提として、B6よりもICRを先に分娩させなければなりません。
そのためには、妊娠ICRは必ず初産の個体を使ってください。ブリーダーに予め初産のプラグ確認ICRと指定して発注すれば対応してくれる筈です。
初産を使う理由ですが、初産のICRはプラグ確認18日目で殆ど分娩しますが、経産だと着床遅延で妊娠期間が延びる個体が混ざってくるので、B6系統の方が先に産まれてしまう可能性が出てきます。
分娩日の差の理想は1〜3日以内ですが、5日ぐらいまでなら恐らく大丈夫だと思います。
あと、ICR親が哺育する仔の匹数が多すぎると乳の奪い合いで仔がちゃんと育たず、少な過ぎると哺育する意欲を無くしてしまうことがあるので、途中で必ず適正数に調整してください。生後10日くらいでもB6系統とICRの仔は外見で判別が容易なので、目的の黒色の仔を優先して残します。
手間は掛かりますが、離乳率や離乳仔数は確実に向上するはずです。 |
|