Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

不安定なプラスミド。正しいコロニーが取れません。 トピック削除
No.12383-TOPIC - 2024/06/21 (金) 18:15:19 - プラスミドン
お世話になります。

もうプラスミド構築を始めて10年以上の経験があるのですが、この度、プラスミドが構築できずに困っています。

レンチウイルス作成用のベクターにcDNA(4 kbp)を入れて発現ベクターを構築しようとしています。

マルチクローニングサイトを2か所切り、そこに導入していますが、コロニーは多数生えてくるのですが、
ミニプレップを行って制限酵素で切断すると全て異常なサイズのプラスミドばかりになってしまいます。

方法を変えて リガーゼで接合するのでなく、in fusionに変えてみても同様でした。

不安定なプラスミドであることを考え、DH5α、HST08、NEB stable(30℃)を検討しましたが全てダメで、異常なサイズのものだけになってしまいます。

このような時、何か対応できる術はありませんでしょうか。

最終的には人工遺伝子でコドンを変えてしまおうかなと思っていますが、予算の都合で躊躇しています。

もし宜しければアドバイス頂けましたら幸いです。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



11件 ( 1 〜 11 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.12383-11 - 2024/06/28 (金) 23:03:31 - SYBR master
もうほぼ終了しているんだけど、一点だけ気になったので追加でコメントいれますね

>[Re:6] プラスミドンさんは書きました :
> 実は不思議な現象があって、コロニーPCRではあたりと思われるものが出てくるのです。ベクターのCMV-Fとインサートの内部に設計したR。しかし、miniprepしたものではシーケンスが読めず、コロニーPCRと同じプライマーでPCRしてもかからなくなってしまうため偽陽性と思っていました。

昔々、元となるcDNAライブラリーを手元で増やす為(外注や人に作ってもらったcDNAのplasmidライブラリー)に、形質転換した大腸菌からplasmidを取るときに、液体培養(液培)を経由せずに、colonyをかき集めてplasmidを抽出してたことがあるのですが確か理由は、「個々のplasmidで増幅効率が違うのと、増幅で変異が入る配列がある」からだと、聞いています(当時は未だ、学部か修士学生なので言われたまま、「そうなのね」ぐらいにしか思っていませんでしたが)。たぶん此所らへんは、多分僕より年上のG25さんの方が経験的に詳しいと思います。

で、液培で配列が落ちるplasmidはHIVでも経験していて、液培する温度(37-30-25-20度)を色々変えて取った記憶はあります。落ちない温度がわかれば、その温度で培養スケールを大きくして(と言っても200 mL位だと思いますが)、Plasmidを取った記憶はあります。収量に関しては、覚えていませんが、その後のTransfectionには十分な量だったので、その後再度取った記憶は無いです。

(無題) 削除/引用
No.12383-10 - 2024/06/26 (水) 15:25:58 - プラスミドン
SYBR master様

ご丁寧にありがとうございます。
元々の論文を見て酵素量の膨大さに驚いていましたがやはり大変な工程があるようですね。勉強になります。

また、代替案もありがとうございます。
どの案で行くのかすぐに決断できませんが、本当にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.12383-9 - 2024/06/25 (火) 09:50:17 - SYBR master
Oriciroのin vitro DNA増幅方法は、大腸菌のgenomeの複製系を丸々コピーした物で、元論文はdoi.org/10.1093/nar/gkx822です。増幅産物は、ほぼ我々が知っている環状DNA型のplasmidとして増えてくるので、増幅産物の希釈は簡単だと思いますし、再増幅も簡単に行えます。
デメリットとしては、30近い酵素群が必要であり、どれか一個でもこけていると増えない可能性があります。また、一般的なplasmidにはoriCは入っていないので、oriCを入れ且つ環状でなければ増えないので、何らかの方法で、oriCを入れ込まなければならない。逆に、oriCが無いものは増えないので、コンタミには強いです。残念ながら現状モデルナに買収されてからキットの入手は困難なようです(少なくともwebでは確認出来ない)。

これ以前のCell-free cloningとしては、phi29DNA polymeraseを利用したDNA増幅方法(multiply-primed rolling circle amplification; MPRCA, doi: 10.1101/gr.180501)で、最初の論文がdoi.org/10.1073/pnas.0508809102、type-IISの制限酵素を利用したのがdoi.org/10.1093/nar/gkn025、普通の制限酵素を利用したのがdoi.org/10.2144/000113155になります。

MPRCAを利用した場合、標的が環状DNAであれば、PCRで正しく増やせない配列や、大腸菌に毒性のある配列も増やせます。デメリットとしては、doi.org/10.1073/pnas.0508809102にも書いてありますが、標的DNAのコピー数が少ない(基本10^4以下)とBackgroundで標的と全く関係ないDNAが増えてしまうことです。また環状だけでなく直鎖状DNA(コンタミ)も量が多いと配列がめちゃくちゃになりますが増え、制限酵素による切断前は見かけ上は区別出来ませんので、取り使うときはPCR以上にコンタミに注意が必要です。また再増幅には一度切断し再環状化stepが必要です。切断しなくても、GenomiPhiで再増幅できるという報告もありますが、やったことがないので上手くいくかどうかは判らないです。

MPRCAのキットは旧GE healthcare(現cytiva)からTempliPhiが出ていますが、既に特許切れているので、NEBから出ているphi29-XT RCA Kitの方が少しお安いです。

>[Re:1] プラスミドンさんは書きました :
> 方法を変えて リガーゼで接合するのでなく、in fusionに変えてみても同様

と有りますのでIn-Fusionの替わりに、NEBuilderで連結した後で、phi29-XT RCA KitでDNAを増幅する手法も使えます(この方法はNEBuilderのHPでも紹介されています)。

いずれの増幅方法でも、反応液に投入されたdNTPsが枯渇するまで増やせますので(10 ug以上/20 uL位)、反応時間を長くすれば反応液は糸を引く感じのネチョネチョになりますが、Oriciroの方は環状DNAなので、たぶん希釈は簡単だと思いますし、丁度良い濃度でそのまま電気泳動すれば上手くいったのかどうかの確認は可能です。一方でMPRCA産物は非常に長鎖のtandem-repeat状なので、希釈は少しだけ面倒で、且つ制限酵素等で切断し電気泳動して目的DNAが増えたかどうかの確認が必要になります。

(無題) 削除/引用
No.12383-8 - 2024/06/23 (日) 14:32:31 - プラスミドン
SYBR master様、ありがとうございます。
急ぎません、何卒宜しくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.12383-7 - 2024/06/23 (日) 01:06:59 - SYBR master
>[Re:6] プラスミドンさんは書きました :
> SYBR master様のコメントを見て、大腸菌に毒性のある遺伝子では短いプラスミドばかりが取れてくる現象があることを知りました。
>
> https://fnkprddata.blob.core.windows.net/domestic/download/pdf/ORC_AppNote-NPC1_210915.pdf

Oriciroは、モデルナに買収されたのでもう増幅キットが世に出回ることは無い可能性が高い(個人的には100億もの価値は無いと思っている)ので、他の方法を示したいと思いますが、月曜日以降でも良いですか?その時に、Oriciroと他のin vitro cloning 善し悪しの説明したいと思います。

(無題) 削除/引用
No.12383-6 - 2024/06/22 (土) 07:59:00 - プラスミドン
皆様

ありがとうございます。
レンチウイルスベクターであることを理由にプラスミドが不安定だという先入観がありました。

cDNAはAddgeneからpDONR223 vectorで買ったものであり、こちらでは生えてくることから配列の毒性は頭になかったです。皆様のコメントを頂き、配列毒性を考えてみたいと思います。

実は不思議な現象があって、コロニーPCRではあたりと思われるものが出てくるのです。ベクターのCMV-Fとインサートの内部に設計したR。しかし、miniprepしたものではシーケンスが読めず、コロニーPCRと同じプライマーでPCRしてもかからなくなってしまうため偽陽性と思っていました。

SYBR master様のコメントを見て、大腸菌に毒性のある遺伝子では短いプラスミドばかりが取れてくる現象があることを知りました。

https://fnkprddata.blob.core.windows.net/domestic/download/pdf/ORC_AppNote-NPC1_210915.pdf

もしよろしければcell-free cloning(in vitro cloning)について教えて頂けないでしょうか。何卒よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.12383-5 - 2024/06/22 (土) 03:21:39 - NEB
10年選手に今更アドバイスできることがあるかわからないけど
見落としがあるとすると
想定してるバンド自体、泳動に問題があったり?
配列見てみて空なのか一部でも入ってるのか重複してるのか
はっきりさせてからじゃない
Fusionでもやって同じなら変わらないだろうけど
NEBイチオシのNEBuilderでも使ってみるとか

(無題) 削除/引用
No.12383-4 - 2024/06/22 (土) 03:14:13 - おお
コンピテントについてはRec関連の変異にある程度バリエーションがあります。
お示しのコンピはすべてrecA1だったと思います。
たとえばStbl3はrecA13(多分変異の仕方が違う?)とかありますし、
SURE STRAIN
SURE 2 STRAIN
はrecB recJ の変異をつかってリコンビネーションを防いでいます。
手に入るかどうかわかりませんが、sbcBでリコンビネーションを抑制できそうな株もありますね。
https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100003627
https://www.neb.com/en-us/tools-and-resources/usage-guidelines/additional-e-coli-strain-genotypes
ただJMシリーズは大昔からある株なので、、、


そういった見方でコンピテントを選ぶのもありかなと思いました。

(無題) 削除/引用
No.12383-3 - 2024/06/21 (金) 22:29:43 - SYBR master
>[Re:1] プラスミドンさんは書きました :
> レンチウイルス作成用のベクターにcDNA(4 kbp)を入れて発現ベクターを構築しようとしています。

レンチでは無いですが、HIVの組み替えウイルスの作成していたときに同様のことがありました。レンチやHIVのようなレトロウイルス系vectorは、標的配列によってcloningが劇ムズに為るようです。これは現状理由もよく解っていない部分もある(色々考察はあるけど)ので、現状無理なら諦めるか、他の方法を考えた方が良いと僕は思います。

> 不安定なプラスミドであることを考え、DH5α、HST08、NEB stable(30℃)を検討しましたが全てダメで、異常なサイズのものだけになってしまいます。
ドバイス頂けましたら幸いです。

当時NEB stableは無かったんですが、私の経験からだと、Stbl2とかStabl3とかのstrainを使用して、取れた経験はあります(研究室で2年ほど取れなかったplasmidを、ぼく自身は成功した経験があります)。。NEBからはNEBのStablが一番良い結果(たしかリピートだった)だとアナウンスされていますが、多分配列に依存します。なので、他のstable strainも試した方が良いかもしれません。

> マルチクローニングサイトを2か所切り、そこに導入していますが、コロニーは多数生えてくるのですが、

この制限酵素は2つとも違いますか?もし違うなら、in vivo cloningではなく、cell-free cloning(in vitro cloning)ならも目的にかなうDNA(環状では無いですが、dsDNAです)が採れる方法はあります。興味が会ったら返信してください。

(無題) 削除/引用
No.12383-2 - 2024/06/21 (金) 19:34:45 - G25
ここでコメントしたように、
http://www.kenkyuu2.net/cgi-biotech2012/biotechforum.cgi?mode=view;Code=12351
単に組換えやすい配列があって不安定というのじゃなくて、cDNAにコードされた産物が宿主にとって毒性で、漏れ発現によって宿主が死んでしまい、生えてくるコロニーは組換えて機能しなくなったものばかりなのかも。

対処のアイデアとしては、

・温度30℃以下で培養してみる。pUC系oriのベクターであれば細胞あたりのコピー数が1/10以下になるので量的に毒性が抑えられる可能性がある。そうでなくても、転写・翻訳が緩やかになって毒性が抑えられるかもしれない。

・タンパク質発現を目的とする宿主だが、BL21(DE3)の派生系統でC41(DE3)やC41(DE3)というものがある。これは毒性タンパク質をコードする発現ベクターに抵抗性があって、普通の宿主だと死んでしまうようなタンパク質でも発現できるチャンスがある。これを目下のクローニングの宿主につかってみる。rec+なんですけどね。
ttps://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S002228369690399X
ttps://arb-ls.com/products/overexpress_competent_cells/

・大腸菌に対してコドンを非最適化する

不安定なプラスミド。正しいコロニーが取れません。 削除/引用
No.12383-1 - 2024/06/21 (金) 18:15:19 - プラスミドン
お世話になります。

もうプラスミド構築を始めて10年以上の経験があるのですが、この度、プラスミドが構築できずに困っています。

レンチウイルス作成用のベクターにcDNA(4 kbp)を入れて発現ベクターを構築しようとしています。

マルチクローニングサイトを2か所切り、そこに導入していますが、コロニーは多数生えてくるのですが、
ミニプレップを行って制限酵素で切断すると全て異常なサイズのプラスミドばかりになってしまいます。

方法を変えて リガーゼで接合するのでなく、in fusionに変えてみても同様でした。

不安定なプラスミドであることを考え、DH5α、HST08、NEB stable(30℃)を検討しましたが全てダメで、異常なサイズのものだけになってしまいます。

このような時、何か対応できる術はありませんでしょうか。

最終的には人工遺伝子でコドンを変えてしまおうかなと思っていますが、予算の都合で躊躇しています。

もし宜しければアドバイス頂けましたら幸いです。

11件 ( 1 〜 11 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。