>[Re:1] ゲノムPCRさんは書きました :
> 約1.7 kbほどクローニングしたい領域があり、マウスtailから自前で抽出したゲノムからKOD-Fx-NeoやPrime Star MAXを用いてPCRを試みていますが、スメアになってしまい、シングルバンドを出せれていません。
ここまででは出ていない情報なので、あえて書きますね。
PCRでは、実は増えない配列って物がこの世には結構多数存在します。知っている範囲では「CAG promoter」は有名(だと思う)なのですが、これを知らないと「たかだか増やす」だけで無駄に時間消費します(同期はこれだけで6っか月以上無駄にした)。増えないDNA配列はPCRでは増えないんです。「CAG promoter」は局所的なGC_richで増えない(論文有ったと思う)が、他にもAT_richでも増えません(論文有)し、また「G_rich」だけでも増えません(論文有)し、配列が高温でも2次構造を取る物は増えません(これも論文有)。また、正確に増えないという意味では、7個以上のpoly(N)すなわちcDNAのpoly(A) tailも上手く増えません(これに関しては論文の有無は覚えていないけど、確か東洋紡のKOD開発関連で報告有った)。
また、今うちの院生が発見した例では、一見なんの問題も無い配列だけど、PCRやると必ず4 baseの欠損が起きる配列も存在するようで、理由がわからずPCR不可の配列は多数あるのかもしれません(上手くいかない配列だと、そもそも論文にすら成らないので)。
で、ここからが重要な情報になると思うのですが、「PCRで増えない」配列は、基本的に「人工合成不可」な配列です。「合成可能」はPCRが可能な配列を前提に作成されています。なぜなら「合成可能」な配列はPCRをベースとしたPCA(polymerase cycling assembly)と言う技術で作られているため、PCR不可なら基本的には「人工合成」できません。なので、PCR可能な配列への変更を求められる(一部の塩基を置換して良いかとか、聞かれます)か、基本的に合成の拒否(そもそも無理なので)が行われます(これ、メーカーのHP見ると書いてあるんですよね)。 |
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