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核/細胞質の分画が上手くいかない トピック削除
No.12144-TOPIC - 2024/02/07 (水) 11:53:24 - そう

現在、とある癌細胞の細胞質と核を分離し、細胞質内に漏れ出たゲノムDNA量を解析しようとしています。しかし、おそらく手技の問題で核内のDNAが大量に細胞質分画に漏れ出てしまっています。Western blotで、細胞質分画にヒストンタンパクが検出されたり、qPCRでも核と細胞質分画で、ゲノムDNAの量に大きな差を認めません。

実験に使用したバッファーと手順は以下の通りです。



使用したバッファー(Cytosolic Extraction Buffer:CEB):
NaCl150mM ; HEPES 50mM ; Digitonin 200ug/mL ; Hexylene Glycol 1M

手順:
@細胞を5mLPBSで洗浄し、トリプシン0.5mL添加したのち37℃で5分インキュベート。
A4℃ 500gで10分遠心し、500uLのCEBで懸濁。
BCEBを添加後すぐ、2000gで10分遠心。上澄みを細胞質分画として移す。


遠心時間や濃度を変えたりと色々と試行錯誤しているのですがなかなかうまくいかない状態です。似たような実験の経験がある方、コンタミの原因や上手くコンタミを防ぐコツなど分かる方がおりましたらご教授いただければ幸いです。
 
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15件 ( 1 〜 15 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.12144-15 - 2024/02/08 (木) 23:43:38 - JJJ
トリプシンは主にLysやArgなどの塩基性アミノ酸のC末側を切断します。HistoneはLysやArgに富む強塩基性タンパク質ですので、トリプシンの格好の標的になると思われます。ゆえにもし残存トリプシンが働けば、クロマチン構造は崩れ一部のDNAは遊離してしまい、このうちピペッティングなどによる物理的な力による剪断で一部が切れた小断片が上清に混入してくるのではないでしょうか。

あと核を分画するならば1−2mMのMgCl2も添加しておくべきですね。

(無題) 削除/引用
No.12144-14 - 2024/02/08 (木) 05:21:37 - おお
>[Re:13] JJJさんは書きました :
> Trypsinの反応止めずに実験進めてるところがものすごい気になります。細胞膜壊れれば、時間と共に核膜や、さらに核内タンパク質も分解されて、クロマチンが崩壊してDNAもほどけてくるのではないかなと。

私も気になるのだけどこの手の実験の論文のプロトコールを見るとトリプシンで剥がして洗いも中和もせずにプロテアーゼインヒビターも入ってないバッファーに懸濁している。へんだなぁ〜って。。。

経験上ですがトリプシン処理すると、中和したり気を使ってもLysateの一部の蛋白(細胞内のもの)はかなり見にくくなる。で示されている実験についても、たとえば操作のしている際に一部の核が壊れてCytosolフラクションに核蛋白が混じっていてもトリプシンが消化していたなら見れない可能性もある。ちょっとどこまで信じていいデーターなのか戸惑いがあります。

トリプシンの反応止めないと。 削除/引用
No.12144-13 - 2024/02/07 (水) 21:48:23 - JJJ
Trypsinの反応止めずに実験進めてるところがものすごい気になります。細胞膜壊れれば、時間と共に核膜や、さらに核内タンパク質も分解されて、クロマチンが崩壊してDNAもほどけてくるのではないかなと。培養用トリプシンだとそれ程高純度ではない場合もあるし、さらにウシ膵臓由来とかだと、ヌクレアーぜもそtれなりに残存してるかもしれないし。トリプシンはかなりタフな酵素でその分解活性も半端無いです。
一度、大豆由来トリプシンインヒビターで反応止めてから分画に進めばもうしこし違う結果が得られる気がする。

(無題) 削除/引用
No.12144-12 - 2024/02/07 (水) 18:25:26 - おお
勉強させていただきました。
10.1016/j.xpro.2022.101165
こちらのプロトコールを使っているのですね。DNAダメージで細胞質に漏れ出てくると言う考え方のようですね。

DNAダメージを与えているなら、あたえてない細胞はコントロールにおいてますか?コントロールでダメならバッファーが貴方の使っている細胞で相性が悪いとかそう言う所を改善しないといけないかもしれません。

DNAダメージを与えると、細胞は条件によっては細胞死に移行し核はフラグメント化しますので、核と細胞質のを分けるのがむずかしくなるかもしれません。ダメージを軽くするか、ダメージからしばらくおいているのなら、細胞回収までの時間を短くする必要があるかもしれません。一つ心配なのは細胞自身その特徴として死細胞がある程度の量発生するような場合です。

doi.org/10.1038/s41598-018-26487-1
こちらの論文は細胞質のDNAを取るバッファが、よく核を取って、核内の何らかの機能を見るのによく使われる低張液を使っているようです。デタージェントも使ってないですね。

Cells cultured with DMEM containing 10% FBS were trypsinized and centrifuged to produce a pellet. Four volumes of lysis buffer (20 mM HEPES, pH 7.4, 10 mM KCl, 2 mM MgCl2, 1 mM DTT, and 1 mM EDTA) were added to the pellet and incubated for 20 min on ice. …

(無題) 削除/引用
No.12144-11 - 2024/02/07 (水) 17:38:29 - おお

> 核膜は色々な分子が自由に通れるくらいの核膜があるので
Correction
核膜は色々な分子が自由に通れるくらいの核膜孔があるので

(無題) 削除/引用
No.12144-10 - 2024/02/07 (水) 17:34:25 - おお


>[Re:6] おおさんは書きました :
> >[Re:5] あかねさんは書きました :
> > この場合、目的が核の単離ではなく、核を壊さずに細胞質をとりたいので、低張液は使わないほうがいい。
> >
>
> 低張で核は壊れませんけど。。。

>[Re:8] あかねさんは書きました :
> >低張で核は壊れませんけど。。。
> 核が壊れるかどうかは、ポイントではない。
>

あのーゴールポストがうごいてますけど。。。

> ポイントは、核を取りたいのではなく、細胞質のDNAを取りたい。
> 低張液だと核が膨潤して、外部からの水や細胞質の物質が、核内に流入します。

私は核膜は色々な分子が自由に通れるくらいの核膜があるので核が浸透圧の影響をそんなに受けると思っていませんが、浸透圧が生じるならば、低分子は自由に行き来できても、ある一定以上の大きさの分子は出入りできないわけだから外のDNAが核に戻れるのかと不思議に思います。それにDNAは綺麗さっぱり核に入る(戻る)って言うイメージにも感じて、細胞質のどこにでもそのDNAがいるなら、核が細胞質のものを10%吸引したなら、細胞質から吸引されたDNAも10%ぐらいではないですか?

(無題) 削除/引用
No.12144-9 - 2024/02/07 (水) 16:53:38 - あかね
ちなみに、分裂期の細胞は核膜がないので、CEBを使った抽出だと分離できない。
最後に2000gで遠心とあるが、最高回転で遠心(15000rpmとか)すれば、染色体は落ちるので、分離可能かな?細胞質にあるDNAとやらがそれで落ちるかどうかは知らない。

(無題) 削除/引用
No.12144-8 - 2024/02/07 (水) 16:51:22 - あかね
>低張で核は壊れませんけど。。。
核が壊れるかどうかは、ポイントではない。

ポイントは、核を取りたいのではなく、細胞質のDNAを取りたい。
低張液だと核が膨潤して、外部からの水や細胞質の物質が、核内に流入します。
この核の膨潤の際に、細胞質にあるDNAがどうなるのか、核内に流入するならアウト。
だったら低張液は使う必要はなく、等張液でやる方が、今回は無難。

今回の件に関しては、低張液はオススメしない。

(無題) 削除/引用
No.12144-7 - 2024/02/07 (水) 16:06:42 - G25
おおさんの指摘のように核を壊さずに分画するなら核を固く保つMg++を入れるのがセオリーです。
しかし、程度の問題で100%核を壊さずDNAを漏出させないというのは無理筋だと思います。細胞内でもともと漏れていたDNAなのかartifactで漏れたDNAなのか区別は無理っぽい。

組織細胞化学的に個々の細胞ごとに顕微鏡などで観察、定量するとか、別の手を考えたほうがいいのでは?

(無題) 削除/引用
No.12144-6 - 2024/02/07 (水) 15:35:27 - おお
>[Re:5] あかねさんは書きました :
> この場合、目的が核の単離ではなく、核を壊さずに細胞質をとりたいので、低張液は使わないほうがいい。
>

低張で核は壊れませんけど。。。

(無題) 削除/引用
No.12144-5 - 2024/02/07 (水) 14:27:31 - あかね
この場合、目的が核の単離ではなく、核を壊さずに細胞質をとりたいので、低張液は使わないほうがいい。

(無題) 削除/引用
No.12144-4 - 2024/02/07 (水) 14:26:11 - あかね
200 ug/ml digitoninも濃すぎる。
細胞膜のみに穴を開けたい場合は、50ug/mlでやってました。
Good Luck

(無題) 削除/引用
No.12144-3 - 2024/02/07 (水) 14:23:58 - あかね
トリプシンの不活化(FBS等)のステップは入ってますかね?
不活化のステップがないと、CEBでpermeabilizeした際に残存Trypsinが細胞内に入って悪さします。
不活化+ PBS washを入れて細胞をキレイにする。そしてCEB

(無題) 削除/引用
No.12144-2 - 2024/02/07 (水) 13:56:07 - おお
培養細胞ですか?それならトリプシン処理はいらないとおもう。PBS中スクレーパーでかき取って遠心で細胞のペレットを得るといいとおもう。

バッファーはなにか参考にしたのだろうけど、核を単離するのにいろいろ文献を見たことがあるが、Hexylene Glycol を使ったのは見たことがない。ただ探してみると使っているものはあるようだけど。

例えば、
Isolation of Nuclei. All steps were carried out at 0-4 degrees.
HeLa cells were pelleted and washed in swelling buffer (0.1
M hexylene glycol/1 mM CaCl2/0.06 mM Pipes, pH 6.8)

https://www.pnas.org/doi/pdf/10.1073/pnas.82.9.2642

Briefly, cell pellets were resuspended in cytosolic extract buffer (CEB; 250 mM sucrose, 70 mM KCl, 137 mM NaCl, 4.3 mM Na2HPO4, 1.4 mM KH2PO4) supplemented with 400 µg/mL digitonin

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10572167/

バッファーにマグネシウムイオン1mMぐらいのHypotonicな条件で細胞を破裂させれば(若干物理的に手を加えたほうがいい場合もありますが)それで十分核は取れますけど、細胞によってまあまあベストの条件が違うことはあるようです。細胞のペレットの量とバッファーの量の比率も重要だったりしますし、処理後はごく一部とって顕微鏡などで核がインタクトで見れているかとかも確認しておくほうがいいと思います。

私がよく使う方法はdoi:10.1101/pdb.prot075176 かこれに準じた方法で核を集めたときの上清をCytosolic fractionとして使うことがあります。インタクトのミトコンドリアが必要なときなどはミトコンドリア精製のプロトコールに従ってますが、その方法はシュークロースが入ってます。

核のDNAが細胞質内に漏れ出るってことがあるんですか?生理的な状態での話なんでしょうか、それともなにか病理的な現象何でしょうか。

核/細胞質の分画が上手くいかない 削除/引用
No.12144-1 - 2024/02/07 (水) 11:53:24 - そう

現在、とある癌細胞の細胞質と核を分離し、細胞質内に漏れ出たゲノムDNA量を解析しようとしています。しかし、おそらく手技の問題で核内のDNAが大量に細胞質分画に漏れ出てしまっています。Western blotで、細胞質分画にヒストンタンパクが検出されたり、qPCRでも核と細胞質分画で、ゲノムDNAの量に大きな差を認めません。

実験に使用したバッファーと手順は以下の通りです。



使用したバッファー(Cytosolic Extraction Buffer:CEB):
NaCl150mM ; HEPES 50mM ; Digitonin 200ug/mL ; Hexylene Glycol 1M

手順:
@細胞を5mLPBSで洗浄し、トリプシン0.5mL添加したのち37℃で5分インキュベート。
A4℃ 500gで10分遠心し、500uLのCEBで懸濁。
BCEBを添加後すぐ、2000gで10分遠心。上澄みを細胞質分画として移す。


遠心時間や濃度を変えたりと色々と試行錯誤しているのですがなかなかうまくいかない状態です。似たような実験の経験がある方、コンタミの原因や上手くコンタミを防ぐコツなど分かる方がおりましたらご教授いただければ幸いです。

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