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無細胞系タンパク合成について トピック削除
No.12665-TOPIC - 2024/11/02 (土) 06:57:34 - キャラメル
無細胞系タンパク合成について質問があります。私は過去に無細胞系タンパク合成を行ったことが無いのですが、

1) 無細胞系タンパク合成で作られるタンパクはかなりピュアなものでしょうか?具体的には、合成終了後にゲルに流してウェスタンブロットを行った場合に、シングルバンドが綺麗に出ますか?それとも、不完全に合成されたかなにかで、本来のサイズ以外のところにも薄くバンドが出たりすることが多いですか?

2) お勧めのキットがありましたら教えて頂けますか?

1)に関しては作らせるタンパクにもよるだろうとは思うのですが、そこは承知の上での質問です。なんであれ経験のある方の感想が聞けたら大変参考になります。よろしくお願い致します。


以下詳細です。

私が研究しているタンパクは理論上の大きさは37kDaです。販売されているリコンビナントタンパクは、N型糖鎖修飾等を受けており、ウェスタンブロットを行うと50kDa付近にバンドが現れます。糖鎖修飾を外した状態での実験を行う為、NEBのPNGase Fを使ったところ、糖鎖修飾が外れてウェスタンブロットで理論値の37kDaの位置にバンドが現れます。

ここで問題が生じました。37kDa付近にバンドが2本(シグナル強度の高い1本と、その少し下方にシグナル強度が半分程度の1本)出ます。何故2本なのかわかりませんが、基質(リコンビナントタンパク)の量を変えたり酵素(PNGase F)の量を変えたり色々やりましたが、必ず2本出ます。Deglyxosylation Mixを使った報告があって、その論文でも同じくバンドが2本出ていたのは確認しました。

続く実験の為にはバンドが1本である必要があり、PNGase Fを使って糖鎖修飾を外したタンパクは使えなさそうです。

そこで、糖鎖修飾を受けない無細胞系タンパク合成キットを使うことを考えている次第です。
他、Tunicamycinを使ってN型糖鎖修飾無しのタンパクを細胞に作らせることも考え付き、これは既に試してみましたが、色々条件を変えても結局はN型糖鎖修飾有り、無しの混在になってしまうので諦めました。
 
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(無題) 削除/引用
No.12665-10 - 2024/11/07 (木) 07:38:04 - キャラメル
皆様、レスありがとうございました。無細胞系タンパク合成で、メジャーなバンドが強く出る、他に弱いバンドが出ることもある、タンパクによりけり、と理解しました。

また、totoさんの

>メインの大きい方のバンドを切りだして泳動してみたこともありますが、それでも同じ2本になりました。

と、それに続くコメント、また、その次のG25さんのコメントにある

>頑固なジスルフィド結合があって、通常の2ME処理じゃ解除が不完全になる

は大変参考になりました。

私の研究しているタンパクはホモダイマーを作ります。それで、SDSを含むサンプルバッファと2-MEと混ぜて95CでボイルしてからWBをすると、このダイマーのバンドも検出されます。ボイルせずに室温でインキュベートしたり、2-MEの量を変えたり、より強力なreducing agentとされるDTTに変えたり色々試したことがあるのですが、このホモダイマーを完全に消すのに成功したことは無いです。
「頑固なジスルフィド結合があって、その解除が不完全」な結果のdoubletなのかもしれません。もっとも、deglycosylationしない場合のモノマーのバンドはdoubletではないので、間違いかも知れません。

どちらにしろ、私の目的である「Deglycosylationされた状態で純粋に一本のバンドのみ」は、ちょっと作るの難しそうな気がしてきました。大変参考になりました。ありがとうござます。

(無題) 削除/引用
No.12665-9 - 2024/11/05 (火) 12:24:36 - G25
私も二次構造かなにかによって一部の分子の移動度が異なって、doubletになる例があったような記憶があるのだけれど、なんだったか?
検索したら似たケースでこういうのがあった。
頑固なジスルフィド結合があって、通常の2ME処理じゃ解除が不完全になる。
https://www.researchgate.net/publication/11202745_Intramolecular_disulfide_bonding_is_essential_for_betanodavirus_coat_protein_conformation

(無題) 削除/引用
No.12665-8 - 2024/11/05 (火) 11:46:03 - toto
バンドが2本、下に少し薄いのがでるというのは割とあります。以前、私もあるタンパクでそうなって、internal 開始コドンかなと思ってその辺のMetをつぶしたり、開始コドンになることが知られてる他のコドンを変えたりもしてみたこともありますが、影響がありませんでした。ただ他にも糖鎖でなくても移動度に影響しうる修飾や切断もありえるので、そのメインの大きい方のバンドを切りだして泳動してみたこともありますが、それでも同じ2本になりました。

SDSータンパク結合体はビーズ状構造を取るわけですが、この場合は、その構造に2種類あって、ストレートな構造の他に、一部は、末端がちょっと折れたヘアピン構造を取ってて、それとの平衡状態で存在するから泳動中に微妙な移動度の差を生じた、と解釈してました。証明のしようもないので、そのままですが。

(無題) 削除/引用
No.12665-7 - 2024/11/05 (火) 10:50:50 - G25
>本来のサイズ以外のところにも薄くバンドが出たりすることが多いですか?
普通はsingle bandできれいなものですが、
「自発的に割断しやすいサイトがあるらしい」ためにそうなったことはある。
SDS-PAGEでみると、intactのバンドと二断片に別れたバンドが見えた。

(無題) 削除/引用
No.12665-6 - 2024/11/05 (火) 10:37:22 - G25
昔、RocheのRTSを使っていたけど、成績はよかったです。
Rocheが手を引いて、たしかEppendorfに継承されたはずだけど、
最近見ないなと思ってたら、さらにあまり知らない会社を渡り歩いていたよう。
https://www.funakoshi.co.jp/contents/4031

CECF(Continuous Exchange Cell Free Protein Synthesis)というやつで、
半透膜を介して基質の供給、メタボライトの拡散除去をしながら反応するので
通常のチューブ内反応より高収量。



バンドが二本出るのは糖鎖の除去が不完全なためではないかもしれない。
もともと翻訳開始が二ヶ所あるとか、自発的に割断しやすいサイトがあるとか?

(無題) 削除/引用
No.12665-5 - 2024/11/05 (火) 10:00:18 - おお
>[Re:3] キャラメルさんは書きました :

>
> 精製方法、一本だけを綺麗に抽出、生成する方法が思いつきません。

DEAEなどのイオン交換が思いつきますが。

(無題) 削除/引用
No.12665-4 - 2024/11/05 (火) 09:31:02 - 独り言
in vitroタンパク質合成なら、大抵の50〜70kDa以下のタンパク質なら目的のバンドがメジャーにでます。それより小さいバンドはある程度マイナーでる場合もあると思いますが。

ただ、無細胞系とはいえリボソーム系のいろいろタンパク質がふくまれるので、目的によりますが、タグで精製などが必要になるかと思います。

NEBのPURE systemか
たぶん同じシステムを模した他社のPURE frex
があります。

PURE frexのほうが安いです。

ベクターを作って、あとは、キットの試薬とインキュベートするだけなので、簡単にできますが、大量に必要になると高価です。

(無題) 削除/引用
No.12665-3 - 2024/11/05 (火) 05:58:00 - キャラメル
おおさん、レスをありがとうございます。

>完全長だけが合成されるという保証はないですね。しばしバンドが複数あるものが見られます(そんな記憶があります)。

「しばしバンドが複数あるものが見られ」るのかどうかが知りたかったことです。ありがとうございました。
やはり複数バンドが出る場合があるのですね。であれば、わざわざやったことの無い新しい実験を立ち上げてまで挑戦する意味合いは薄いような気がしてきました。

>精製して均一のものにすればいいのかと思いますが。ただし、バンドが複数ある理由がトランケートされたものなのか、N型糖鎖修以外の修飾のバリエーションなのかという問題はあると思いますが。

精製方法、一本だけを綺麗に抽出、生成する方法が思いつきません。見た目上ではサイズは殆ど同じだし。C末にタグが付いているのですが、タグを使ったウェスタンでもバンドが2本出ました。

>1本である必要
すいません。万一に備えて、ここの詳細は話すことが出来ません。

(無題) 削除/引用
No.12665-2 - 2024/11/05 (火) 03:58:51 - おお
完全長だけが合成されるという保証はないですね。しばしバンドが複数あるものが見られます(そんな記憶があります)。
Cell free systemを使うにしても精製が必要ですし、PNGase F処理したものも精製して均一のものにすればいいのかと思いますが。ただし、バンドが複数ある理由がトランケートされたものなのか、N型糖鎖修以外の修飾のバリエーションなのかという問題はあると思いますが。

>続く実験の為にはバンドが1本である必要があり
実験のデザインなどわからないのでそうと言われれば仕方ないのですが、1本である必要というのがぴんと来ません。例えばその蛋白を発現しているEndoのその蛋白をPNGase Fで処理して2本でるなら両方とも細胞内で存在している可能性がたかいと思います。

無細胞系タンパク合成について 削除/引用
No.12665-1 - 2024/11/02 (土) 06:57:34 - キャラメル
無細胞系タンパク合成について質問があります。私は過去に無細胞系タンパク合成を行ったことが無いのですが、

1) 無細胞系タンパク合成で作られるタンパクはかなりピュアなものでしょうか?具体的には、合成終了後にゲルに流してウェスタンブロットを行った場合に、シングルバンドが綺麗に出ますか?それとも、不完全に合成されたかなにかで、本来のサイズ以外のところにも薄くバンドが出たりすることが多いですか?

2) お勧めのキットがありましたら教えて頂けますか?

1)に関しては作らせるタンパクにもよるだろうとは思うのですが、そこは承知の上での質問です。なんであれ経験のある方の感想が聞けたら大変参考になります。よろしくお願い致します。


以下詳細です。

私が研究しているタンパクは理論上の大きさは37kDaです。販売されているリコンビナントタンパクは、N型糖鎖修飾等を受けており、ウェスタンブロットを行うと50kDa付近にバンドが現れます。糖鎖修飾を外した状態での実験を行う為、NEBのPNGase Fを使ったところ、糖鎖修飾が外れてウェスタンブロットで理論値の37kDaの位置にバンドが現れます。

ここで問題が生じました。37kDa付近にバンドが2本(シグナル強度の高い1本と、その少し下方にシグナル強度が半分程度の1本)出ます。何故2本なのかわかりませんが、基質(リコンビナントタンパク)の量を変えたり酵素(PNGase F)の量を変えたり色々やりましたが、必ず2本出ます。Deglyxosylation Mixを使った報告があって、その論文でも同じくバンドが2本出ていたのは確認しました。

続く実験の為にはバンドが1本である必要があり、PNGase Fを使って糖鎖修飾を外したタンパクは使えなさそうです。

そこで、糖鎖修飾を受けない無細胞系タンパク合成キットを使うことを考えている次第です。
他、Tunicamycinを使ってN型糖鎖修飾無しのタンパクを細胞に作らせることも考え付き、これは既に試してみましたが、色々条件を変えても結局はN型糖鎖修飾有り、無しの混在になってしまうので諦めました。

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