大腸菌でリコンビナントを発現する系では蛋白によって大きく発現量が異なります。物によってはCBBで発現が確認しにくいぐらい低いものもあります。もしWBできるならそれで発現を確認してみてください。あるいはカラムにのっけて精製してみると濃縮されてCBBで検出可能な量取れるかもしれません。個人的には数十ナノグラムで反応させる事が多かったので、CBBで発現の確認が難しい場合でも精製して1マイクログラムも取れれば十分実験ができましたので、その程度の量でいいなら精製してしまっていいかもしれません(発現しているという確証がほしいのでWBはやったほうがいいでしょうけど)。
バックボーンがおかしくなったというのはよほどの限りないと思います。もし自身で作成したプラスミドなら複数のクローンを取っているでしょうし、他のクローンで配列があっているやつを使ってみるのは手です。私の場合は万が一ということもあるので3、4クローンで同時に複数スモールスケールでやるようにしてます。変に逸脱したやつは怪しいからです。
発現を上げる工夫は色々とあります。培養条件、コンストラクト(タグがN末かC末かとかリンカーとか)、大腸菌の株、コドンの最適化などきりがありませんが、こうすれば良くなるという確実なやり方は存在しません。多少は手探りでやってみてもいいのかもしれませんが、個人的にはこれでかなり改善したという感触はないです。根気よくやればいい条件が見つかるかもしれませんが、どこまで時間をかけるかというのもありますし。
比較的うまくいくと聞いている発現が確保できそうな方法論としてはCell free systemです。興味があれば調べてみてください。 |
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