>[Re:1] ruraさんは書きました :
> このずれは何によって起こるのでしょうか。
多数のことが想定されます。
他のコメントと重複します。
1. 内在遺伝子と外来遺伝子の一次配列の違いによるもの
(1) そもそもの内在遺伝子の長さ > 外来遺伝子の長さ
(9kDaの差として、80アミノ酸程度、240塩基程度の違い)
・外来遺伝子にオルタナティブ・バリアントを使用してしまったとか、内在遺伝子の1st ATGは外来遺伝子の1st ATGよりさらに上流にある、など。
(2) 外来遺伝子の発現の際にスプライシングを起こしている。
(3) 外来遺伝子上の2nd ATGから翻訳開始してしまっている、あるいは終止コドンより前で終結してしまっている。
(4) 外来遺伝子産物がなんらかのプロテアーゼで切断されてしまっている。
2. 様々な翻訳後修飾の有無や違いによるもの
翻訳後修飾にも多数のものが知られています。その中には比較的大きな分子量のものを付加するものもありますし、SDS-PAGE上で大きな移動度の違いをしめすものもあります。
しかしながら、SDS-PAGEのゲルの選択が不適切であるために、わずかな移動度の違いが拡大解釈されてしまいかねないような実験をしている人も時折いるようです。質問者がそうであるとは断定いたしません。ただ質問者は、実験に供したSDS-PAGE(ですよね?)の濃度分子量範囲を非開示しておられるので何とも申し上げようがありませんが、たとえば広範囲の分子量をカバーするようなゲルを使用した場合、わずかな移動度の差が分子量計算上、拡大されてしまうことがあります。そこで16〜20%ぐらいの単純なゲル(すなわちグラジエントではないゲル)で、確認されてはいかがでしょうか?
3. 25kDaタンパク質を発現する細胞と、過剰発現させた宿主細胞の違い、培養条件の違いなど。
これ一つ取ってもいろいろなことが想定できるのですが、質問の書き込み内容からはわかりません。
まさかとは思いますが、別々のSDS-PAGEや別々のウェスタンを比較しているのではないですよね?もしそうであるなら、とりあえず、同一ゲル、同一メンブラン、同一条件で、SDS-PAGEとウェスタンを行うことをお勧めします。
> 低分子タンパクであれば修飾によってこれくらいのずれは生じるものなのでしょうか。
ないこともない、ということは言えます。
しかし、その結論に絞る前に、確認すべきことが多数あるように思います。
もし既に確認実験を行っていたのであれば、上記コメントんについてはご容赦ください。
そして、できるだけ確認済みのものを開示していただけると、我々も無駄なコメントをしなくて済みます。ご賢察ください。 |
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