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shRNAのoligo duplexがクローニングされない(泣) トピック削除
No.11481-TOPIC - 2023/06/01 (木) 14:50:27 - 深刻
いつも勉強させてもらっています。

shRNA発現プラスミドを使ってRNAi実験を行なっています。
プラスミドをHpa1とXho1でカットし、精製、そこへリン酸化させたoligo duplexをクローニングするという操作を行なっています。

結果、遺伝子Xを標的とするshRNA、遺伝子Yを標的とするshRNA発現プラスミドが問題なくできました。

ラボの同僚からscramble shRNAもした方がよいと言われたのと、遺伝子Xの別の領域を標的とするshRNAも作製した方がいいよ、と言われたので再度クローニングを行いました。
その結果が非常に困惑するものでした。

まず、scramble shRNAのクローニングは問題なく行えました。
一方、遺伝子Xの別の領域を標的とするshRNAを2種類作製を試みましたが、何度やっても作製することができません。

scrambleのプラスミドの作製と同時並行で行なっているため、すべての操作は問題ないと思います。
ちなみに、形質転換時の大腸菌の数は以下のとおりです。

ネガコン(cut plasmidのみ) 3個
scramble 50個
遺伝子Xa 3個
遺伝子Xb 3個

そこでお聞きしたいのですが、おそらくヘアピンのような高次構造をoligo duplexが作ってしまっているため、cloningがうまくいかないのでは?と考えています。

1. そのようなことはあり得ますでしょうか?
2. そのような場合、どういった解決策がありますでしょうか?

ご指導いただけましたら幸いですm(_ _)m
 
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(無題) 削除/引用
No.11481-9 - 2023/06/06 (火) 06:01:52 - おお
>おおよそインサートとプラスミドは1:100くらいでしょうか。

過剰にインサートを入れるのはオリゴでは特によくやられます。このメリットはインサートが入ってないコロニーの割合を減らせることがよくあるからです。デメリットはコロニー数の減少です(拾えて来るコロニーがへります)。そういうことをかんがえると1:10ぐらいでやってもいいかと。

ベクターがわを脱リン酸化してなければ、オリゴのリン酸化せずともLigationされます。このメリットはオリゴ動詞の重合を防げるので、重合で片方の制限酵素がない断片ができたり、重合したオリゴがインサートに入ったりするのが防げます。

(無題) 削除/引用
No.11481-8 - 2023/06/04 (日) 17:13:00 - SYBR master
>[Re:6] 深刻さんは書きました :
> toto先生
> 驚いています。
> プラスミドにoligoをクローニングできたとしても、大腸菌内での増幅時に正しく増えないということでしょうか?そのような問題がshRNAにあるとは知りませんでした。
> よくあることなのでしょうか?・・・

ごく普通のことですね。 「反復配列 クローニング」で検索すれば、沢山出てくると思います。

shRNA用のはインバーテッドリピート(inverted repeat)で、かつその部分をoligoで合成したら、そのoligo内で2本鎖を形成する可能性が高くなるので、

>[Re:4] WXNさんは書きました :
> 2)インサートを二組のdsDNAに分ける。こうすると各オリゴがヘアピン構造を取りにくくなる。もちろん、二本のチューブで個別にリン酸化、アニーリングを行い、ライゲーションのときにベクターと二組のインサートを混ぜ合わせます。

のような、少し工夫が必要ですが、それでも取れないときは取れません。

>[Re:1] 深刻さんは書きました :
> プラスミドをHpa1とXho1でカットし、精製、そこへリン酸化させたoligo duplexをクローニングするという操作を行なっています。

ただでさえ難しいcloningで、HpaIのようなblunt-endは、良い選択とは思えません。5'または3'の突出末端を選択してあれば、他に選択できる手段は増えるかもしれません。

また、NEBが最近?出した、「NEBuilder HiFi DNA アッセンブリー」キットはssDNAだけでもcloning対象として使えるらしいので、vectorの構築まではこれで出来そうです。ただ、先にも書きましたが、「反復配列の大腸菌でのクローニング」は継代しただけで配列がおかしくなるのは普通のことなので、その部分で何かしらの手立てを考える必要があります。自分ならminiprepでクローンが正しいと確認出来たら、その後の使用でvectorが環状である必要が無いのならば、TempliPhiで増やすと思います。

(無題) 削除/引用
No.11481-7 - 2023/06/03 (土) 13:12:01 - 深刻
WXN先生

ありがとうございます。
濃度は10、20倍まで上げましたが、いずれも成功しませんでした。
インサートを分割するという案は考えたこともありませんでした。
どうにもうまくいかなければ考えてみたいと思います。
ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.11481-6 - 2023/06/03 (土) 13:07:41 - 深刻
toto先生

>shRNAはさんざんやってましたが、どう工夫しても正しい物ができないことも結構ありました。ただ、正しくオリゴが入って配列も確認したはずのプラスミドをtransfection用に増やしたときにNGSしてみたところ、いろんな配列ができていたことがわかり、げっそりしてshRNAはやめました。miniprepなら大丈夫で、増やしたから組換えがいろいろ起きたのかわかりませんが。この話、前に書いたかもしれませんが、苦い記憶です。

驚いています。
プラスミドにoligoをクローニングできたとしても、大腸菌内での増幅時に正しく増えないということでしょうか?そのような問題がshRNAにあるとは知りませんでした。
よくあることなのでしょうか?・・・

(無題) 削除/引用
No.11481-5 - 2023/06/03 (土) 13:05:46 - 深刻
おお様

>
まず、スクランブルでたった50という印象です。ちょっとコンピテンシーが低くないかと思うのですが、他のうまくいった例でもそれぐらいですか?

シングルコロニーを得るために敢えて薄くまいています。

>一本鎖のオリゴのアニーリングに工夫してみる手はあるかもしれません。混ぜたうえで一度変性させたうえで、ゆっくりと冷やす。PAGEなどできちんとアニーリングしたであろう、期待する長さに移動するものだけを切り出してライゲーションする。

はい、そのようにしています。
具体的にはoligoをT4 ligase bufferとPNK存在下で37度で30分の後、95度5分をしたあとに徐々に20度まで15分くらいかけてPCR機器を使って下げています。その方法でCRISPRプラスミドも問題なく作製しております。


> コンピの菌株を変えるだけでもうまくいく場合があります。構造が絡んで来るならライゲーション温度や時間なども影響するかも。

そうなのですね・・レンチ用のプラスミドなのでStbl3を使っています。
ライゲーションは4度でオーバーナイトも試しましたが、モノは取れませんでした。

>インサートとプラスミドの量比はどれくらいでしょうか?その入ってないクローンはシーケンスはどうでしたか?

おおよそインサートとプラスミドは1:100くらいでしょうか。Dr. Feng Zhangラボのプロトコルに従ったもので本来できるはずのものが出来ていないことを質問させていただこうとトピックを立てました。


>思い切ってLICに切り替えるか、違う領域を改めてデザインするか。
大変恐縮ですが、今一度質問を復唱させてください。

試薬、プロトコルいずれも問題ないにも関わらず、一部のshRNA配列が何度も行ってもクローニングできていません。他のshRNA配列は問題なく作製できています。そこで私の質問は、特定のshRNA配列がヘアピン構造を取ることでクローニングがうまくいかない例があるというのはコンセンサスとしてありますでしょうか?
ご意見いただけますと幸いです。

(無題) 削除/引用
No.11481-4 - 2023/06/02 (金) 08:22:17 - WXN
1)アニーリングするときのオリゴの濃度を上げる。分子間反応(ハイブリ)は濃度依存するが、分子内反応(ヘアピンフォールディング)は濃度依存しないので。

2)インサートを二組のdsDNAに分ける。こうすると各オリゴがヘアピン構造を取りにくくなる。もちろん、二本のチューブで個別にリン酸化、アニーリングを行い、ライゲーションのときにベクターと二組のインサートを混ぜ合わせます。

(無題) 削除/引用
No.11481-3 - 2023/06/01 (木) 22:53:41 - toto
shRNAはさんざんやってましたが、どう工夫しても正しい物ができないことも結構ありました。ただ、正しくオリゴが入って配列も確認したはずのプラスミドをtransfection用に増やしたときにNGSしてみたところ、いろんな配列ができていたことがわかり、げっそりしてshRNAはやめました。miniprepなら大丈夫で、増やしたから組換えがいろいろ起きたのかわかりませんが。この話、前に書いたかもしれませんが、苦い記憶です。

(無題) 削除/引用
No.11481-2 - 2023/06/01 (木) 20:12:12 - おお
ネガコン(cut plasmidのみ) 3個
scramble 50個

まず、スクランブルでたった50という印象です。ちょっとコンピテンシーが低くないかと思うのですが、他のうまくいった例でもそれぐらいですか?

一本鎖のオリゴのアニーリングに工夫してみる手はあるかもしれません。混ぜたうえで一度変性させたうえで、ゆっくりと冷やす。PAGEなどできちんとアニーリングしたであろう、期待する長さに移動するものだけを切り出してライゲーションする。

コンピの菌株を変えるだけでもうまくいく場合があります。構造が絡んで来るならライゲーション温度や時間なども影響するかも。

インサートとプラスミドの量比はどれくらいでしょうか?その入ってないクローンはシーケンスはどうでしたか?

思い切ってLICに切り替えるか、違う領域を改めてデザインするか。

shRNAのoligo duplexがクローニングされない(泣) 削除/引用
No.11481-1 - 2023/06/01 (木) 14:50:27 - 深刻
いつも勉強させてもらっています。

shRNA発現プラスミドを使ってRNAi実験を行なっています。
プラスミドをHpa1とXho1でカットし、精製、そこへリン酸化させたoligo duplexをクローニングするという操作を行なっています。

結果、遺伝子Xを標的とするshRNA、遺伝子Yを標的とするshRNA発現プラスミドが問題なくできました。

ラボの同僚からscramble shRNAもした方がよいと言われたのと、遺伝子Xの別の領域を標的とするshRNAも作製した方がいいよ、と言われたので再度クローニングを行いました。
その結果が非常に困惑するものでした。

まず、scramble shRNAのクローニングは問題なく行えました。
一方、遺伝子Xの別の領域を標的とするshRNAを2種類作製を試みましたが、何度やっても作製することができません。

scrambleのプラスミドの作製と同時並行で行なっているため、すべての操作は問題ないと思います。
ちなみに、形質転換時の大腸菌の数は以下のとおりです。

ネガコン(cut plasmidのみ) 3個
scramble 50個
遺伝子Xa 3個
遺伝子Xb 3個

そこでお聞きしたいのですが、おそらくヘアピンのような高次構造をoligo duplexが作ってしまっているため、cloningがうまくいかないのでは?と考えています。

1. そのようなことはあり得ますでしょうか?
2. そのような場合、どういった解決策がありますでしょうか?

ご指導いただけましたら幸いですm(_ _)m

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