具体的な内容は明かせないのですが、現在とあるタンパクの翻訳後修飾について研究を行っています。ヒトおよびマウスの白血球にある特定の刺激を与えると、その翻訳後修飾が起こってくることが、蛍光免疫染色、抽出タンパクによるウェスタンブロットおよびLS/MS/MSで分かっています。
しかし、何がその翻訳後修飾を行っているのかが分からず、なんとかしてそれを知りたいと思っています。
その翻訳後修飾を行う酵素はいくつか知られているのですが、阻害剤による実験やノックアウトマウスによる実験で、既知の酵素は関与しない反応が起こっていることが確認できています。
さらに、与えた刺激に対応する既知のカスケードをブロックしても反応を止められませんので、想定していない別のカスケードが動いているのだと推測されます。
刺激を与えてから30分から1時間以内には蛍光免疫染色で変化がみられるようになります。ということは、遺伝子の転写に依存した反応ではなく(つまりRNAシークエンスなど発現を見る手法で網をかけに行くことが出来ない)、リン酸化などタンパク質による作用主体のカスケードが動いていると推測されます。
この状況において、動いているカスケードを網羅的に捕まえに行く方法、あるいは直接エフェクターとなっているタンパクを突き止めに行くような戦略はどのようなものが考えられますでしょうか。
例えばリン酸化プロテオミクスなどは試みる価値のある手法だと思っていますが、もしリン酸化に非依存的な反応であった場合はつかまらないわけで、そういう場合に別の手段としてとり得るものはありませんでしょうか?
CRISPRスクリーニングも取りうる手段だと思っていますが、第一選択にはしがたい状況です(理由としては、お金もかかりますし、培養細胞系でもこの修飾は見られるものの白血球とは違う刺激が必要で同じことが起こっているとは言えません。また、フローサイトメトリーによる検出系を確立するのが現状上手く行っていません)。
私や身の回りの者では妙案が思い浮かばず、何か候補となるような手法が無いか、おうかがいする次第です。どうかよろしくお願いいたします。 |
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