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複数個体から得た1サンプルのBiological Replicateの意味 トピック削除
No.11361-TOPIC - 2023/04/12 (水) 05:23:38 - abc
非常に初歩的な質問で恐縮ですが、以下の例をお読みいただき、質問にご回答いただけると幸いです。
過去に同じ質問があったらすみません(その際はリンクを教えてくださると助かります)。

(マウスの例)
WTマウスと変異体マウスの脳のBulk RNA seqを行うとします。このとき、WTマウスと変異体マウスそれぞれ1匹ずつから、脳を取り出してBulk RNA seqを2サンプル(WTで1サンプル、変異体で1サンプル)で行った場合、Biological Replicateは1となりますよね。

(ショウジョウバエの例)
では、WTショウジョウバエと変異体ショウジョウバエの脳のBulk RNA seqを行うとします。1匹の脳では細胞数が少なくて解析に必要なRNA濃度に満たないので、野生型と変異体それぞれ100匹ずつから脳を回収して、Bulk RNA seqを2サンプル(WTで1サンプル、変異体で1サンプル、1サンプルが100匹分の脳)でおこなったとします。

お聞きしたいことは、
(1) ショウジョウバエの例でも、Biological Replicateは1と呼ぶのか

(2) もし呼ぶ場合、同じ「Biological Replicateは1」でも、その意味合いが異なると思います。例えばショウジョウバエの例では、「Biological Replicateが1」でも、得られた遺伝子発現レベルの違いは、マウスの例で起きうる「たまたま選んだ1匹の動物に由来する特殊なもの」が原因となる可能性は低いと思います。なので、ショウジョウバエの例ではBiological Replicateが2くらいでも十分信頼できる(サンプル作製過程やシーケンス過程で生じうる、生物内因的なものでないバラツキはショウジョウバエの例でも避けられないので、Replicateが2は必要)、一方マウスの例では、生物内因的なばらつきも加わるのでReplicateが3でも足りないくらい、と感じているのですが、この考えにおかしな点はありますでしょうか?

この考えが間違っているのか確認したく質問を投稿いたしました。
 
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(無題) 解決済み 削除/引用
No.11361-9 - 2023/04/13 (木) 18:55:33 - abc
おお先生

確かにたとえが変でした。おかげでシングルセルの理解も深まりました。
ありがとうございます。

みなさまのおかげで、Replicateの考え方や目的が整理できました。これで解決にしようと思います。
誠にありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.11361-8 - 2023/04/13 (木) 03:19:23 - おお
>[Re:3] abcさんは書きました :
> おお先生
>

> 培養細胞の例で思ったのですが、もし1万個の細胞をBulk RNA seqではなくてscRNA seqする、そしてこれを3回くり返すとした時、この場合も「Biolocial Replicate =3」と一般的に呼ばれるのでしょうか。
> でもシーケンスはある意味3万回(1万回X3)行っているわけですよね。。
> 合計1万細胞集めてscRNA seqを行うとしても、サンプリングの回数は野生型と変異体それぞれのグループで一回のみ、

言葉の定義にはあまり興味がないといいましたが、まあ言っていることはそんな感じでいいと思います。ただ、scRNA seqするときは細胞間の発現の違いなどにフォーカスするものであって、そういう意味ではちょっと変なたとえのような気もしますが、、、ですから「ある意味3万回」という違和感を感じるのではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.11361-7 - 2023/04/12 (水) 15:29:49 - abc
toto先生

>おたずねの場合は、単にpoolしたサンプルの測定値がひとつということなのでbiological replicateとはいい>ません。またマウス個体の場合もnの意味が明確なので、そのようにはわざわざ書きません。
おお先生からもご指摘を受けました。間違って理解していました。
Biologicalとわざわざ書くのは、technicalと明確に区別したいときということですね。ありがとうございます。


>データの情報量という点で、例えば同じ100細胞のデータでも、プールした1つの平均値よりも、10>0個のシングルセルのデータの統計値のほうがずっと大きくなります。分布がもしかすると単純なガウス>分布でなくて偏ったりあるいは複雑な分布を持つかもしれません。その情報はプールすると消えます。
なるほど。Bulkとの違いの理解が深まりました。


>プールしたデータが三つある場合、どうよぶのかですが、これは上と同じ考えでbiological replicateと
>よんでもいいのですが、たとえばRNAseqの場合だとなんだか紛らわしいので、3つのpoolしたサンプル>をそれぞれに測定した、と書いたほうがいいです。
そうなんです、RNA seqでreplicateって単に書かれた時にそれを意味するものが紛らわしくてこれまで理解してなかったんです。おかげさまで考えが整理できました。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.11361-6 - 2023/04/12 (水) 15:19:34 - abc
AA先生

具体例で説明してくださりありがとうございます。

>一方で、1検体のプール検体だけでは実験の試行ごとのブレが考慮できませんし、統計処理を行う都合上でも>やはりreplicate自体は必要です。
>この場合は複数回試行する目的が個体間のブレではないのでbiologicalな複製ではありません。(この辺は言>葉遊びの感がありますが)

「この場合は複数回試行する目的が個体間のブレではない」という明確な説明でモヤモヤがスッキリしました。ありがとうございます。

>なおscRNA-seqの場合、コストの問題で1個体から十分に細胞が取れるときはn=1 eachで比較することもあるんじゃないかとは思います。

仮に1個体から取れる細胞数が少なくて、100個体に増やして、100個体から回収した細胞をまとめて1サンプルとしてscRNA seqする場合(そしてreplicateはなし。つまりn=1)は、個体間のブレは平均化されますが、やっぱり実験手技によるランダムな(信頼できない)遺伝子発現を見分けられない、

一方で1個体から回収した細胞でscRNA seqする場合、実験手技によるぶれ+その個体特異的な遺伝子発現が問題になると思われますが、(だから結局Bulk seqと問題は変わらない)、コストの観点からそれもしょうがない、ということでしょうか。事実AA先生がおっしゃるように、scRNA seqをreplicateなしで行う例も見たことがあります。

(無題) 削除/引用
No.11361-5 - 2023/04/12 (水) 13:44:02 - toto
おたずねの場合は、単にpoolしたサンプルの測定値がひとつということなのでbiological replicateとはいいません。またマウス個体の場合もnの意味が明確なので、そのようにはわざわざ書きません。biological replicatesと書くときは、培養細胞の実験で、何枚かのwellやdishを用いて行った場合で、これがtechnical replicatesではないという意味で論文に書いた方が良いこともあります。n=3とだけ書いてあっても、lysateの測定をtriplicateで行ったのか、それとも3つのlysateをそれぞれに測定したのかがわかりません。これらはjournalから記載を求められることもあります。

データの情報量という点で、例えば同じ100細胞のデータでも、プールした1つの平均値よりも、100個のシングルセルのデータの統計値のほうがずっと大きくなります。分布がもしかすると単純なガウス分布でなくて偏ったりあるいは複雑な分布を持つかもしれません。その情報はプールすると消えます。

プールしたデータが三つある場合、どうよぶのかですが、これは上と同じ考えでbiological replicateとよんでもいいのですが、たとえばRNAseqの場合だとなんだか紛らわしいので、3つのpoolしたサンプルをそれぞれに測定した、と書いたほうがいいです。これをtechincal replicateと間違える人はいないでしょう。

(無題) 削除/引用
No.11361-4 - 2023/04/12 (水) 12:54:29 - AA
大昔、病院の検査機器の精度管理に検査で余った検体を集めてプールしたものを使っていました。症状が無関係な検体を多数集めれば母集団(日本人全体)に近い数値を示す検体が出来るとの考え方で、これを使った結果が毎日一定の範囲内に収まるかどうかで機器の性能にドリフトが起きていないかなどを確認していました。
つまり、まとめた検体がその母集団の平均を反映することを期待するのは間違ってはいないと思います。

一方で、1検体のプール検体だけでは実験の試行ごとのブレが考慮できませんし、統計処理を行う都合上でもやはりreplicate自体は必要です。
この場合は複数回試行する目的が個体間のブレではないのでbiologicalな複製ではありません。(この辺は言葉遊びの感がありますが)
マウスでも微小な組織やソーティング細胞などだと複数個体から集めて1検体にすることはよくあると思います。
10個体から集めて1検体にしたものを各群3検体集めて比較なら、統計処理のときはn=3です。(文面ならそのままそのように記載します。)

なおscRNA-seqの場合、コストの問題で1個体から十分に細胞が取れるときはn=1 eachで比較することもあるんじゃないかとは思います。

(無題) 削除/引用
No.11361-3 - 2023/04/12 (水) 11:38:44 - abc
おお先生

大変ありがとうございます。
(Replicate 1というのはおかしな表現でした。)

培養細胞の例で思ったのですが、もし1万個の細胞をBulk RNA seqではなくてscRNA seqする、そしてこれを3回くり返すとした時、この場合も「Biolocial Replicate =3」と一般的に呼ばれるのでしょうか。

でもシーケンスはある意味3万回(1万回X3)行っているわけですよね。。

言葉の定義はおいておいて、プラクティカルなこととしては、scRNA seqの場合でも、"Replicate"なし(=例えば細胞を100個体から100細胞ずつ、合計1万細胞集めてscRNA seqを行うとしても、サンプリングの回数は野生型と変異体それぞれのグループで一回のみ、つまりscRNA seqのサンプルとしては野生型と変異体で1つずつ)とすると、サンプリングの過程で生じるバイアスを平均化できないので良くない、

という考えで良いでしょうか?ご教授いただけると幸いです。

(無題) 削除/引用
No.11361-2 - 2023/04/12 (水) 06:33:37 - おお
言葉の定義にはあまり興味がないですが、Replicateというからには表示された数のデーターが存在するものと思っています。ですから100匹分とって1つにまとめたら1しかやってないのでReplicate1というかReplicateすらしてない。

例えば培養細胞で1万個の細胞を回収してLysateを作った場合1万回繰り返したとは言いませんし。

お示しのショウジョウバエの例の場合基本的には平均化されるので各個体のバリエーションは吸収されて母集団の平均の値に近くなるといえるので、個体間のバリエーションはあまり考慮する必要はなくサンプリングの数は少なくていいという理屈は(特別な場合を除いて、と一応保険を掛けますが)そうだと思います。

複数個体から得た1サンプルのBiological Replicateの意味 削除/引用
No.11361-1 - 2023/04/12 (水) 05:23:38 - abc
非常に初歩的な質問で恐縮ですが、以下の例をお読みいただき、質問にご回答いただけると幸いです。
過去に同じ質問があったらすみません(その際はリンクを教えてくださると助かります)。

(マウスの例)
WTマウスと変異体マウスの脳のBulk RNA seqを行うとします。このとき、WTマウスと変異体マウスそれぞれ1匹ずつから、脳を取り出してBulk RNA seqを2サンプル(WTで1サンプル、変異体で1サンプル)で行った場合、Biological Replicateは1となりますよね。

(ショウジョウバエの例)
では、WTショウジョウバエと変異体ショウジョウバエの脳のBulk RNA seqを行うとします。1匹の脳では細胞数が少なくて解析に必要なRNA濃度に満たないので、野生型と変異体それぞれ100匹ずつから脳を回収して、Bulk RNA seqを2サンプル(WTで1サンプル、変異体で1サンプル、1サンプルが100匹分の脳)でおこなったとします。

お聞きしたいことは、
(1) ショウジョウバエの例でも、Biological Replicateは1と呼ぶのか

(2) もし呼ぶ場合、同じ「Biological Replicateは1」でも、その意味合いが異なると思います。例えばショウジョウバエの例では、「Biological Replicateが1」でも、得られた遺伝子発現レベルの違いは、マウスの例で起きうる「たまたま選んだ1匹の動物に由来する特殊なもの」が原因となる可能性は低いと思います。なので、ショウジョウバエの例ではBiological Replicateが2くらいでも十分信頼できる(サンプル作製過程やシーケンス過程で生じうる、生物内因的なものでないバラツキはショウジョウバエの例でも避けられないので、Replicateが2は必要)、一方マウスの例では、生物内因的なばらつきも加わるのでReplicateが3でも足りないくらい、と感じているのですが、この考えにおかしな点はありますでしょうか?

この考えが間違っているのか確認したく質問を投稿いたしました。

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