TritonXの濃度や時間を伸ばすことで改善するかもしれません。TX100は核膜の外膜は溶かしますが内膜にはあまり影響しないと言われてます。ただそれも程度問題で、濃度や時間をあげればそれなりに壊れます。自験例ですが0.2%TX100, 15minで核タンパク質は普通に染まってます。
培養細胞ではありませんが、未固定凍結した組織切片でホルマリン固定して免疫染色したところいくつかの核タンパク質の染色性がとても弱くて、(通常、凍結切片では抗原賦活はしなくても綺麗に染まることがほとんどなのですが)、あえて抗原賦活処理を行ったところ抗体との反応性が劇的に改善した経験が何度かあります。核タンパク質は転写因子群などタンパク質複合体を形成して高度な4次構造を取るものも多いのでエピトープの位置によっては立体障害みたいな感じで抗体がアクセスしにくいことがあるのかもしれません。激しい処理を行うことでそうした4次構造が適度に崩れる結果、エピトープが露出して抗体がスムーズにアクセスできるようになるのかなあとその時は想像しました。
培養細胞だと抗原賦活は細胞が剥がれたり、細胞の形態が崩れたりして技術的に難しいかもしれないですが。
すでに指摘があるように固定方法の選択はしばしば結果に大きく影響しますので、今とは別の方法で検討することは大変重要と思います。PFA固定(ホルマリン固定)の場合は時間はできるだけ最短(培養細胞ならば5分以内とか)で済ませることも重要です。過剰な固定は抗体との反応性を著しく低下させることがあります。 |
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