>逆転写後のcDNAの濃度は、逆転写前のTotal RNAの濃度と同じですか?
qPCRに移る前にcDNAの濃度を測定し、再度濃度調整をした方がいいですか?
いいえ。
一般に、逆転写効率はあまり高くなくて、oligo dT primingで良くて20%前後、random primingで50%程度まで。ただし投入するRNAの品質によって大きく変わり、サンプルごとのばらつきも大きい。
それと、市販の逆転写系なんか、同じ反応スケールで投入できるRNA量にだいぶはばをもたせてありますが、インプットRNAがすくないほうが逆転写効率は高くなります。
>qPCRに移る前にcDNAの濃度を測定し、再度濃度調整をした方がいいですか?
逆転写反応後の濃度測定なんて簡単ではないと思いますし、そのわりにあまり役にたつ数字にはならないと思います。
逆転写反応液には投入したRNA, プライマー、dNTPが大量に残存しているわけで、そのなかでcDNAの量だけ測定するなんてのは無理でしょう。
ちゃんとやるなら逆転写反応にRI標識dNTPを少量混ぜておいて、cDNAに取り込まれた放射活性から合成量を求めるとかしなければ(かつてcDNAライブラリーを作製時などで定番の方法だった)。
一応、ハウスキーピング遺伝子の転写産物なんかで内部標準をとって、比較したサンプル同士の標準化する建前なので、cDNA量の多少のばらつきは良しとしてやるのがRT-qPCRだと思います。
ただし、量や品質が大きくばらつくと、標準化しきれないバイアスがかかる可能性があるので、RNA精製の段階から極力サンプル間のばらつきが出ないようにするべきです。
精製材料の量と精製スケールは一定にするとか、手によるばらつきがないようにスキルを磨くとか。
それと、これは半ば常識だと思いますが、qPCRのためには逆転写はRandom primingをすべきです。
random primerのほうがolido dT. プライマーより逆転写効率が高いだけでなく、RNA種やRNA上の領域(5'側、3'側など)の違いによるバイアスや、サンプル間では逆転写効率のバラつきが少ないです。 |
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