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プラスミドについて トピック削除
No.12843-TOPIC - 2025/02/18 (火) 21:22:14 - mito
いつも勉強させていただきありがとうございます。

細胞生物学、分子生物学のラボにいますが、日常的に遺伝子のクローニング、発現ベクターの構築、遺伝子導入、そしてその機能解析を行っています。
プラスミドを構築する際には少なくともクローニングした遺伝子についてはサンガーで確認しています。
また最近はプラスミド丸ごとシーケンスも遺伝子サイズによっては利用しています。

しかし、譲渡を受けたプラスミドにしばしばミスセンス範囲があることがあり、それらはSNPsというわけではなくクローニング時のエラーかと想像します。
そのようなプラスミドが過去に論文に使われていたりすると、もやもやしてしまいます。
そのように伝えると驚かれて、感謝はされますが、それで終わりになります。
scientific rigorに関わることだとは思いますが、科学コミュニティへの責任を考えると、正しいプラスミドを使うことは当然にしろ、誤った材料や試薬を用いた場合にもアクションは必要なのではないかと思います。

譲渡いただいた手前、なんとも言えない気持ちになり、もやもやが募ってしまいます。
mutagenesisをする場合にも、変異を導入した部位だけでなく、他の部位も読むべきでは、と思ってしまいます。

テクニカルな質問というわけではないため、誠に恐縮ではありますが、忌憚のないご意見を頂けましたら幸いに存じます。
 
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(無題) 削除/引用
No.12843-4 - 2025/02/21 (金) 01:01:22 - mont
昔(10年ぐらい前)は時間とお金の都合で、全長、プラスミドまでシークエンスしていませんでした。WTは全長シークエンスするとしても、その後は変異部分だけシークエンスとかでした。変異プラスミドは複数クローンを予備に用意しておいたり(何か変なことが起きた時用)。結局は時間とお金とリスクバランスの問題。

今はプラスミドの骨格を含め、全長で15ドル程度、1日で結果がでるサービスがあるので、プラスミド全てをシークエンスしてます。

この方法で他人から貰ったプラスミドや、過去のラボメンバーが作ったプラスミドを調べると、かなりの確率で目的遺伝子の中に嫌な変異が見つかったり、全然ちゃうやん、という結果になり、その頻度に正直ビックリします。プラスミド骨格の変異はあまり気にしていませんが(ちゃんと増えてればいいや状態)、その変異がどの段階で挿入されたかの歴史がうっすら見えてきて、なかなか興味深いです。発現量を気にする実験だったら、プロモーター周辺の違いはちょっと気になったりします。

明らかに問題になりそうな間違い、変異を見つけた時は、データを示して正直に相手に伝えます。その後、伝えた相手がどう反応するかは、確かにモヤモヤすることも多いですね。多くの場合、無かったことにされます。私は、一回伝えたら、もうそれ以上は言及せず、そのプラスミドは捨てるか直すかしてから、我が道をいくことにします。その後、相手の論文は疑いの目で読みます(笑)。

ま、世の中そんなもん。論文の70%は再現できないとか言いますよね。
でも他人の行動までコントロールできないので、モヤモヤする時間は短く、自分の事に集中したほうが良いですよ。

(無題) 削除/引用
No.12843-3 - 2025/02/20 (木) 23:21:30 - mito
独り言様

トピ主です。ありがとうございます。
プラスミドは、クローニングした遺伝子に関しては全長配列を確認することはマストだと思っていますし、それをwild typeとして複数変異体を作製する場合にも、変異導入箇所のみの配列の確認はマストだとしても、残りの遺伝子領域はシークエンスしていないものとして使っていかないと気持ち的にも倫理的にも私は受け入れ難いです。

もちろん、プラスミド骨格までシーケンスする必要はないでしょうが、興味対象の遺伝子の配列が正確かは気にしても仕方がない、ということはないのでは。
気にしなくてはならないし、誤ったプラスミドを用いていたらプロジェクトの根幹を揺るがす致命傷となりかねないと思います。

他の先生方もプラスミドの配列の正確性についてご意見をいただけましたら大変ありがたく存じます。

(無題) 削除/引用
No.12843-2 - 2025/02/18 (火) 21:48:20 - 独り言
Addgeneや理研のDNAバンクににプラスミドを預けると、全長をチェックしてくれるので、これからは、そういったエラーが気づかないままになることは減少していくと思います。


10年以上前は、3,4kbp以上のインサートだと、全長チェックするのも一苦労な時代だったので、そういったエラーが入っているのは、時代の流れというか、気にしても切りがない。
そんなこと言ったら、細胞株だって、変異がはいっているかもしれないので、10年後には、細胞株のゲノムをNGSでチェックするとかなってしまうかもしれない。

結局、たとえ一部の論文がエラーを内在した結果を報告したとしても、他のラボで再現性が取れていくことが評価されていくので、長い目で見れば、エラーが混じっていても、最終的な科学界は正しい方向性に進むはずです。



もちろん自分のラボで、普段から全長チェックしておくことは良いことでしょう。

プラスミドについて 削除/引用
No.12843-1 - 2025/02/18 (火) 21:22:14 - mito
いつも勉強させていただきありがとうございます。

細胞生物学、分子生物学のラボにいますが、日常的に遺伝子のクローニング、発現ベクターの構築、遺伝子導入、そしてその機能解析を行っています。
プラスミドを構築する際には少なくともクローニングした遺伝子についてはサンガーで確認しています。
また最近はプラスミド丸ごとシーケンスも遺伝子サイズによっては利用しています。

しかし、譲渡を受けたプラスミドにしばしばミスセンス範囲があることがあり、それらはSNPsというわけではなくクローニング時のエラーかと想像します。
そのようなプラスミドが過去に論文に使われていたりすると、もやもやしてしまいます。
そのように伝えると驚かれて、感謝はされますが、それで終わりになります。
scientific rigorに関わることだとは思いますが、科学コミュニティへの責任を考えると、正しいプラスミドを使うことは当然にしろ、誤った材料や試薬を用いた場合にもアクションは必要なのではないかと思います。

譲渡いただいた手前、なんとも言えない気持ちになり、もやもやが募ってしまいます。
mutagenesisをする場合にも、変異を導入した部位だけでなく、他の部位も読むべきでは、と思ってしまいます。

テクニカルな質問というわけではないため、誠に恐縮ではありますが、忌憚のないご意見を頂けましたら幸いに存じます。

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