硬組織の染色の特殊性に起因する可能性はあるかもしれませんが、経験無いので、あくまで免疫染色の一般的な話で書きます。
1. ABC法とのことですが、内在性ビオチンのブロックはできているでしょうか。一応念の為。
2. マウス組織とのことですが、血液成分が残存していると2次抗体がanti-mouse immunoglobulin もしくはanti-rat immunoglobulin (特にmouse血清で吸収前処理なしの製品の場合)の場合、組織中のimmunoglobulinと反応してBGとして現れることがあります。後者のケースでマウス組織をrat由来抗体で染色した時はどうしてもBGが上がりやすかったので2次抗体をいくつかのメーカーから購入して比較検討したことがあります。他の動物種はあまりそういうことはないです。
3. 切片にしてから数日〜1週間以内くらいのあまり時間のたっていないものは比較的よく染まりますが、1ヶ月以上とか時間が経った検体は免疫染色が染まりにくくなる(数ヶ月とか経つと全然染まらなくなることもあります)ことが多いです。(特に切片を長期間室温保存してるとその傾向は強いです。)エピトープ部分が酸化などで変質してくるからかもしれません。なので切片作成時期が大きく違う検体を同一条件で染めようとすると、結果的にDAB発色時間などは染まりにくい方に合わせることになるため、検体によってBGの強さに差異が生じることがあるかもしれません。基本はパラフィンブロックならば冷蔵庫保存し、一旦薄切して切片化したものはなるべく時期を揃えて早めに染色しましょう。 |
|