PCR反応後、直接制限酵素消化すると、切断端の突出末端が埋め戻されたり削られたりして平滑化してしまいます。制限酵素消化とゲル抽出するということはクローニング目的だと思いますが、それじゃだめじゃん?
KOD Oneの説明書でもわざわざ言及されていますね。
>本製品で増幅した PCR 産物を制限酵素にて処理し、その突出末端を利用してクローニングを行う場合には、
制限酵素処理前に増幅産物の精製を行ってください。DNA polymerase が残存している場合、本酵素の持つ 3’
→5’ Exonuclease 活性により制限酵素処理中に突出末端が削られる可能性があります。
PCR-RFLPなんかの目的ではアリですけど。
NEBは自社のPCR酵素系について、PCRバッファ中での制限酵素活性の情報を出しています。おおさんがすでに言及していました。
Fermentasの資料ではほとんどの制限酵素はPCRバッファー中でも効くけど、PCR反応後だと効かない酵素もあるので、PCR反応液を3倍希釈して推奨制限酵素バッファーを加えて消化するのを推奨しています。
ただ、KOD oneとかFX Neoとか、あるいは他社の酵素でも、最近のPCR酵素添付バッファは阻害物質を中和するとか、増幅が頭打ちになるのを防ぐとかの目的で、何らかのエンハンサーが入っているものが多いですよね。そのためトロミがあったり、フリーザーでも凍りにくかったりします。PVPとかPVAなんかも入っているのかな。制限酵素が効かないかもしれないし、逆にスター活性がでたりしそうだ。ともかく、そういうバッファ中で制限酵素がどう振る舞うかは情報がないと思います。 |
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