続いて研究者向けにしてみました:
最後のとき(The Last Time)―研究者へ
研究の道に足を踏み入れたあの日から、あなたの人生は大きく変わりました。
初めて論文を読み込んで夜を徹した日、初めて学会発表で緊張した日、
そして初めて自分の名前で成果が世に出た日の喜び。
そのすべてが積み重なり、あなたの研究人生を形づくってきました。
しかし、研究の旅路にもまた「最後のとき」があるのです。
ラボで実験を繰り返す日々も、いつかは最後を迎えます。
学会で仲間と議論を交わすのも、最後の日が訪れます。
研究費の申請に苦心し、採択に喜ぶのも、最後となる日があります。
学生や後輩に実験を手ほどきし、指導するのも、最後の場面があります。
論文のリジェクトに落胆し、アクセプトに歓喜することも、
いつか「これが最後」となる瞬間を迎えるのです。
けれど、その時が「最後」だと気づくことはほとんどありません。
気がつけば、もう二度と繰り返されない時間となって過ぎ去ってしまうのです。
だからこそ、どうか忘れないでください。
今この瞬間の研究にも、「最後のとき」が潜んでいることを。
もう一度だけ、もう一度やり直したい、と願うような時間を、
いま大切に生きてください。
研究者としての旅路の一つひとつが、未来へと受け継がれる知の財産なのです。 |
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