その発想は、細胞老化という現象がほとんどキャラクタライズされてなかったときからのものです。
「がん細胞は老化機構による細胞周期停止を非可逆に解除しているんですよね?」
という問いに対して、CDK活性の抑制による老化のPathwayはまだ存在してるでしょう。非可逆に解除しているとは言えませんよということです。いかに示すように、癌細胞がCDK4/6 inhibitorsにより老化するということが実験的に示されています。
In fact, CDK4/6 inhibitors have proven to induce quiescence or senescence in a variety of different cell types in vitro and in vivo: breast cancer [15–17], melanoma [18, 19], hepatocellular carcinoma [20], gastric and oesophageal cancer [21, 22], liposarcoma [23, 24], leukaemia [25] and neuroblastoma [26].
PMCID: PMC7610384 EMSID: EMS118504 PMID: 32541838
>かりに、がん細胞の単一遺伝子産物の量を変えることでそれが「老化」する、としましょう。
>疑問は、それをもたらす突然変異は正常細胞にも簡単に起こりうることで、がん細胞はすでにそれを乗り越える仕組みを獲得しているのではないか。そうでなければ、たとえば、遺伝的に不安定なHeLa細胞を継代するにつれて老化細胞が増えてくる、
「それをもたらす突然変異は正常細胞にも簡単に起こりうることで、」
この前提はどこから来たのでしょうか?老化は突然変異が起因していると言う話ですか?それは聞いたことがありません。
「遺伝的に不安定なHeLa細胞を継代するにつれて老化細胞が増えてくる」
たとえ老化する細胞が現れても老化細胞が増えることはないでしょう。増殖する細胞が周りでどんどん増えて行くので。
「正常細胞の細胞老化とどう異なるのか、です。」
CDK4/6 inhibitorsによる老化は正常細胞に見られるp16ink4aによる細胞老化と共通するものがあると思います。 |
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