現在、キャップ付きの約8.3kbのRNAをin vitro転写しようとしております。同じ条件で転写している約1kbと2kbのRNAは転写されることは確認できたのですが、8.3kbの方は1kb周辺を中心にスメアになってしまっていて、目的産物が得られません。また反応時間を長くすると少しスメアの中心長が短い方向へとわずかにずれているように見えます。
NTPの濃度を上げても同様の転写物のパターンを示しました。
転写産物が十分に伸長しないのではなく反応中に壊れているのか、とも思うのですが、何かアドバイスなど頂けると幸いです。
具体的な方法は以下です。
T7プロモーター配列を付加したプライマーと、Ax20、SnaB1、Kpn1サイトを付加したプライマーで目的配列を増幅し、pUC19に組み込み配列はシークエンスで確認した。
ミニプレ回収しRNaseA処理後、フェノールクロロホルム抽出を2回行い、エタノール沈殿でDNAを回収した。
SnaB1で切断し、フェノールクロロホルム抽出を2回行い、エタノール沈殿でDNAを回収した。
電気泳動し、切断できていることを確認した。
nano dropで濃度を測定し、1μg分をin vitro 転写に用いた。
<in vitro転写反応組成>
水 up to 20μl
T7 RNA polymerase Buffer(T7 RNApolymeraseに付属)2μl
0.1%BSA(Takaraの制限酵素に付属) 2μl
50mM DTT (T7 RNApolymeraseに付属)2μl
A、C、UTP mix(各々10mM) 2μl
m7G(5')ppp(5')G (NEB) 2μl
10mM GTP(10mM) 0.6μl
ribonuclease inhibitor(wako) 0.5μl
上記で調整した鋳型プラスミド 3μl
T7 RNA polymerase(Takara) 2μl
42度で、1hインキュベートしたのち、10mM GTPを2μl追加し、さらに42度でインキュベートし、GTP追加後7時間まで経時的にサンプリングしていきました。
産物は、7μlのRNaseフリーの水を加え、70度で2分保温後、氷上で急冷し、非変性の1xTBEゲルで100V, 30分泳動して確認しました。1kb、2kb、8,3kbの産物ともひとつのゲルで泳動しました。
器具はすべてRNA専用のものを用いています。 |
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