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PCRでのMgとMnの共存 トピック削除
No.12947-TOPIC - 2025/05/07 (水) 15:24:51 - Ca
いつも参考にさせていただいております。

現在、訳あってTth酵素を用いた1stepのRT-qPCRを行おうとしています。
しかし、エンドポイントのPCR後の産物を電気泳動すると
非特異産物が発生していました。

プライマーの変更が望ましいと思いますが、
現状この変更が諸事情で行いにくいです。

Tthの逆転写にはMnが必須ですが、このMnのせいで非特異産物が
発生しやすくなっていると推測しておりますので、
ここにMgを添加することで非特異産物の発生を抑えられないかと
考えています。

実際にこのような手法を取ること等はありますでしょうか。
ご教示いただけますと幸いです。
 
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30件 ( 1 〜 20 )  前 |  1/ 1. 2. /2


(無題) 削除/引用
No.12947-31 - 2025/05/17 (土) 18:10:36 - G25
RTの反応時間を減らすと非特異的産物が減るというのは興味深い発見ですね。

RTaseはstrand displacement活性がありますが、その影響かもしません。
RTaseは反応時間を長くすることでcDNAの収量を上げることができるという説明が一般的です。RT-PCRの感度が多少なりとも上がると。

しかし、strand displacementのことを考えると、特にRandom primerの場合、一分子のRNAの同一の配列を複数回逆転写することになって定量にバイアスがかかるのではないかと、このごろ思料しております。

最近はメーカーによるRTasse製品のbulletinなんかでも、RTの反応時間を短縮しても(甚だしい例では反応時間0 mimでも)qPCRに遜色ないとかいう情報が出ていたりします。

Klenowでrandom prime labellingでプローブをつくる場合なんかも、反応時間を伸ばすほど収量が上がりますが、しまいには投入した鋳型量以上の産物ができたりします。これはstrand displacement活性によって同じ鋳型に対して複数回複製が起こったための現象だと考えています。また、Klenowで長時間反応するとstrand displacementだけでなく新生鎖がループバックして鋳型鎖をdisplacementして自己鎖を鋳型として自己相補性のあるヘアピン状の産物を生じることがあるというのもどこかで読みました。過剰なRT反応でもこれが起こって、PCRをかけたとき不正な産物が増幅するのではないかと危惧します。

(無題) 削除/引用
No.12947-30 - 2025/05/17 (土) 03:56:16 - おお
示された商品はポリAだしTリッチの配列ならうまく吸収してくれるかもしれないけど、
じゃあキャリアー入れるというのは見当違いなのかな、、、もしPCRの反応のときになにかしているのであれば参考資料がほしいですね。

(無題) 削除/引用
No.12947-29 - 2025/05/17 (土) 03:42:26 - おお
>感度、Ct値が向上するのは、まさにキャリアの仕事で微量の鋳型が吸着ロスするのを緩和するからだと思う。

なるほどそれならPCR反応にはあまり関係ないっていうことになりますね。

No.12947-26示されたページですが微量の鋳型の容器への吸着の防止、Nucleaseからの保護、エタ沈などの回収率の改善が書かれてますが、PCRに関して直接関係がないように見えます。

Saturated contact with the surface adsorption of articles. Most polypropylene articles have static electricity on the surface, which will adsorb nucleic acids. Carrier RNA can saturate these adsorption effects and reduce the loss of target nucleic acids.

Inactivate trace nucleases: There are various nucleases in biological samples and environment. Poly A can inactivate trace nucleases in the extraction or preservation steps to improve the yield and stability of target nucleic acids.

Coprecipitation: In the nucleic acid purification step of alcohol mediated precipitation or binding, poly A can coprecipitate with the target nucleic acid or form polymerparticles to improve the recovery.

(無題) 削除/引用
No.12947-28 - 2025/05/17 (土) 03:34:53 - おお
>
> >[Re:25] おおさんは書きました :
> > >またRT-qPCRを行ったところ、DNA添加した場合では
> > >Cq値が未添加の場合よりも良くなっていました。
> >
> > ノンスペがある時点でそれはあまり当てにならないような気がしますが。
>

>[Re:26] ズコットさんは書きました :
> Ct値を下げることを謳ったキャリヤーRNA製品もあるくらいだし、
> キャリヤーの添加で増幅効率も高まることはあるよ。
> 直接的な効果なのか、間接的な効果なのかはわからないが。
>
> https://www.dnatestingexperts.com/ja/product/poly-a-carrier-rna/?srsltid=AfmBOopQIs9DU6PcpJRsQYfK0HcNcr-p0wmYQZPTvOPgTebVdER0GDwg
>

情報ありがとうございます。増幅効果が高まるというのは理解しますが、それが確認されてない状態でCtが低くなったとしても必ずしもターゲットの特異的増幅効果が高まったとは言えないのかなと思いました。

(無題) 削除/引用
No.12947-27 - 2025/05/17 (土) 02:04:58 - G25
感度、Ct値が向上するのは、まさにキャリアの仕事で微量の鋳型が吸着ロスするのを緩和するからだと思う。
が市販、自作で鋳型の希釈用液と言うのがあるけど、キモはLPAやyeast tRNA, salmon sperm DNA などのキャリア分子。
非特異的産物の抑制効果はまた別かもしれない

(無題) 削除/引用
No.12947-26 - 2025/05/17 (土) 01:31:53 - ズコット
Ct値を下げることを謳ったキャリヤーRNA製品もあるくらいだし、
キャリヤーの添加で増幅効率も高まることはあるよ。
直接的な効果なのか、間接的な効果なのかはわからないが。

https://www.dnatestingexperts.com/ja/product/poly-a-carrier-rna/?srsltid=AfmBOopQIs9DU6PcpJRsQYfK0HcNcr-p0wmYQZPTvOPgTebVdER0GDwg



>[Re:25] おおさんは書きました :
> >またRT-qPCRを行ったところ、DNA添加した場合では
> >Cq値が未添加の場合よりも良くなっていました。
>
> ノンスペがある時点でそれはあまり当てにならないような気がしますが。

(無題) 削除/引用
No.12947-25 - 2025/05/17 (土) 00:24:40 - おお
>またRT-qPCRを行ったところ、DNA添加した場合では
>Cq値が未添加の場合よりも良くなっていました。

ノンスペがある時点でそれはあまり当てにならないような気がしますが。

よりスペシフィックのPCRをという事で考えられるのは、たとえばプライマーの濃度を下げるとか、場合によってはテンプレートの量をさげるとか、バンドがでないときRNaseHを加えるとバンドが出るようになったということもあるので、PCRの前に加えてみるとか、ベタインなど加えてみるとか。試行錯誤のしようはあるとは思いますが。
qPCRはSybrですか?TaqManのような核酸のプローブですか?

(無題) 削除/引用
No.12947-24 - 2025/05/16 (金) 14:35:48 - 774R
その通りの仕組みで目立たなくなると理解してますよ。

(無題) 削除/引用
No.12947-23 - 2025/05/16 (金) 14:10:50 - ズコット
いいえ、目立たなくなるにしても、PCRの場合、指数関数的に差が強調されるんですよ。だから数十サイクル後には特異バンドが圧倒的ドミナントになる。

>[Re:22] 774Rさんは書きました :
> なるほど。非特異なバンドが出る代わりに、それらが分散されてスメアーになって目立たなくなるということですかね。
> やっぱり、本来のバンドの特異性に影響はない気がする。

(無題) 削除/引用
No.12947-22 - 2025/05/16 (金) 12:25:13 - 774R
なるほど。非特異なバンドが出る代わりに、それらが分散されてスメアーになって目立たなくなるということですかね。
やっぱり、本来のバンドの特異性に影響はない気がする。

(無題) 削除/引用
No.12947-21 - 2025/05/16 (金) 11:59:08 - Ca
皆様

ご助言ありがとうございます。
またお返事が遅れましたm(_ _)m

別の仕事で中々こちらに手が回らなかったのですが、
追加で調べてみました。

おお様がおっしゃってくださった、
EGTAでMnを吸収してからMgを加えてPCRする
というのは、私の検討では特に効果は見られませんでした。

ズコット様がおっしゃってくださったようなことを
所属先の方からも助言をもらったので行ってみたところ、
これまでと同様20測定の結果ですが、非特異が明らかに少なくなりました。
(0にはなっていません。)
またRT-qPCRを行ったところ、DNA添加した場合では
Cq値が未添加の場合よりも良くなっていました。

774R様の考えと同じく、プライマーが過剰に入っているのに
意味あるのだろうかと半信半疑で行ってみたのですが、
私の検討では意味があるという結果になりました。

(無題) 削除/引用
No.12947-20 - 2025/05/16 (金) 11:17:07 - ズコット
PCRはじまりの数サイクルに効いてるのでしょう。
PCRにおいて、プライマーは標的配列と、2番目、3番目、、、と安定性の高い順に優先配列にアニールするが、雑多な配列が大量にある場合、2番目、3番目の人気がバラけてオッズが下がり(競馬に例えてます)、結果として、1番目が優先的に増幅するようになります。
これで通じたかな。
PCRの場合、多頭数立てのレースになると、1番人気が勝ち易くなるってイメージです。

>[Re:17] 774Rさんは書きました :
> どういうことだろう????
> 元々、プライマー濃度は最終的なPCR産物に比べて大大大大大過剰な量を加えてるんですよ?
> 非特異なDNAを加えたところで、量的なことを考慮すれば相手が居ないプライマーが大量に存在するのは変わらない。

(無題) 削除/引用
No.12947-19 - 2025/05/16 (金) 11:15:21 - ズコット
日本の特許明細(請求項ではなく、実施例とか詳細な説明の中にあった)で見て、自分の経験と一致していたのでよく覚えてます。
どの特許だったかまでは覚えてません。

>[Re:14] おおさんは書きました :
> リファレンスありますか?やっている人いるのだろうか?ほんとに有用なら困ったときは考えてみてもいいけど、、、

(無題) 削除/引用
No.12947-17 - 2025/05/16 (金) 08:36:07 - 774R
>相手が居ないプライマーが妥協してアニールしちゃう

どういうことだろう????
元々、プライマー濃度は最終的なPCR産物に比べて大大大大大過剰な量を加えてるんですよ?
非特異なDNAを加えたところで、量的なことを考慮すれば相手が居ないプライマーが大量に存在するのは変わらない。

(無題) 削除/引用
No.12947-16 - 2025/05/16 (金) 02:37:20 - おお
ところで前に示したのですが、EGTAでMnを吸収してからMgを加えてPCRするというのはやったのだろうか。

(無題) 削除/引用
No.12947-15 - 2025/05/16 (金) 02:34:52 - おお
> 非特異を下げたいなら、Calf Tymus DNAとかSalmon Sperm DNA

非特異な吸収から生じるノンスペを減らすならRNAのほうがいいかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.12947-14 - 2025/05/16 (金) 01:50:59 - おお
>[Re:13] ズコットさんは書きました :
> 非特異を下げたいなら、Calf Tymus DNAとかSalmon Sperm DNAとか、増幅に無関係の核酸を大量に共存させるといい。
> ターゲットの核酸しか加えていない環境だと、相手が居ないプライマーが妥協してアニールしちゃうので非得意増幅が起きる。


リファレンスありますか?やっている人いるのだろうか?ほんとに有用なら困ったときは考えてみてもいいけど、、、

逆も真なりで、複雑性が増える分ノンスペも起こりやすくなったりする。
また逆に加えたCalf Tymus DNAなどによりいろいろなところに完全じゃないけどアニーリングして吸収されてPCRがかからないといったことも。

というのが個人の感覚です。これらはヒトのゲノムDNAからPCRするときに起こりがちだと思っています。RT-PCRより結構難しい。

加える量的なもの?

(無題) 削除/引用
No.12947-13 - 2025/05/15 (木) 20:57:45 - ズコット
非特異を下げたいなら、Calf Tymus DNAとかSalmon Sperm DNAとか、増幅に無関係の核酸を大量に共存させるといい。
ターゲットの核酸しか加えていない環境だと、相手が居ないプライマーが妥協してアニールしちゃうので非得意増幅が起きる。

(無題) 削除/引用
No.12947-12 - 2025/05/12 (月) 21:55:42 - おお
RTでノンスペが減らせる対処法としては、大抵はオリゴdTの方がテンプレートの複雑性が減りノンスペがが減る可能性が高いです。さらに言うとスペシフィックプライマーの方がより特異性が確保できます。スペシフィックプライマーを使う時はもしリファレンスのcDNAが必要ならそのスペシフィックプライマーも加えておくと言う手もあります。オリゴdT+スペシフィックでも改善するかもしれません。

正しいPCRのアンプリコンに対するミスアニーリングによるノンスペはRTで改善しようとしても効果がないでしょう。

(無題) 削除/引用
No.12947-11 - 2025/05/12 (月) 16:44:05 - Ca
おお様、G25様

ご助言ありがとうございます。
また、お返事が遅くなりました。

自分の方でも実際にMn, Mg濃度を様々振って
検討をしてみました。
結果はG25様がおおむねおっしゃる通りで、
MnとMgを添加しても非特異は発生しました。

20測定だけですが、Mgを添加したほうが、さらに非特異が
多くなるようなことはなかったという結果です。

さらに別検討をするとRT中に悪さが起こってる
ということが分かりました。
RTを短縮することで非特異がなくなっています。

提示した文献が間違っていたのは申し訳ありませんが、
文献に沿ったデータが得られました。

使用している酵素のフィデリティーは分かりませんが、
一般的なTthのフィデリティーは通常使用される酵素よりも
フィデリティーが低いようです。

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