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Ni-NTAに非特異的に結合する組換えタンパク質について トピック削除
No.11494-TOPIC - 2023/06/05 (月) 18:53:42 - AP
お世話になります。
現在、293T細胞を無血清培地中に分泌させたhis6タグ付き組換えタンパク質を精製しようとしています。
精製したものをnativeな構造を保ったまま免疫したいためmgほどの量を必要としています。
現在は293Tで精製のプロトコルを完成させたのち、Expi293Fで大量発現に持っていこうとしています。

そこでWAKOのNi-NTAアガロースを購入しまして、無血清培地1 mlから小スケールでの精製を試みています。

input
unbound
eluted #1
eluted #2
eluted #3
on beads

という順でサンプルをウエスタンしています。
elutionは250 mM imidazoleを加え、室温1時間ローテーションしています。この操作を3回繰り返しています。それぞれの溶出分画が#1から#3です。

on beadsは溶出を3度終えた残りに直接SDSサンプルバッファーを加えボイルしたものです。

結果、unboundにほとんど目的のバンドは認めませんでしたので、効率良くビーズについているようです。
また目的のバンドはeluted #1に認められ、#2と#3には認められませんでした。
ところが予想外に、on beadsにかなりの量が残っていました。

おそらくNi非依存的に組換えタンパク質が吸着しているものと考えています。
beads上で凝集しているのかもしれませんが・・・

このようなことはよくあるのでしょうか?
このままではmgオーダーのものを精製することは難しそうです。
あるいは非特異的な吸着を抑制するような手立てとして常套手段は何がありますでしょうか?

たとえばTriton X-100を加えたり、塩の濃度を上げたりが考えられますが・・

無血清培地はOPTI-MEM1にITS-Xを加えたものを使用しています。
ご教授いただけましたら大変ありがたく思います。
よろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.11494-11 - 2023/06/08 (木) 10:32:04 - Karas

直ぐに試せるものとしては、溶出時の温度を少し上げるとか時間を延長するとかでしょうか。

もしもゲルに結合した状態でaggregateしているのであれば、
PMID: 34954298 DOI: 10.1016/j.ijbiomac.2021.12.084
を参考に、洗浄バッファーや溶出バッファーに加えることで目的タンパク質をaggregateさせずにnative保てる添加剤を試していくのは、なかなかに大変ではありますが本腰を入れるのであればありかも。

後は問題解決には繋がらないかもですが、MBLのHis tagged Protein PURIFICATION KIT Trial Kit はイミダゾールではなくHis tagペプチドで溶出します。trial kitならお安いですし、駄目元で試してみてもいいかも。加えてタカラが出してるCapturem Hin-Tagged Purificationに「細胞上清に分泌されたHisタグ融合タンパク質の簡便精製と精製タンパク質の活性化測定」でnative?なルシフェラーゼタンパク質を上清そのままカラムに通して精製しているので、サンプル貰って試してみても良いかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.11494-10 - 2023/06/07 (水) 11:39:03 - G25
非特異的なタンパク質が吸着して困ってるんじゃなくて、
目的のタンパク質がNiとの配位結合によらないらしい非特異的な結合をしているのが問題なんですよね。くっついているタンパク質からは目的外のタンパク質は十分に除けていると。だったら洗いの問題ではないでしょう。

免疫原タンパク質を調製する目的だけで、
ゲルから剥がれないけどタンパク質自体はきれい(夾雑タンパク質が十分に少ない)なら、ゲルごと免疫する方法もありますよ。ゲルにくっついているというのはAdjuvant効果も期待できます。

タイターを調べるのに可用性のタンパク質が必要なら、量は少ないにしてもある程度溶出できているのだからそれを使えばよいでしょう。

(無題) 削除/引用
No.11494-9 - 2023/06/07 (水) 09:44:33 - のなめ
今更ですが、elutionの前に、薄めのImidazolを含むbufferでwashはしていないのでしょうか?
6Hisでしたら10 mM〜40 mMでwashできると思います。(もちろんタンパク質によりますが。。。)10、20、40 mMと徐々に上げていくときれいに精製できたりします。washで外れてしまうとかでしたら、6hisを8hisにしてより強くwashしたり。
あと、ビーズのメーカーを変えてみると、同じNi-NTAでも結構吸着の仕方が変わったりしますよ。

(無題) 削除/引用
No.11494-8 - 2023/06/07 (水) 04:13:16 - おお
あ、濃縮という事であれば硫安やPEGによる沈殿も選択肢かもしれません。場合によってはあぐって再溶解できない場合もありますが。

(無題) 削除/引用
No.11494-7 - 2023/06/07 (水) 02:50:56 - おお
>[Re:6] SYBR masterさんは書きました :

> >[Re:4] おおさんは書きました :
> > アルギニンはNiビーズと相性が悪くなかったっけ。
>
> 10-15年くらい前、自分の欲しいタンパクがちょっとした事で"アグ”るので、たまたま聞きつけた(ほぼ万能のような話を聞いていた)アルギニンについて試した所、全く「効果が無く」、話違うじゃん、ってなってからは情報集めていないんですが、そうなんですか?

アルギニンに限らずアミノ酸はアミノ基を持ってますし、100mMぐらい入れるように記憶していますので。。。たの塩基性のアミノ酸やイミダゾールなどでも似た作用があることがあるようで、溶出後イミダゾールを除かず使うとかいう話も聞いたことがあるように思います。溶出バッファーにアルギニンなど入れてもいいのだけど、吸着の時点でビーズに非特異についてしまっていたらあまり効果がないかもと思います。

>
> 個人的にはHis-Tagは、他のTagに比べ簡単にはキレイにならない(修士の苦い記憶)というPTSDを持っていますので、タンパク発現の第一選択には無いので、余り情報集めては居ません。

そうですね。むかしはFPLCでNiビーズ、イオン交換のタンデムプログラムを組んでいたこともありました。

(無題) 削除/引用
No.11494-6 - 2023/06/06 (火) 21:52:02 - SYBR master
すいません
一個前の投稿、パス設定していないため削除できずにいます

>[Re:4] おおさんは書きました :
> アルギニンはNiビーズと相性が悪くなかったっけ。

10-15年くらい前、自分の欲しいタンパクがちょっとした事で"アグ”るので、たまたま聞きつけた(ほぼ万能のような話を聞いていた)アルギニンについて試した所、全く「効果が無く」、話違うじゃん、ってなってからは情報集めていないんですが、そうなんですか?

個人的にはHis-Tagは、他のTagに比べ簡単にはキレイにならない(修士の苦い記憶)というPTSDを持っていますので、タンパク発現の第一選択には無いので、余り情報集めては居ません。

一方で、同時期に試したNDSBについては、メルクが出していた群馬の先生の小冊子(現在Pdfで取れる)の説明同様、そこそこ効果あったんで、崇めている気はします(タンパク発現に関しては、そのメカニズム含めて不明なモノ多すぎて科学的な思考が無くなり、「信じる者は救われる」、精神です)。

ただ、今のプロジェクトで発現して使用したいタンパク質が160KDa位有るはずなので、今回は使わざるをえないんでしょうねぇ〜。

(無題) 削除/引用
No.11494-5 - 2023/06/06 (火) 21:30:56 - SYBR master
>[Re:4] おおさんは書きました :
> OPTI MEMにはBSA、トランスフェリンとIGFが含まれていたとおもいます。精製するというよりは限外ろ過とかで濃縮すると同時にこれらのタンパクを除いていってもいいかもしれません。たしかに細胞から分泌されるほかのタンパクも混じるかもしれませんが、それはSDSPAGEでそこそこの純度があれば何とかなりそうです。
>
> あるいは血清やたんぱく成分がふくまれないDMEMで培養してしまえば濃縮だけでいいかもしれません。DMEMだけでは細胞が増えないし調子が悪くなる可能性もあるのですが、培地からの精製を考えてDMEMだけで分泌させて回収する人もいます。まあIGFかインシュリンぐらいは入れておいて、サイズが小さいので限外ろ過で分離しながら濃縮できるのではと(ターゲットのサイズによるかも)。
>
> アルギニンはNiビーズと相性が悪くなかったっけ。

(無題) 削除/引用
No.11494-4 - 2023/06/06 (火) 02:34:16 - おお
OPTI MEMにはBSA、トランスフェリンとIGFが含まれていたとおもいます。精製するというよりは限外ろ過とかで濃縮すると同時にこれらのタンパクを除いていってもいいかもしれません。たしかに細胞から分泌されるほかのタンパクも混じるかもしれませんが、それはSDSPAGEでそこそこの純度があれば何とかなりそうです。

あるいは血清やたんぱく成分がふくまれないDMEMで培養してしまえば濃縮だけでいいかもしれません。DMEMだけでは細胞が増えないし調子が悪くなる可能性もあるのですが、培地からの精製を考えてDMEMだけで分泌させて回収する人もいます。まあIGFかインシュリンぐらいは入れておいて、サイズが小さいので限外ろ過で分離しながら濃縮できるのではと(ターゲットのサイズによるかも)。

アルギニンはNiビーズと相性が悪くなかったっけ。

(無題) 削除/引用
No.11494-3 - 2023/06/05 (月) 22:37:05 - G25
> nativeな構造を保ったまま免疫したいためmgほどの量を必要としています。

これに意義があるかどうか疑問。貪食され断片化され抗原提示されたペプチド片がエピトープになるのだから。盛り付けが綺麗だろうと汚かろうと食ってしまえば同じ

(無題) 削除/引用
No.11494-2 - 2023/06/05 (月) 21:02:24 - SYBR master
>[Re:1] APさんは書きました :
> 精製したものをnativeな構造を保ったまま免疫したいためmgほどの量を必要としています。

例え真核細胞でもover expressionしたものが、nativeな構造を持っている証拠はあるのですか?酵素なら活性測定等で証明できますが、nativeな構造であることを証明できるような系はお持ちですか?

> elutionは250 mM imidazoleを加え、室温1時間ローテーションしています。この操作を3回繰り返しています

僕の記憶ではパイロット実験なら、eluted #1(E-1)が250 mMなら、E-2は300 mM, E-3は400 mM, 最後にE-4で500 mMでelute等、イミダゾール濃度を徐々に上げて行くモノだと思いますが、違いましたっけ?

> このようなことはよくあるのでしょうか?

普通にあります。fusion proteinなら、fusionした部分を切り離した瞬間、不溶化することも良く聞きますね。

> あるいは非特異的な吸着を抑制するような手立てとして常套手段は何がありますでしょうか?

タンパク質の精製は、発現方法も含めて、個々のタンパク質で異なるモノと考えて、基本のプロトコルで上手くいかなければ、残念ながら現存する全ての方法を試すtry & errorしかないです。

既存のよく使われている界面活性剤の他に、すでに調べたのが10年くらい前の情報ですが、アルギニン(確か東大の先生の論文だったような)、NDSB(Non-Detergent SulfoBetaine)非界面活性剤スルフォベタイン(Merckの監修は群馬大の先生だった)、糖系非イオン性界面活性剤(膜タンパクで使われているらしい)、Torehalose(トレハロース,実施例は少なかった気がする)等が、使われています。

Ni-NTAに非特異的に結合する組換えタンパク質について 削除/引用
No.11494-1 - 2023/06/05 (月) 18:53:42 - AP
お世話になります。
現在、293T細胞を無血清培地中に分泌させたhis6タグ付き組換えタンパク質を精製しようとしています。
精製したものをnativeな構造を保ったまま免疫したいためmgほどの量を必要としています。
現在は293Tで精製のプロトコルを完成させたのち、Expi293Fで大量発現に持っていこうとしています。

そこでWAKOのNi-NTAアガロースを購入しまして、無血清培地1 mlから小スケールでの精製を試みています。

input
unbound
eluted #1
eluted #2
eluted #3
on beads

という順でサンプルをウエスタンしています。
elutionは250 mM imidazoleを加え、室温1時間ローテーションしています。この操作を3回繰り返しています。それぞれの溶出分画が#1から#3です。

on beadsは溶出を3度終えた残りに直接SDSサンプルバッファーを加えボイルしたものです。

結果、unboundにほとんど目的のバンドは認めませんでしたので、効率良くビーズについているようです。
また目的のバンドはeluted #1に認められ、#2と#3には認められませんでした。
ところが予想外に、on beadsにかなりの量が残っていました。

おそらくNi非依存的に組換えタンパク質が吸着しているものと考えています。
beads上で凝集しているのかもしれませんが・・・

このようなことはよくあるのでしょうか?
このままではmgオーダーのものを精製することは難しそうです。
あるいは非特異的な吸着を抑制するような手立てとして常套手段は何がありますでしょうか?

たとえばTriton X-100を加えたり、塩の濃度を上げたりが考えられますが・・

無血清培地はOPTI-MEM1にITS-Xを加えたものを使用しています。
ご教授いただけましたら大変ありがたく思います。
よろしくお願いいたします。

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