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ペプチドの2次構造とタンパク質への結合の特異性・強さ トピック削除
No.11868-TOPIC - 2023/10/22 (日) 11:30:12 - AAA
いつも勉強させてもらっています。
特定のタンパク質に特異的に結合するペプチドを設計していて行き詰まっています。
色々文献検索していて、

こちら↑のプレスリリースと元論文を読むと、ペプチドのアルファヘリックス構造を安定化させることで、ペプチド-タンパク質の特異的結合が高まるようです。

これはなぜなのだろうと考えています。ペプチドの2次構造が安定していると、側鎖が常に同じ形でタンパク質の疎水性ポケットにはまり込むので、特異性が高まるのに対して、2次構造が不安定だとフレキシブルに形を変えて色んなポケットはまり込むので、特異性が、下がってしまうのかなと思いました。

ただガッチリとアルファヘリックス構造を取らせてしまうと、シミュレーションで強いドッキングスコアを出すのが難しいと実感しています。

2次構造が安定化されて、特異的結合が生じるメカニズム、
特異的かつ強い結合を生み出すペプチド設計のヒント、
で何か思いつくことがあればぜひ教えていただけますでしょうか?
 
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9件 ( 1 〜 9 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.11868-9 - 2023/10/25 (水) 15:47:52 - chemist2
一般論ですが、フレキシブルなリガンドが目的タンパク質と結合してリジッドな構造を取る際には、エントロピー減少のコストが生じます。

ですので最初から結合後の構造を取っていたほうがエントロピー的に有利になります。

(無題) 削除/引用
No.11868-8 - 2023/10/24 (火) 02:18:30 - おお
>[Re:6] AAAさんは書きました :

>
> 1. Introduction
> "once a short unmodified peptide is synthesized in isolation, much of its ability to bind specific biomolecules is weakened, as it tends to adopt random-coil conformations rather than the structured and biologically relevant conformation."
>
> といった文献もあり、ペプチドにαヘリックスなどの安定的な構造を取らせた方が、標的とするタンパク質への結合の特異性が高まるというのは一般的なことなのだろうか?

例えば、構造的ドメインの間のループ部分があるタンパクに結合するとして、その部分を切り出したペプチドは末端などかなり自由度があり、ポケットに収まらない構造になる場合もあるだろうけど、タンパクの中でのそういうループの部分は末端が固定されていたり、周りの何らかの構造に裏打ちされていたりして構造上制約があるのでより結合に適した構造をとりえるということもある。示したイントロはへリックスと書かれているわけでもなく、もっと一般的なものととらえた方がいいのでは?

>あくまでも結合能の向上を見ていて、その他のタンパク質への結合は評価されていないので、確かにもともとのc-MybとKIXの選択性が保たれているかどうかという点は分からないですね。

まあそれは論文読まないと詳しいことはわかりませんが、そこは論点ではなさそうですが、、、No.11868-7 で念を押されてますが、、、

>プチド設計のヒント、
私は素人ですのでいい解答かどうかわかりませんが、

ランダムコイルになるであろうオリゴペプチドであっても単独である程度安定な構造というのがあって、それは熱力学的に計算できるようです。その安定な構造がポケットにはまるなら、結合はより強いと思われますし、ポケットにははまるが、その構造はペプチド単体ではそんなに安定でなければ結合は弱くなると考えられます。だから好ましい結合のバックボーンをまず抽出して、オリゴ単体でそれに近い構造になるような配列を探るとかいうことがもしかしたらできるかもしれないと思いました。

また、結合するオリゴペプチドに構造的作用をして好ましい構造になるようなペプチドをつなげておくという手も取れるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.11868-7 - 2023/10/23 (月) 17:30:25 - Skeptics
繰り返しになりますが、あるペプチドが溶液中でいろんな構造を取っているような場合、そのうち1つだけが標的と特異的な結合をするのであれば、その構造を取る割合を増やすことができれば結合能は上がりますよね。

標的と結合する構造がαヘリックスであれば、αヘリックスを取りやすくすることがプラスにはたらきますが、そうではなくてターンとして標的分子のクレフトに深く突き刺さるようなものであれば逆にαヘリックスを安定化することはもちろんマイナスになるでしょう。

(無題) 削除/引用
No.11868-6 - 2023/10/23 (月) 11:47:20 - AAA
ありがとうございます。
もともと生理的にc-MybとKIXが選択的な結合だろうという前提で質問いたしておりました。
おっしゃる通り、プレスリリースおよび元論文では、その結合部位からペプチドを作り、その構造のαヘリックスを安定させると結合力が向上した、という内容ですね。あくまでも結合能の向上を見ていて、その他のタンパク質への結合は評価されていないので、確かにもともとのc-MybとKIXの選択性が保たれているかどうかという点は分からないですね。

ttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6315407/

1. Introduction
"once a short unmodified peptide is synthesized in isolation, much of its ability to bind specific biomolecules is weakened, as it tends to adopt random-coil conformations rather than the structured and biologically relevant conformation."

といった文献もあり、ペプチドにαヘリックスなどの安定的な構造を取らせた方が、標的とするタンパク質への結合の特異性が高まるというのは一般的なことなのだろうか?それを利用してどうにか上手く選択的な結合能を持ったペプチドを設計する方法はないだろうか?
と思い、質問させていただきました。

(無題) 削除/引用
No.11868-5 - 2023/10/23 (月) 08:02:00 - Skeptics
引用しておられるプレスリリースを読んだかぎりでは、結合する際の構造(αヘリックス)がわかっていて(決まっていて)、その構造を取りやすくすることで結合が上がるということのようですから、最初のご質問のような非特異的結合との競合の話ではないようですが。

(無題) 削除/引用
No.11868-4 - 2023/10/22 (日) 15:57:15 - AAA
ありがとうございます。
私の場合標的にしているのはEGFRです。
ttps://www.rcsb.org/structure/1IVO
ttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8838133/
ttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7765298/

EGFRのbinding siteは3か所ありそうですが、ヘリックス構造が適しているのかはわかりません。

ペプチドを設計していろいろな疎水性のアミノ酸を多く含ませれば、ドッキングシミュレーションで試した結合能は高くなるのですが、特異性が低くなって、ほかの全く関係ないタンパク質への結合能も高くなる傾向があります。

ヘリックス構造でなくとも、なんらか構造的に安定的なものにしたほうが特異性が高くなるのではないかと思いました。
ダイマー化するというのは一つの手かもしれないと思いました。

(無題) 削除/引用
No.11868-3 - 2023/10/22 (日) 14:19:30 - おお
>[Re:1] AAAさんは書きました :

>
> これはなぜなのだろうと考えています。ペプチドの2次構造が安定していると、側鎖が常に同じ形でタンパク質の疎水性ポケットにはまり込むので、特異性が高まるのに対して、2次構造が不安定だとフレキシブルに形を変えて色んなポケットはまり込むので、特異性が、下がってしまうのかなと思いました。

まず、いろいろなポケットというが、一つのタンパクに何か所そんなポケットがあるのかな。ほかのポケットがあったとして、それはへリックスの構造が入り込むようなポケットとも限らないだろうし。もしそうだとしても長さが合わないとか。

へリックスの安定性と特異性の関係は示されている例などでは、単なる熱力学的安定性の問題だと思います。へリックスが熱力学的に安定でなければポケットにアクセスする機会が減るだろうし、へリックス構造をもってポケットに入り込んでいても、へリックスが解消されるとポケットにいれなくなる。

>
> ただガッチリとアルファヘリックス構造を取らせてしまうと、シミュレーションで強いドッキングスコアを出すのが難しいと実感しています。

よくわからんのだけど、それはループのような自由度の高いものだけで考えているのではないだろうか。示されたプレリリースの例で実際にやってみてはどうでしょうか。もしそれで、安定化による結合の強さが見られるのであれば、そうゆうケースで使えるということだし、そうでなければいいアルゴリズムかどうかは置いといて、そういうプレディクションはできないということだから、もしへリックスの構造をとるようなものでうまくプレディクションできるものを探す必要があるかもしれない。


でそもそもあなたのドッキングするペプチドはへリックスを認識するポケットに結合するものなのでしょうか。そうでなければへリックスの構造にこだわる必要もないと思われますが。同時に結合するという話ではなくくっつくようなものを探しているなら、へリックスにこだわる理由がわかりません。

ちなみにへリックスのダイマーとかもPredictionできるようだし、へリックスがベストである場合はちゃんと安定な配列を割り出せそうだけどね。

https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.0904407106

(無題) 削除/引用
No.11868-2 - 2023/10/22 (日) 11:31:38 - AAA
ttps://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00032.html
プレスリリースと元論文へのリンク

ペプチドの2次構造とタンパク質への結合の特異性・強さ 削除/引用
No.11868-1 - 2023/10/22 (日) 11:30:12 - AAA
いつも勉強させてもらっています。
特定のタンパク質に特異的に結合するペプチドを設計していて行き詰まっています。
色々文献検索していて、

こちら↑のプレスリリースと元論文を読むと、ペプチドのアルファヘリックス構造を安定化させることで、ペプチド-タンパク質の特異的結合が高まるようです。

これはなぜなのだろうと考えています。ペプチドの2次構造が安定していると、側鎖が常に同じ形でタンパク質の疎水性ポケットにはまり込むので、特異性が高まるのに対して、2次構造が不安定だとフレキシブルに形を変えて色んなポケットはまり込むので、特異性が、下がってしまうのかなと思いました。

ただガッチリとアルファヘリックス構造を取らせてしまうと、シミュレーションで強いドッキングスコアを出すのが難しいと実感しています。

2次構造が安定化されて、特異的結合が生じるメカニズム、
特異的かつ強い結合を生み出すペプチド設計のヒント、
で何か思いつくことがあればぜひ教えていただけますでしょうか?

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