IP, WB両方に適用可能な抗体はもちろんたくさんありますが、そうでないものもたくさんあります。そういったことは抗原の中の、抗体が認識する部位や構造によると思われます。例えば、もともと大きな分子である抗体の認識する部位が抗原分子の内部に隠れていたり、表面でも構造上抗体が近づきにくい場所だったりすると天然状態(未変性状態)のままでは抗体は抗原とうまく反応できませんので、WBでは使えてもIPでは使えないということになります。また抗体が高次構造を認識するようなものですと、IPでは使えるけれど、たんぱく質の完全変性を伴うWBでは使えないということになります。
メーカーの社内実験で、WB/IPその他いくつかの手法で使用してみて、実験的に使えることが確認されたものについて、データシートに記載されていると思われます。ただ必ずしもすべてのアプリケーションを検討してるわけではないことも多いと思うので、書いていないからといって必ずしも使えないとは限らないです。
また論文でその抗体をWB/IP/IHCなどに実際に使用している例があることを根拠に、適用可能と判断して記載してることもあります。
抗原部位や抗体の特性から適さないことが明らかならば、あえて、〜への適用は勧めません、と記載されていたりすることもあります。
ただ、いずれもあなたの実験目的や実験条件と同一というわけではないと思うので、データシートに書いてあるからといって、自分の実験でも同様に使えるはずとも限りませんし、もちろん条件次第では逆もありえます。ご自身でもご自身の実験系で適否を検討されることが望ましいと思います。 |
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