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マウス膵臓からのRNA抽出
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No.11989-TOPIC - 2023/12/09 (土) 09:53:40 - Panc
マウスの主要臓器(脳、肺、心臓、腎臓、肝臓、骨格筋、膵臓)を対象にqPCRを行う必要が生じ、RNA抽出を行っています。この際、膵臓のRNAだけうまくとれない事象に遭遇したため、よい解決方法がないかお伺いしたく投稿します。
臓器:解剖時に 20 mg 程度に小分けして-80℃保存(解剖から1カ月以内)
RNA抽出試薬:Trizol
方法:Trizol マニュアル推奨の方法(臓器の破砕には Qiagen ビーズ使用)
抽出:TE buffer に 100 uL/sample で溶解
状況:
RNA抽出し、Nanodropで核酸濃度を測定すると、膵臓でのみ全サンプルでOD230nm(フェノール)とOD280nm(たんぱく質)が高値を示し、RNA濃度が信頼できない値を示した(1000-3000 ng/uL)。
見かけのRNA濃度を揃えて逆転写後にqPCRを行うと、他の臓器に比較して膵臓でのみ内部標準遺伝子(Gapdh)が 5-8 サイクル大きい値を示した(=実際の膵臓 RNA 濃度が低いことを示唆?)。
その他の臓器では RNA 濃度や OD260/280 に問題はみられず、内部標準のCt値も狭い範囲に収まっていた。
小分けにした膵臓からRNA抽出をやり直したが同じ結果が再現された(OD230、180高値)。
ということで、膵臓からうまくRNAを抽出するコツなど情報ありましたらお寄せいただけるとありがたいです。
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No.11989-12 - 2023/12/14 (木) 10:30:21 - G25
なんたってラボで使うRNase Aのソースは膵臓(Bovine pancreas)であるくらいですからRNaseが豊富な器官ですよね。今でこそrecombinat製品もありますが、プラスミド精製とかルーティンに使うRNase Aはいまでもウシの膵臓から精製されています。
RNAの分解が早い材料は液体窒素で瞬間凍結、必要に応じて-80℃保存、精製時に液体窒素とともに乳ばちで粉末化して、Trizolなり他のRNA抽出用lysis solにいれてすぐにホモジナイズするなんてことやってました。
RNAlaterでは浸透して作用するタイムラグがあるし、
組織片からホモジナイズするのだと、組織(特に凍結組織)が十分に破砕されすべての細胞に変性剤が行き渡るまでのタイムラグがあるので、液体窒素粉末にするのは良い方法の一つだと思います。
(無題)
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No.11989-11 - 2023/12/14 (木) 09:13:44 - ねずみ
参考までに、私がやって比較的簡単で比較的きれいに抽出できた方法を書きます。
膵臓を摘出後すぐに冷RNAlaterにつける(液中でハサミで刻む。ときどき転倒混和)。(この間に別臓器摘出)
4°Cでo/n~24h後、余分な液を除いて-80°C保存
抽出は、通常通りの手順で多めのTRIzolに浸漬、ポリトロンで破砕クロロフォルム添加、遠心
上清を新しいtubeに移し、再度TRIol処理、クロロフォルム添加、遠心
上清を新しいtubeに移しイソプロ沈殿(以降は他のRNAと同じ扱い)
TRIzol処理1回だとかなり分解が進みましたが(泳動するとかなりスメア)、2回行うことでスメアがほとんどでない(もちろんrRNAはしっかり確認できる)くらいの状態で抽出できました。
突き詰めて調べたわけではありませんが、TRIzol1回処理ではほんの僅かのRNaseが残ってしまうのだろうか?と思っています。
(無題)
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No.11989-10 - 2023/12/14 (木) 08:16:25 -
TS
みなさんがおっしゃるようにHigh qualityの膵臓のRNAをとるのは難しいです。いまどきでも、そのプロトコールが論文にされるほどです。Pubmedでもすぐに見つかると思うので、少し探してみて、できそうな方法を試されたらどうかなと思います。例えばこのような論文です。
doi: 10.3791/51779
(無題)
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No.11989-9 - 2023/12/14 (木) 05:42:45 - Panc
みなさまありがとうございます。膵臓は解剖時にすぐRNA抽出しないといけないんですね・・・試しにゲルで流してみましたが分解が進んでいました。遺伝子発現を臓器間比較したいので、同じ濃度のtotalRNAから逆転写したcDNAを使ってqPCRを行い、内部標準のCtが臓器間で同等の値を示していない場合は比較が困難かと思っていましたが、とりあえずすべてのqPCRデータをとって眺めてみようと思います。
(無題)
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No.11989-8 - 2023/12/09 (土) 19:23:36 - ふみ
膵臓からのRNA抽出をひところやっていました。
頑張っても28s rRNA対18s rRNAがいいとこ1:1ぐらいだったような記憶があります。
他の臓器では苦労したことがないのに膵臓は難しいなと思いました。
RNAが分解気味でもqPCRならなんとかできると思います。
(無題)
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No.11989-7 - 2023/12/09 (土) 16:06:13 - み
膵臓は分解が激しい。
解剖で取り出して直ちにTrizolに入れても駄目。
液体窒素にいれても駄目。
RNAlaterに入れても駄目。
解剖する前に腹腔にRNAlaterをパンパンになるくらい入れておいて、それから開腹・臓器を取り出し、直ぐにRNAlaterに入れたらマシだった。
それでも定量後、同量のRNAをアガロースゲルで泳動するとintact 28S, 18S rRNAが少ない。他の臓器とは比較にならないほど難しい。
(無題)
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No.11989-6 - 2023/12/09 (土) 14:48:20 - おお
>[Re:5] おおさんは書きました :
> ロスが顕著でも、分解が進んでいる場合も多いです。アガロースゲルで確認できますのでやってみればいいかと思います。
>
ロスが顕著ででなくても…
訂正します。
(無題)
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No.11989-5 - 2023/12/09 (土) 12:24:59 - おお
ロスが顕著でも、分解が進んでいる場合も多いです。アガロースゲルで確認できますのでやってみればいいかと思います。
もしそう言うのが原因でないとすると、もう一度エタチンのするだけでもフェノールやguanidineならぬけます。面倒でなければ、クロロフォルム処理後にエタチンするとベターです。ただしCarbohydrate なども230nmあたりで吸収が高くなるので、その場合改善されないかもしれません。
RNA用のサンプルなら、解剖して小分けにした段階でTRIZOL中に分散させるかRNAlaterの様なRNA保存用試薬に入れておく方がいいと思います。
(無題)
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No.11989-4 - 2023/12/09 (土) 12:11:31 - toto
膵臓はRNaseが大変多いので、-80度に保存したあとでRNA抽出やるとかなり壊れます。昔やったときは他の臓器以上に臓器を取りだしてすぐあとで、確かその当時はGuSCN溶液につけポリトロンで破砕溶解してました。それでも壊れてるRNAも結構ありました。
他の臓器でも、膵臓ほどではなくても分解はおきるので、定量測定が目的ならば、臓器を取りだした直後にRNA調製するのは基本かと思います。
(無題)
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No.11989-3 - 2023/12/09 (土) 11:19:56 - Panc
追加なのですが、イソ沈は小さいながらしっかり見えており、75%エタノール洗浄後もペレットを目視で確認でき、TEを添加して65degで加温する時点まではRNAをロスしているということはなさそうでした。
(無題)
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No.11989-2 - 2023/12/09 (土) 11:06:05 - あの
自分は研究の経験ありませんが、膵臓って分解酵素が多くて難しいと聞いたことあります。
マウス膵臓からのRNA抽出
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No.11989-1 - 2023/12/09 (土) 09:53:40 - Panc
マウスの主要臓器(脳、肺、心臓、腎臓、肝臓、骨格筋、膵臓)を対象にqPCRを行う必要が生じ、RNA抽出を行っています。この際、膵臓のRNAだけうまくとれない事象に遭遇したため、よい解決方法がないかお伺いしたく投稿します。
臓器:解剖時に 20 mg 程度に小分けして-80℃保存(解剖から1カ月以内)
RNA抽出試薬:Trizol
方法:Trizol マニュアル推奨の方法(臓器の破砕には Qiagen ビーズ使用)
抽出:TE buffer に 100 uL/sample で溶解
状況:
RNA抽出し、Nanodropで核酸濃度を測定すると、膵臓でのみ全サンプルでOD230nm(フェノール)とOD280nm(たんぱく質)が高値を示し、RNA濃度が信頼できない値を示した(1000-3000 ng/uL)。
見かけのRNA濃度を揃えて逆転写後にqPCRを行うと、他の臓器に比較して膵臓でのみ内部標準遺伝子(Gapdh)が 5-8 サイクル大きい値を示した(=実際の膵臓 RNA 濃度が低いことを示唆?)。
その他の臓器では RNA 濃度や OD260/280 に問題はみられず、内部標準のCt値も狭い範囲に収まっていた。
小分けにした膵臓からRNA抽出をやり直したが同じ結果が再現された(OD230、180高値)。
ということで、膵臓からうまくRNAを抽出するコツなど情報ありましたらお寄せいただけるとありがたいです。
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