そこまで正確な分子量にこだわる理由はなんでしょうか。SDS-PAGEは極めて簡便に比較的理論値に合う分子量が示されることが多い方法として汎用されているのであって、あくまで見かけの分子量であり、もともと厳密にわずかな分子量の変化を捉えて定量的に議論するような実験法ではありませんし、もしそこまで必要ならば別の方法で、ということになります。SDS-PAGEの示す分子量は、まあだいたいそのくらいで理論値からそれほど外れていない、という感じで、アミノ酸組成などによってはSDS-PAGEの示す分子量が理論値と大きく異なることもあります。
なので方法上の限界を考えるとSDS-PAGEで85KDaか95KDaかを悩むこと自体どんなものかなあと思いました。
有色分子量マーカーもたとえば75KDaのマーカーもメーカーによって異動度は異なることはしばしばあるし、正確な分子量推定は無理と説明に書いてあることもあります。(分子量をある程度厳密に推定したいなら未着色マーカーの方が良い)
正確な分子量測定については昔はTOF-MASSとか使って調べる方法もありましたが、分子量の小さいタンパク質向きで、大きいのは難しいように思います。 |
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