>[Re:3] あげさんは書きました :
> クローニングに使いたいのですが、正確性の高いものはございますか?
基本的にこれらの逆転写酵素は、AMV由来を除いてM-MuLV由来なので、「正確性」にはどれも大差は無いと思われます。
各酵素(IIとかIIIとかIV)の細かい違いについて最近はメーカーもここら辺についてはもう特許も出していないので、耐熱性の変異(配列のアミノ酸変更、ただ新しい変更があったとは思えないのよね)と、反応buffer組成(此所は最近PCRも含めて、非公開になっているものが多い)の変更で行われているものと推測しています。想像ですが、追加の組成や各種の濃度等を、qPCR向け、またはcDNAのPCR用に変更しているものと思われます。実際、添付データや実施例を見ると、微妙に合成可能な最大鎖長が各酵素で異なるので、「RNAの2次構造を壊しやすい」とか、「DNAの伸張速度が早い」等に特化して、buffer組成を買えているものと推測しています。
初期のM-MuLV基本buffer組成は150mM NaClだったんですが、Taqを含むPCR用酵素は基本50mM以上のNaClで酵素のsalt inhibitionが起きはじめます。Taqを含むPCR用酵素の初期基本bufferはKCl濃度が50mMでしたのですが、KClとNaClの酵素阻害濃度は大体同じであるため、このsalt inhibitionがRT産物のPCRへの持ち込み量を規定していました。上記の推測は、この点から判断したものです。 |
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