海外グラントだろうが日本のグラントだろうが、申請書は一つの論理的な読み物だと思ったほうがいいです。つまりどういう大義において、自分はこれについて着眼点を持って課題設定している。そのためにこういう準備や実績があるからこのようなアプローチをすることで、結果的にこういうことが期待できる。だから金くれってことです。あなたのいう「背景を中心に」というのは特別に背景か結果かを意識しろというわけではなくて、よすうるにその大義のところについてフォーカスをおいて要旨をまとめろということであって、細かい個別具体的な話をどうこう述べるというよりも学術的に論理的な言葉でその研究の価値に説得力を持つように説明すればいいということでしょう。
背景をダラダラと書くとわからないというのは背景を長文で書くから問題なのではなくて書き方の問題です。基本的に申請書というのはあなたの研究について全く予備知識がない人が流し読みして意図が取れるように書くのが目的なので、最初のパラグラフを読んだ時に前提として一言でまずどのような課題にどのような観点から取り組むのかその大枠を伝える努力をすべきです。その上で、より具体的に学術的に論理的な観点で次のパラグラフから深掘りしていけばいいのであって、ダラダラと背景、目的、方法、結果とかけばいいわけではありません。要するに、多少繰り返しのようになってもいいので、上から読んでいってあなたの研究を全く知らない別研究室の友人、同僚ぐらいの人の知識の気持ちになってあなたの研究がいかに価値のあるもので、面白いもので、夢を見させてもらえる、と考えるかという観点で上から読みなおして自然なかがれを意識することです。海外グラントの場合は、ただ漠然とした抽象論だけだと難しいのでできるだけ自分の予備実験結果とかも背景として組み入れてしまうのがいいと思います。
ちなみに「平葉な言葉で書く」というのはただ単に雑な表現にして「内容を簡単にしろ」というのとは違います。本質を外さない形で丁寧にするというほうが近いと思います。情報の取捨選択です。一般大衆向けの新聞記事やテレビ番組ではないので、あくまで学術的な意味で十分な知識、考察、論理性はきちんと担保してないとちゃんとわかってない人の雑な研究立案だと思われます。その辺は日頃の自分の研究以外の周辺分野に対する科学的感性をどこまで持ってるかでその人の考え方が出る部分だと思います。 |
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