Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

細胞株のタンパク発現のトラブル トピック削除
No.11762-TOPIC - 2023/09/04 (月) 23:32:48 - レンちゃん
レンチウイルスベクターを用いてヒト血球細胞株に目的遺伝子を導入してタンパクの安定発現細胞の作製を試みており、目的のタンパク発現が見られなかったので経験者の方にアドバイス頂きたく投稿させて頂きます。

使っているベクターの構造はCMVプロモーター下流に目的遺伝子Xのcdsを挿入してC末端FLAGタグ付けてあり、その下流にEF1αプロモーター+ピューロマイシン耐性遺伝子、となっています。

作製したベクターを293T細胞にトランスフェクションして2日後にタンパク発現をウエスタンで確認したところ、抗X抗体と抗FLAG抗体の両方で目的サイズのバンドが確認できました。
このベクターとパッケージングプラスミドを用いてウイルス作製して血球細胞株に感染させて10日間ピューロマイシン選択後の細胞のタンパク発現をウエスタンで確認すると抗X抗体・抗FLAG抗体ともに目的のバンドが見られませんでした。
異なる3種類の血球細胞株にウイルス感染とピューロマイシン選択を行い、3株とも目的タンパクの発現は認められませんでした。

目的タンパクの発現が見られない原因として考えられる事と、タンパクを発現させるための改善点をアドバイス頂けましたら幸いです。
いちおうプロモーターのサイレンシングの可能性を考えて、EF1αプロモーターの下流にX-FLAGを入れたベクターは作製する予定にしています。


また、もう1つ質問なのですが、同じベクターを用いてXのN末端付近の1アミノ酸置換した発現ベクターも作製したところ、変異体のベクターは293T細胞にトランスフェクションしてタンパクの発現を確認すると、抗X抗体では目的バンドが見られるものの、抗FLAG抗体では目的バンドが見られませんでした。
ベクターのシークエンスを確認した限りでは、野生型と変異型のベクターで配列の相違は変異導入箇所のみで、C末は同じ配列でインフレームでFLAGタグが
付いているのですが、野生型はFLAG抗体で検出できるのに変異型はFLAG抗体で検出できませんでした。
配列的にはFLAGが付いているように見えるのですが、抗体で検出できない原因として何が考えらえて、どうすればFLAG抗体(他のタグ抗体でも可)で検出できるかアドバイス頂けましたら幸いです。
ちなみに、N末端にタグを付けるとXの機能が変化すると考えられているため、N末端融合は避けたいです。

以上、よろしくお願い致します。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



15件 ( 1 〜 15 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.11762-15 - 2023/09/30 (土) 08:19:56 - レンちゃん
ウイルス感染後に発現しなくなるのはWTとMutの両方です。Mutの方はFLAG抗体で検出できないので、エンドと区別できない程度に発現しているかもしれませんが。エンドのタンパクは普通に抗体で検出できる程度には発現しています。

mRNAのチェックはしていないので、X-FLAGのRNAが出ているかどうかは確認してみたいと思います。

ルシフェラーゼ入れたベクターでもウイルス感染後発現が見られなかったので、挿入遺伝子に起因する理由以外になんか根本的にミスっているような気がしなくもないです。。。

プロモーター変更はもう1個くらいはベクター買って試そうかと思っています。どのプロモータがいいのか分かりませんが。

変異のコドン変更もいちおう試そうと思います。

血球細胞でフェノタイプを見る必要があり、なおかつできるだけトランスフェクション効率が高い必要があるため、レンチウイルスを選択しました。
変異体を発現させた細胞でドラッグスクリーニングを行いたいと考えているので、できれば安定発現させたいところです。

(無題) 削除/引用
No.11762-14 - 2023/09/30 (土) 01:59:38 - おお
んWTでも発現しないということですか?

その血球細胞、そもそもその遺伝子(エンド)を発現しているのですか?プロモーターの選択としてはあとはHTLVとか選択肢はあるけど、、、


MOIで調整できないですかね。。。感染数が上がると発現量も上がりますし。

(無題) 削除/引用
No.11762-13 - 2023/09/30 (土) 01:52:45 - おお
前にもコメント差し上げたのですが、IRES下流の遺伝子発現が弱い、C末だけが検出できないなどの事から、変異を入れたことによるmRNAのプロセッシングなどが関与しているように思えます。RTPCRでどこの部分でどれくらいの強さで発現しているか確認してもいいのかもしれません。

もしその変異が何らかの病気の原因となると考えられるなら、発現させるということより、その遺伝子の配列でC末が変化することのほうが重要なのかもしれません。

そうではなくて、何らかの活性を人為的につぶしてその遺伝子の機能を見たいのであれば、変異させる場所や、変異により変更したアミノ酸に対応するコドンをアミノ酸が変わらないように変更するとかしてみるのも手だと思います。あるいはmRNAを合成してTFするとか、、、(安定導入株は作れないけど)。思い切ってリコンビナントを作って導入するとか(細胞質、核内のタンパクなら)。

発現ユニットをいじればなんとかなるかもしれませんが、どういじるというのは方針がない状態なので、行き当たりばったりにはなると思います。

(無題) 削除/引用
No.11762-12 - 2023/09/30 (土) 00:43:58 - レンちゃん
X-FLAGを別のレンチベクター(EF1a promoter +GeneX-FLAG +PGK promoter +GFP-2A-Puro)に載せ替えてウイルス作製し、血球細胞に感染させてピューロマイシン選択後にタンパク発現を確認したところ、ベクター載せ替え前と同じく抗X抗体でも抗FLAG抗体でも検出できませんでした。

今回は血球細胞以外にも、HeLa細胞にもウイルス感染させてみましたが、HeLa細胞でもピューロマイシン選択後のタンパク発現は見られませんでした。

Gene Xが特別なのかと思って同じベクターにルシフェラーゼ入れたものも作製して同様に試しましたが、293T細胞での一過性発現ではルシフェラーゼ発現が見られたものの、ウイルス作製し感染させた細胞(血球とHeLa)ではルシフェラーゼの発現は見られませんでした。

プロモーター変更では改善されなかったようですが、他に何かタンパク発現させる方法はありますでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.11762-11 - 2023/09/16 (土) 22:25:28 - レンちゃん
ベクターの載せ替えを行った後も変異型はFLAG抗体で検出されず、抗X抗体では検出されました。
発現量は前のベクターと同様で、野生型とほぼ同じくらい(ちょっと多いようにも見えますが、誤差レベルの差)でした。

IRES下流につないだGFPの発現量が上流の配列によって劇的に変わるのは経験したことがありますが、PGKプロモーターでも上流の配列によって発現量が変わっているようで、これは初めて経験しました。

(無題) 削除/引用
No.11762-10 - 2023/09/15 (金) 01:44:19 - おお
で変異型のFLAGは検出されたのでしょうか?

IRESはその上流の配列の影響をある程度受けます。変異によるmRNAの安定性Translationの効率、予期せぬスプライシングなどのプロセッシング、mRNAの局在の変化なども起こっているかもしれません。相変わらず変異型は正常型より強かったりしますか?

(無題) 削除/引用
No.11762-9 - 2023/09/13 (水) 22:31:03 - レンちゃん
T-2さんコメントいただきましてありがとうございます。

EF1aプロモーターの下流につないでみる、と書きましたが、EF1aプロモーターが載っている別のベクターを使用する予定でして、そのベクターは薬剤耐性マーカーはPGKプロモーター下流に乗せてあります。
PGKプロモーター下流にPuro耐性遺伝子とGFPが2Aで連結してあるベクターを使用します。


早速このベクター使ってX-FLAGを入れたベクターを作製してみました。
まだウイルス作製はしていないのですが、293T細胞にトランスフェクションしてみたところ、野生型X-FLAGを入れたベクターではGFPがガンガンに光っているのに対して、変異型X-FLAGを入れたベクターではGFPが薄っすらとしか光っていませんでした。
野生型と変異型を入れたベクターで下流のGFPの光り方かなり変わっており、何が起こっているのかよく分かりません。

(無題) 削除/引用
No.11762-8 - 2023/09/11 (月) 16:56:46 - T-2
>いちおうプロモーターのサイレンシングの可能性を考えて、EF1αプロモーターの下流にX-FLAGを入れたベクターは作製する予定にしています。

とありますが、EF1aプロモーターで発現するピューロマイシン耐性遺伝子があり、CMVの代わりにEF1aを入れると同じベクター内に2つの同じプロモーターがあることになり、リコンビネーションが起こる可能性が高くなると思います。
ベクター構築してくれる業者でレンチウイルスベクターにおなじ配列のプロモーターを2つ選択したところ、可能な限りやめたほうがよりとの提案を受けました。

(無題) 削除/引用
No.11762-7 - 2023/09/09 (土) 15:38:52 - レンちゃん
他の遺伝子の発現実験を大抵FLAGタグ融合で行っていて、ウエスタンも免染も全部FLAG抗体でやっているので、可能ならFLAGタグで行こうかと思っていたのですが、試しに他のタグを使ってみようと思います。

(無題) 削除/引用
No.11762-6 - 2023/09/08 (金) 03:38:26 - おお
SDSPAGEでは切断されている可能性を示すのが困難ということですね。

よほどのことがないとFLAGエピトープがあるのに検出されないっていうことはないと(個人的に勝手に)思っています。だからたぶん切断されているかなぁと、、、修飾という可能性は否定はできないですが、、、

FLAGで見にくいならもうちょっと大きめのタグをつけるとか(例えばGFPとか)すれば切断されていることが確認できるかもしれません。ただし、それが従来の目的ではないでしょうから、どう判断するか。

一層のことタグの位置をドメインとドメインの間で種間であまり保存されてない構造をとらないところにタグをいれるか。。。

(無題) 削除/引用
No.11762-5 - 2023/09/06 (水) 23:00:23 - レンちゃん
抗X抗体でエンドのタンパクは検出できています。

タグ無しの発現ベクターも作製しており、タグ無しタンパク過剰発現、FLAGタグ付き過剰発現、エンドのタンパクはサイズを区別できませんでした。

Xは分子量100kDa以上あるタンパク質で、普段はSDS-PAGEは5-15%のグラジエントゲルで分離しています。
薄いゲルで思い切り流すということはしていません。

(無題) 削除/引用
No.11762-4 - 2023/09/06 (水) 01:50:34 - おお
>おおさんの考えておられる分解というのは、Xは分解されずタグ部分だけ分解される、

分解は段階的に起こると想像するので(同時にいろんな箇所が切れて無くなるってことはたぶんない)、その途中の産物が見らているかと、思ったのですが、変異体の方が多いようならそういうことはないかもしれません。あるいはプロセッシングでC末が切断されるか。ただし、変異体だけ切断が促進されるというのは突っ込んで調べないと結論づけれませんね。たとえば、C末のどこかで切れるなら、少し短いポリペプチドになりますが、それを検出できる十分な分解能があるSDSPAGEができるならと思いますが、、、抗体Xで検出したとしてエンドのバンドは見れているでしょうか?タグ付きと比べて大きさ的には区別がつきますか?

(無題) 削除/引用
No.11762-3 - 2023/09/05 (火) 23:37:47 - レンちゃん
おおさん返信ありがとうございます。

抗X抗体で検出した際は変異型の発現量は野生型とほぼ変わらず、変異型の方が少し多いくらいです。
X抗体はポリクロなのでエピトープがどこか分かりませんが。

おおさんの考えておられる分解というのは、Xは分解されずタグ部分だけ分解される、という現象でしょうか。

(無題) 削除/引用
No.11762-2 - 2023/09/05 (火) 02:49:33 - おお
>野生型はFLAG抗体で検出できるのに変異型はFLAG抗体で検出できませんでした。

変異型の発現量は野生型に比べてどうですか、私が個人的に最初に考えるのは分解です。

>EF1αプロモーターの下流にX-FLAGを入れたベクターは作製する予定
CMVは血球系の細胞と相性が悪いようですから、これは一つの手だと思います。

細胞株のタンパク発現のトラブル 削除/引用
No.11762-1 - 2023/09/04 (月) 23:32:48 - レンちゃん
レンチウイルスベクターを用いてヒト血球細胞株に目的遺伝子を導入してタンパクの安定発現細胞の作製を試みており、目的のタンパク発現が見られなかったので経験者の方にアドバイス頂きたく投稿させて頂きます。

使っているベクターの構造はCMVプロモーター下流に目的遺伝子Xのcdsを挿入してC末端FLAGタグ付けてあり、その下流にEF1αプロモーター+ピューロマイシン耐性遺伝子、となっています。

作製したベクターを293T細胞にトランスフェクションして2日後にタンパク発現をウエスタンで確認したところ、抗X抗体と抗FLAG抗体の両方で目的サイズのバンドが確認できました。
このベクターとパッケージングプラスミドを用いてウイルス作製して血球細胞株に感染させて10日間ピューロマイシン選択後の細胞のタンパク発現をウエスタンで確認すると抗X抗体・抗FLAG抗体ともに目的のバンドが見られませんでした。
異なる3種類の血球細胞株にウイルス感染とピューロマイシン選択を行い、3株とも目的タンパクの発現は認められませんでした。

目的タンパクの発現が見られない原因として考えられる事と、タンパクを発現させるための改善点をアドバイス頂けましたら幸いです。
いちおうプロモーターのサイレンシングの可能性を考えて、EF1αプロモーターの下流にX-FLAGを入れたベクターは作製する予定にしています。


また、もう1つ質問なのですが、同じベクターを用いてXのN末端付近の1アミノ酸置換した発現ベクターも作製したところ、変異体のベクターは293T細胞にトランスフェクションしてタンパクの発現を確認すると、抗X抗体では目的バンドが見られるものの、抗FLAG抗体では目的バンドが見られませんでした。
ベクターのシークエンスを確認した限りでは、野生型と変異型のベクターで配列の相違は変異導入箇所のみで、C末は同じ配列でインフレームでFLAGタグが
付いているのですが、野生型はFLAG抗体で検出できるのに変異型はFLAG抗体で検出できませんでした。
配列的にはFLAGが付いているように見えるのですが、抗体で検出できない原因として何が考えらえて、どうすればFLAG抗体(他のタグ抗体でも可)で検出できるかアドバイス頂けましたら幸いです。
ちなみに、N末端にタグを付けるとXの機能が変化すると考えられているため、N末端融合は避けたいです。

以上、よろしくお願い致します。

15件 ( 1 〜 15 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。