精製した後、それを何に使うのでしょうか。やってみるとわかりますが血清や血漿から比較的微量のタンパク質を高度に精製する(銀染色でほぼシングルバンドの純度)のはかなり大変な仕事になるのだけど、部分精製レベル(コンタミが多くても精製画分の中の主要タンパク質になればいいレベル)でも構わないとかそういう感じ?。
塩析するならば、塩濃度は少なくとも数十mMのオーダーまで脱塩して下げておいた方がいいです(ただあまり下げすぎるとそれはそれでまずいことが起きます)。塩析の目的が単に濃縮だけでなく同時に分画も考えているならば特に脱塩はした方がいいです。脱塩は市販の脱塩カラムが簡単だし早くて便利です。特に失活しやすいタンパク質は手早く処理できる点では透析よりも優れてます。ベッドボリュームとサンプル量の比率には注意しないと脱塩が不完全になります。特に脱塩カラムはロードできる試料体積が制限されますのでサンプル容積がおおきいときは不向きです。
縁石については、試料をbufferで希釈して塩濃度を下げてそこに固形硫安を加えてゆっくり撹拌してよく溶かしてから、4℃で一晩静置してもいいです。塩析は簡単で、硫安はタンパク質にも保護的なので精製・濃縮法として良い方法と思いますが、欠点はある程度試料のタンパク質濃度が高くないと沈殿形成に時間がかかり、時には沈殿がうまく形成できなかったりすることもあります。 |
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