自分で動物組織から分離した初代培養細胞など、細胞によっては凍結保存や融解に対する感受性が高いものもありますが、一般的な細胞株でしたら、段取りが悪くて多少失敗してもあまり大きな影響はないことが多いです。凍結する前の細胞の状態は結構大事で、100%コンフレントになってから数日放置したままとか、逆に細胞を播種してから時間が短くて細胞数がすごく少ないときの細胞を凍存すると再培養した時に細胞が結構死んだり、細胞の増殖が悪く立ち上がりに時間かかったりすることはしばしばあります。理想的には~70%コンフレンシーくらいまで増殖した状態の細胞が良いと思います。(できれば、凍結保存の前日に培地交換しておくとより良いと思います)
10%DMSO入り培地を使用されているとのことですが、私たちは培地で希釈したことはありませんし聞きません。古典的な一番オーソドックスな細胞凍結保存液は10%DMSO, 90%FBSと思われます。この辺りは大丈夫かなと思いました。ラボや前任者のプロトコルをそのまま踏襲ということでなくて(間違ったまま伝承されるていることがしばしばあるので、特にうまくいかないときは)、原典となるような実験書や論文などでご自身の目で確認されることを勧めます。今はいろんなメーカーから安価で、いろいろ改良を加えられた優れた細胞凍結保存液が販売されています。液体窒素でなくて-80℃フリーザーでの細胞の長期保存が可能なものも多く便利なので、かなり普及していますから、購入を検討されることを勧めます。 |
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