通常、凍結切片の場合は、一晩〜数日とかの長時間のPFA固定やパラフィン包埋での一連の過酷な処理など抗原をマスキングするような工程がないので、通常は抗原賦活は必要ない場合がほとんどなのですが(もちろんごく少数ながら例外は経験ありますが。)。抗体等には原因はないでしょうか。(もともとIHCには使えない抗体とか。)
仮に賦活が必要だとして、
通常は剥離防止コートと書いてあるスライドガラスを使えば剥がれません。(普通のスライドグラスは剥がれてしまいます)コートの種類はいくつかありますが、どれも大差ないと思います。ただこれはパラフィン切片の場合で、凍結切片ではわかりません。
加熱は初めに賦活用溶液を一旦沸騰させてからスライドグラスを沈めて、そこから5~10min沸騰させます。今までいろいろな抗原抗体反応反応で賦活してきましたが、いずれも沸騰状態で5~10minで十分賦活できてます。なので30minは長すぎのように思います(賦活は短時間でも水が結構蒸発して液量が減るのでクエン酸の濃度が高くなるような気がするし)。時間を短縮することで剥離しなくなるかもしれません。抗原により適切な賦活条件はしばしば異なる場合もあります。剥離しやすさに影響あるかどうかわかりませんが、クエン酸buffer (pH6.0)でダメでも10mM Tris-HCl, 1mM EDTA (pH8.0-9.0)などの方だとうまくいく場合もあります。どちらもpHとキレート剤が重要です。 |
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