いつも勉強させていただいています。
Western blottingのノンスペ(?)バンドについて相談させてください。
現在、ある遺伝子Aについて機能解析を行っており、Aの全身性KOマウスを作製いたしました。mRNAレベルではKOマウスでは確かにAが発現していないことを確認しております。
しかしながら、Aの抗体でWestern blottingを行うと、野生型とKOで濃淡の差はあるものの、Aのバンドと同じ位置にバンドが検出されてしまい、このままではWestern blottingを用いた実験は苦しいと判断しました。
用いた一次抗体は作製したものおよび購入したものの複数種類を試したのですが、やはり同じ位置に野生型、KOで濃淡差はあるもののバンドが現れてしまいました。二次抗体もHRP, APのどちらも複数会社・複数生物種で検討したのですが、やはり同様の結果でした。さらに、このバンドは、Tubulin抗体など、他の抗体を用いたWesternや二次抗体のみで当てても検出されるため、一次抗体が原因の可能性は低いのではないかと考えております(ただし、一次抗体処理を行うと、この被るバンドは濃くなるような印象を受けております)。
また、このバンドはマウス個体以外にも一部の培養細胞を用いても検出されており、細胞によって出てきたり出てこなかったりするため、遺伝子AのKD効率を検討する際に苦戦する要因にもなっています。
以下にWestern blottingの条件を記載させていただきます。
Running Gel-0.375M Tris, 9% アクリルアミド、0.1% SDS , 0.066% APS, 0.1% TEMED
Stacking Gel-0.125M Tris, 4.75% アクリルアミド、0.1% SDS , 0.066% APS, 0.1% TEMED
Running buffer- 0.25M Tris, 0.192M Glycine, 0.1% SDS
Transfer buffer- 0.025M Tris, 0.192 M Glycine 20% MeOH
泳動はミニGel一枚につき25mAで約75分、Transfer前にPVDF膜をMeOH中で揺らした後、泳動後のゲルとともにTransfer bufferで10分程度揺らし、ミニゲル1枚につき80mAで60分間転写しております。
Blockingは5%Skim milkで60分間(BSAでも検討しましたが、ノンスペやバックが高くなり、被ったバンドが濃くなるだけでした)、一次抗体はSkim milkに抗体A液を1/1500希釈してハイブリバックを用いて4℃でO/N。二次抗体はSkim milkで1/10000希釈してRTで45分間反応させており、HRPならばLASで、APならばBCIP/NBTによる染色で検出しております。WashはTBS-0.1%Tween20で抗体処理後に10min×3回それぞれ行っております。
サンプル調整はRIPA buffer(50mM Tris, 150 mM NaCl 1% Triton, 0.5% Sodium Deoxycholate, 0.1% SDS, 1/1000 Protease inhibitor cocktail), TNE bufferの2種類を用いたのですが、どちらも変化がありませんでした。Boilは6×Sample buffer(Tris, SDS, DTT, Glycerol, BPB)を用いて95℃で5分間ボイルしております。
また、これまでの結果から、IgGに直接メンブレン上のタンパク質が結合してしまって検出されているのではないかと考え、IgGを加えたSkim milkでのBlockingや、IgGが結合されているBeadを用いてサンプルのプレクリアーをしてから泳動に供するなどして、被るバンドの消滅を目指しましたが、結果は変わりませんでした。
皆さんは、上記のような経験がありますでしょうか?
もしありましたら、ご指導・御鞭撻していただけると幸いです。
また、何かお気づきの点や、アドバイスなど何でもよいので頂けると幸いです。
お忙しい中、長文にて失礼いたしました。
よろしくお願いいたします。 |
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