核酸グレード、分子生物学グレードと称して販売されているフェノールもありますが(価格が跳ね上がりますが)、普通の特級試薬で十分です。基本的にそういうグレードの製品は特級相当のグレードの試薬をヌクレアーゼ活性とか核酸精製に使ったとき各種酵素の阻害性なんかの検査をしてQCしているだけで、モノ自体がとくに品質が高いというわけじゃないです。で、たぶん検査で引っかかるようなロットがでることは無いんだろうと思います。前世紀に始まりこれまで随分とバッファ飽和フェノールを調製し使用してきましたが、ずっと特級を使ってきて、トラブルになったことはありません。
ちなみに、分子生物学黎明期にはいろいろ試薬の品質が良くなくて、フェノールなんかは不純物や酸化で着色しているようなのが普通だったそうで、自前で蒸留してから使っていたりしたらしい(さすがにその次代は経験していないけど、Molecular Cloningの初期の版にはそういった記載があった)。今でも保存が悪く古くなったバッファ飽和フェノールは酸価して品質が悪くなって着色したりするけど、市販品がそういう状態ということは皆無ですからね。 |
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