Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

免疫染色の立ち上げとシグナルが全く出ない抗体について トピック削除
No.12697-TOPIC - 2024/11/22 (金) 04:22:18 - SS
いつも勉強させていただいております。アメリカのラボで新しく免疫染色を立ち上げようとしている学生なのですが、全くうまくいっておらず指導教員もこの実験については専門外なので書き込ませていただきました。

現在、α-NeuN、α-PCNA、α-cfosの3つの抗体を使って野生の鳥(junco hyemalis)の脳切片を免疫染色したいと思っているのですが、現在α-NeuNのみしかシグナルが得られておらず、後者の2つで全くシグナルが出ません。これらの抗体は全てzebra finchにおいて使用可能なことがpublishされているもので、筆者に連絡を取ってプロトコルもいただきそれを元に実験しています(一次抗体を室温で24時間インキュベートすると書かれているところを4℃にするなどマイナーな変化は加えています)。

濃度も色々変え二次抗体も3種類くらい試し、DABと蛍光両方試したのですが、同じ実験系でα-NeuNは常にシグナルが出るのに対し、α-PCNAとα-cfosは少しもシグナルが見当たらないです。

この原因として自分が考えつくのが
@抗原賦活化が必要
Ajuncoの配列がzebra finchの配列と異なっているため抗体が結合しない

くらいなのですが、@については既に15mM sodium citrate (pH8.5) 80 °C 15minでやってやはり何もシグナルがなかったことから望みが薄く、Aについても抗原の配列を入手する方法がわからず(companyのサイトからは見つけられませんでした)八方塞がりの状態です。

非常に長文で申し訳ないのですが、何か少しでもアイデアをお貸しいただけるととてもありがたいです。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



11件 ( 1 〜 11 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.12697-12 - 2024/11/23 (土) 16:31:13 - あの
まずはエンドポイントのRTPCRを実際して、mRNA発現を確認した方が良い、と読めました。

(無題) 削除/引用
No.12697-11 - 2024/11/23 (土) 09:09:39 - qq
鳥の細胞増殖の強そうな組織かどうか分かりませんが、
bursal follicle PCNA
でそれらしい画像が色々出てきます。

(無題) 削除/引用
No.12697-10 - 2024/11/23 (土) 08:46:44 - おお
http://useast.ensembl.org/Junco_hyemalis/Info/Index
ここでも遺伝子を探すことができると思います。
オーソログリストなども見れたはず。

その抗体はモノクロですか?
それでエピトープマッピングができていれば反応するかは見ればわかると思います。

もしWBでも検出できる抗体であればWBで反応性を見るのもてですね。

ポリクロなら相同性によりますが反応する可能性は高くなります。人やマウス対象に作ったポリクロがハエの蛋白も検出できるということもまあまああります(相同性は全体的にそんなに高くなくても60%ぐらいで反応しているのがあったと思う)。

(無題) 削除/引用
No.12697-9 - 2024/11/23 (土) 07:42:36 - SS
また、皆さんが書いてくださったblastp/blastnについてですが、

まず皆さんやり方を詳しく書いてくださって本当にありがとうございます。特に、www.ncbi.nlm.nih.gov/datasets/genome/GCA_003829775.2/にjuncoの全ゲノムがあるということは昨日指導教官と探していて見つけられなかったところなので、感激しています。その後のBlastのかけ方まで詳しく教えてくださってありがとうございます!!

抗体の販売されていたウェブサイトからは抗体の抗原認識部位を見つけられなかったのですが、確かにタンパク全体のアミノ酸配列のホモロジーを確認することはできるなと思ってzebra finchとの比較を試してみました。

NCBIでzebra finchのPCNA配列を検索してjunco hyemalisを比較対象として指定してBlastにかけたところNo significant similarity found. になって結果が出ない上、特に種を指定せずにzebra finchとの比較でblastをかけても上位100位以内にjuncoが出現しないので、配列がかなり違うかもしれないと不安になっていたのですが、教えていただいた方法
”この鳥の全ゲノムは
www.ncbi.nlm.nih.gov/datasets/genome/GCA_003829775.2/
にあります。ただこれをダウンロードではなく、その下にあるBlastをクリックして、その検索ページのtBlastnのタブを開いて、そこにゼブラフィッシュの抗原のアミノ酸配列を入れれば、juncoの抗原のアミノ酸配列が出てきます。”

でやったところPer. Ident (Percent Identity)が98.67%とかなり高かったので安心しました。juncoのようなマイナーな種はこのような手段でないとNCBIに出てこないことがあるんですね。とても勉強になりました。(ちなみにzebra finchはすごく紛らわしいのですが魚ではなく鳥です...)

(無題) 削除/引用
No.12697-8 - 2024/11/23 (土) 07:29:12 - SS
たくさんお知恵をお貸ししてくださりありがとうございます!!

>賦活化の条件をもう少しふって、pHを下げる、温度を少し上げるということは試されていいかも
>pH8の賦活にはcitrate bufferは適切でないように思います。
とても詳しく教えてくださって本当にありがたいです。phを下げる、温度を上げる試してみます。いただいたプロトコルでcitrate buffer ph8.5が使われていたためこれにとりあえず従ってみたのですが、一般的ではないのですね。色々と条件をふって試してみます。(別の鳥のIHCをしている知り合いに聞いたところ15分というのも短すぎるそうです。その方は温度をゆっくり上げて冷ますところまで含めて合計で2時間くらい賦活化していました。)

>ポジコンを取っていますか?
恥ずかしながら、確かに抗体はマウス用なのですが、マウスサンプルを入手するあてがなくサンプルのポジコンはとっていません。おっしゃる通り増殖細胞のマーカーですので野生のスズメの幼鳥でもやってみたのですがシグナルはなかったです。今同大学のzebra finchのラボにメールを送っていて、サンプルを入手できないか頼んでみるつもりです。

>特にポリクローナル抗体はロット差が大きい場合があります。
lotについては全く意識していませんでした。α-PCNAについてはモノクローナルなので確かにそれが原因としてあるかもしれないです。

>脳は通常 切片厚は50マイクロメートル程度の凍結切片で、フローティング法で染色する
今回行った実験系は全てフローティング法でやっていますが、切片の厚さについては以前所属していた日本のラボ(zebra finchを用いていました)で30µm以下でないと染まりが悪いと教えていただいたので30µmでやっています

>抗原だけを適当な培養細胞に発現して免染して反応するかを調べる、ということのほうが、ゼブラフィッシュの切片を探すよりも、ラボの環境によっては簡単かもしれません
なるほど、そういう手段もあるのですね。残念ながらうちのラボには細胞培養系がないのですが、その選択肢を思いついていなかったのでとても参考になります。

>あえて室温で行なってるならば何か理由があるのかもしれません
そうですね、まずはいただいたプロトコルに従うことが大事だと他の方にも言われ、確かにと反省しているところです。個人的に気持ち悪いと思う方法でも、まずプロトコルや論文に従ってみて、著者に連絡も取ってみます。

また、何人かに口頭やメールで聞いた結果c-fosについては抗体が細胞内に侵入するのに十分にするために46時間のインキュベーションをしたことや、juncoのような非モデル生物はIHCよりもHPC in situで自分でプローブのデザインをした方が安上がりかもしれないとのことも教えていただきました。本当にたくさんの検討要素があるのですね。

皆さま貴重なアドバイスをいただき本当にありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.12697-7 - 2024/11/23 (土) 02:20:06 - あの
既に出ている指摘事項の他に、次の点が気になります

脳は通常 切片厚は50マイクロメートル程度の凍結切片で、フローティング法で染色する


blastpで、抗体の認識部位と、

 Junco hyemalis (taxid:40217)

のタンパクのホモロジーを確認しているか?認識部位が不明な場合には、タンパク全体のアミノ酸配列のホモロジーでも良いけど。

なおblastpは次 https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PAGE=Proteins

(無題) 削除/引用
No.12697-6 - 2024/11/22 (金) 22:40:54 - SN
すでに行われているかもしれませんが、フリーフローティング法で免疫染色されているでしょうか?
脳切片作製時にスライドガラスに貼り付けた標本に比べて、多くの抗体で良く染色できています。

(無題) 削除/引用
No.12697-5 - 2024/11/22 (金) 13:13:07 - 3

1. 抗原賦活
Citrate bufferは弱酸性条件用のbufferでpHは5.5-6.0前後で使用します。citrate bufferの緩衝域から考えてもpH8の賦活にはcitrate bufferは適切でないように思います。
アルカリ性条件用は1mM EDTAを含む Tris-HCl buffer (p8.0-9.0前後)などがよく使用されます。

初めは弱酸性、アルカリ性、両方試してみてください。どちらでもうまくいくこともあるし、一方だけでうまくいくこともあります。抗体と抗原との関係なので抗体ごとに検討ください。


加熱については80℃では低いような気がします。通常は小型タッパーに満たしたbuffer(bufferはタッパに入れてあらかじめレンジで加熱しておく)中にスライドガラスを沈めて電子レンジなどで5min程度沸騰させることが多いと思います。スライドグラスは必ず市販の剥離防止処理済みスライドグラスのものを使用してください。市販されている専用の抗原賦活用加熱装置があればよりよいのですが。

いずれにせよできれば病理の経験のある人に聞くか実験書等を再度ご確認ください。

2. 抗体
仮に抗体が対象の動物種の当該抗原に適用可能だとして、まず、使用している抗体はIHCに適用可能なものでしょうか。またすでに他で使用経験のあるものを購入されたのならばロット番号も聞いてできるだけ同じロットを使用してください。特にポリクローナル抗体はロット差が大きい場合があります。
標本はパラフィン切片でしょうか。凍結切片でしょうか。また固定はPFAですか、それとも低温の有機溶媒ですか。パラフィンか凍結か、また固定条件などはIHCの成否にしばしば大きな影響をもたらします。必要ならば条件検討するなどしてその抗体に適した条件を検討して行ってください。既報があるなら著者に、抗体のロット番号を含めてそのあたりの情報を詳細に聞いてください。他の実験でもそうですが普通は論文に詳しく書かないような些細(におもえるような)ことが結構重要な要因だったりします。
反応時間がO/Nの場合は4℃が一般的ですので、あえて室温で行なってるならば何か理由があるのかもしれません。それも聞いてみましょう。

3. 標本の管理
一旦切片にしたら、できるだけはやめに(できれば数日以内)免疫染色してください。(それが無理ならば-20℃ー-80℃とかで一時保存、凍結はー80℃保存) 。
切片にした状態で2週間以上とか室温で置いておくと抗体との反応性が著しく低下することがしばしばあり、しっかり染まるはずのものが全然染まらなくなることもあります。

(無題) 削除/引用
No.12697-4 - 2024/11/22 (金) 10:28:14 - qq
少しでもということで、、、
ポジコンを取っていますか?
zebra finchの試料を用意できないとしても、抗原生物はマウスだったりヒトだったりするのではないでしょうか?
pcnaもc-fosも増殖細胞の核マーカーでしょうから、そこを押さえるほうが良いと思います。
pcnaとcfosの鳥類と抗原生物(哺乳類?)のアミノ酸配列の相違も確認しておくに越したことはないと思います。

(無題) 削除/引用
No.12697-3 - 2024/11/22 (金) 10:25:53 - toto
アメリカにおられる学生さんなのですね。賦活化の条件をもう少しふって、pHを下げる、温度を少し上げるということは試されていいかもしれませんが、とりあえず2の点について、このjunco (これはdark eyed junkoが通称名のようで、なかなかロマンチックな名前ですね)の配列は、これの全ゲノムがでてますので、これから抗原の配列を入手できます。この鳥の全ゲノムは
www.ncbi.nlm.nih.gov/datasets/genome/GCA_003829775.2/
にあります。ただこれをダウンロードではなく、その下にあるBlastをクリックして、その検索ページのtBlastnのタブを開いて、そこにゼブラフィッシュの抗原のアミノ酸配列を入れれば、juncoの抗原のアミノ酸配列が出てきます。やってみたところ、魚と鳥なのに結構似てますね。

ただ、市販の抗体が反応しない、ということも結構あります。これはメーカーを説得できるような材料が必要です。論文ででてるから、だけでは無理かもしれません。ポジコンが必要ですが、抗原だけを適当な培養細胞に発現して免染して反応するかを調べる、ということのほうが、ゼブラフィッシュの切片を探すよりも、ラボの環境によっては簡単かもしれません。

免疫染色の立ち上げとシグナルが全く出ない抗体について 削除/引用
No.12697-1 - 2024/11/22 (金) 04:22:18 - SS
いつも勉強させていただいております。アメリカのラボで新しく免疫染色を立ち上げようとしている学生なのですが、全くうまくいっておらず指導教員もこの実験については専門外なので書き込ませていただきました。

現在、α-NeuN、α-PCNA、α-cfosの3つの抗体を使って野生の鳥(junco hyemalis)の脳切片を免疫染色したいと思っているのですが、現在α-NeuNのみしかシグナルが得られておらず、後者の2つで全くシグナルが出ません。これらの抗体は全てzebra finchにおいて使用可能なことがpublishされているもので、筆者に連絡を取ってプロトコルもいただきそれを元に実験しています(一次抗体を室温で24時間インキュベートすると書かれているところを4℃にするなどマイナーな変化は加えています)。

濃度も色々変え二次抗体も3種類くらい試し、DABと蛍光両方試したのですが、同じ実験系でα-NeuNは常にシグナルが出るのに対し、α-PCNAとα-cfosは少しもシグナルが見当たらないです。

この原因として自分が考えつくのが
@抗原賦活化が必要
Ajuncoの配列がzebra finchの配列と異なっているため抗体が結合しない

くらいなのですが、@については既に15mM sodium citrate (pH8.5) 80 °C 15minでやってやはり何もシグナルがなかったことから望みが薄く、Aについても抗原の配列を入手する方法がわからず(companyのサイトからは見つけられませんでした)八方塞がりの状態です。

非常に長文で申し訳ないのですが、何か少しでもアイデアをお貸しいただけるととてもありがたいです。

11件 ( 1 〜 11 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。