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分泌タンパク質のシグナルペプチドに関して トピック削除
No.11324-TOPIC - 2023/03/31 (金) 17:44:15 - ビギナー
こんにちは。
真核生物が有するセルラーゼなどのタンパク質の大腸菌異種発現を試みる際に、
シグナルペプチドを持つ場合は、一般的にはシグナルペプチドを除去した形で
クローニングすることが多いでしょうか。
最終的な目標が結晶化である場合は、シグナルペプチドのようなフレキシブルな
構造があると、結晶化が阻害されそうですが、シグナルペプチドを除去した
ことで立体構造の形成や機能発現において影響はないでしょうか。
おそらく、どちらも試せば分かることだと思いますが、経験上、機能解析を
目的とする場合どちらをファーストチョイスにするかお聞きしたいです。
また、酵母などの発現系において、真核生物由来のタンパク質 (シグナル
ペプチド付き) が菌体外に分泌された例は知っていますが、大腸菌発現系に
おいて、真核生物由来のシグナルペプチドにより、分泌発現されることは
あるでしょうか。
 
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(無題) 削除/引用
No.11324-15 - 2023/04/01 (土) 14:35:20 - おお
>[Re:3] ビギナーさんは書きました :
> おお様、返信ありがとうございます。
> 成熟した分泌タンパク質は、シグナルペプチドが除去されているから、機能解析を行う目的であれば、シグナルペプチドはいらないという意味でしょうか。
> 私が懸念していることは、シグナルペプチドがないことで、触媒ドメインの立体構造の形成には影響がでないかということです。
>

構造に関しては明言できません。想像だけで言うなら、シグナルペプチドは膜に繋ぎ留められていて折り畳みが進行するのは膜から出た空間と言ったモデルが示されている事が大抵。それを見る限りシグナルペプチドがフォールディングに関与しているようにみえないです。

実際色々なぶんぴつたんぱくが、シグナルペプチドを含まない状態で大腸菌内に発現させて、可溶画分に活性あるタンパクを発現出来たり、封入体を作るので変性させて可溶化して、renature したりとか、さまざまな方法をとっているのが現状です。

PMCID: PMC3553018
PMID: 23372793
IL-6
ペリプラズマと菌体内両方で発現したりして、菌体内では不溶画分になりがちなので、なるべく可溶化できる工夫をしている。菌体内はもちろんシグナルペプチドを含まない配列で発現させている。

PMID: 21086721
IL-2
シグナルペプチドなしで菌体内で発現。不溶画分にくるので変性してRenature

doi.org/10.1007/s12257-017-0060-0
IL-33のシグナルペプチドを除きTEV認識配列とGSTなどのタグで可溶性は高いものを探っている。


doi: 10.1038/s41598-022-22960-0
VEGF-C
色々やってる。まあ読んでくれ

PMID: 26176652
IL-30
アブストしか読めんがN末に可溶性に寄与するタグをつけて菌体内で発現させてるかな。


PMID: 18556814 DOI: 10.1007/s12010-007-8019-9
EGF
これはペリプラズマで発現させていて、CBBで確実に染まっているからまあまあの量がとれてるかな。

まあ考えてもほんとかどうか分からない、らしい結論が導き出せたらいい方なので、ペリプラズマ、菌体内、両方のコンストラクトを組んで、やって上手くいくものを選ぶと言うのが正攻法かもしれません。上記の論文のいくつかは、そう言う試行錯誤の過程まで公表してくれてます。

大腸菌でペリプラズマに発現したい時は、大腸菌のシグナルペプチドを成熟型の配列のN末につけるのが一般的でそれ用のプラスミドも売っています。

方法論的なことは生物学などでは曖昧な部分が多いので上記のように色々な例を調べながら、自分に合った方法論を考えるか、あり得るオプションを並行してやるのがこの分野の常套手段だと思います。これが正解とか言うのを追っていても正確に答える人はいないと思いますから。

(無題) 削除/引用
No.11324-14 - 2023/04/01 (土) 12:57:05 - おお
>[Re:9] ビギナーさんは書きました :
> 皆様、回答ありがとうございます。
>
> 例えば、難培養生物由来のタンパク質で由来生物からの抽出ができない、あるいはヒト細胞のように増殖が少なく必要量が確保できない場合は、大腸菌など異種発現系に頼らざる負えないのではないですか。
> また、大腸菌は他の発現系と比較して必要量確保できることが多く、安価でかつ簡便に実施できるので、ファーストチョイスとしては最適なのではないでしょうか。

Pichiaとか非常に効率がいいと聞くけどね。問題はセルラーぜがこのイーストにどれほど影響するか。もう一つ効率のいい発現系を上げるならバキュロかな。大腸菌ペリプラズマに発現させるのは収量と言う点ではふりだときいているけど。

(無題) 削除/引用
No.11324-13 - 2023/04/01 (土) 12:32:11 - おお
>[Re:11] あのさんは書きました :
>
>
> そういえば、植物にも、限定的なセルラーゼの発現ありますね
>
> https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1185

fungus や昆虫もかな。
http://juratfuenteslab.utk.edu/Insectcellulases.html

(無題) 削除/引用
No.11324-12 - 2023/04/01 (土) 12:20:16 - おお
>[Re:4] ビギナーさんは書きました :
> 加えて、以下の内容に関しても経験上ご存じの方がいたらお聞きしたいです。
>
> > 酵母などの発現系において、真核生物由来のタンパク質 (シグナルペプチド付き) が菌体外に分泌された例は知っていますが、大腸菌発現系において、真核生物由来のシグナルペプチドにより、分泌発現されることはあるでしょうか。

されたと言う話は聞いた事がありましたのでググりました。
https://www.jbc.org/article/S0021-9258(17)45473-1/pdf

ただ、完全にコンパチブルだと言う保証はありません。

(無題) 削除/引用
No.11324-11 - 2023/04/01 (土) 12:18:00 - あの


そういえば、植物にも、限定的なセルラーゼの発現ありますね

https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1185

(無題) 削除/引用
No.11324-10 - 2023/04/01 (土) 12:09:39 - あの
もちろんケースバイケースであることには異論はありません。

トピ主の書いていることには、詳細の記載が無いですから、
これ以上は、何とも言えないです。

(無題) 削除/引用
No.11324-9 - 2023/04/01 (土) 11:59:48 - ビギナー
皆様、回答ありがとうございます。

> 自分では経験ありませんが、立体構造の微細なところまで再現が必要なら、
できるだけ同種、あるいは近縁種の発現系を用いるべきでしょう。

そもそもの話にはなってしまいますがPDBに登録されているデータを見ると、ヒトのタンパク質であっても大腸菌を利用して発現させている例が多いので、この点はケースバイケースなのではないでしょうか。
例えば、難培養生物由来のタンパク質で由来生物からの抽出ができない、あるいはヒト細胞のように増殖が少なく必要量が確保できない場合は、大腸菌など異種発現系に頼らざる負えないのではないですか。
また、大腸菌は他の発現系と比較して必要量確保できることが多く、安価でかつ簡便に実施できるので、ファーストチョイスとしては最適なのではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.11324-8 - 2023/04/01 (土) 11:23:18 - おお
>[Re:6] あのさんは書きました :
> もっとも、セルラーゼの例の場合には、おそらく細菌由来でしょうけど。
植物かもね

(無題) 削除/引用
No.11324-7 - 2023/04/01 (土) 11:19:30 - toto
切断されるシグナルペプチドの場合は、シグナルペプチドが飜訳された時点で、小胞体膜にリクルートされてトランスロコンに入り、その中にペプチド鎖が通過して、内腔に出てきた時点ではじめてフォールディングがはじまります。それで、シグナルペプチドとそれ以降の成熟型ドメインのフォールディングは関係しません。

もう一つの件は、普通は、真核生物のシグナルペプチドが大腸菌でペリプラズムへの移行シグナルとして機能することはないです。前者はSRPが認識する構造で、後者とは異なる特徴を持ちます。ただ、もしかするとそういう例もあるかもしれないし、微量が出るということもあるのかもしれないですが、真核生物のシグナルペプチドを大腸菌内で発現させると、ほぼほぼinclusion body になります。

(無題) 削除/引用
No.11324-6 - 2023/04/01 (土) 10:42:05 - あの
もっとも、セルラーゼの例の場合には、おそらく細菌由来でしょうけど。

(無題) 削除/引用
No.11324-5 - 2023/04/01 (土) 10:26:18 - あの
自分では経験ありませんが、立体構造の微細なところまで再現が必要なら、
できるだけ同種、あるいは近縁種の発現系を用いるべきでしょう。

 かけ離れた大腸菌を使って、解析して、仮にセルラーゼ活性があったとしても、
基質と活性部位の結合性が同程度の保証は期待できるでしょうか?

 結晶化して 構造解析して何らかのデータが得られたとして、そのデータを解釈
するときに、困らないでしょうか?


自分なら、これらのリスクが考えられ、第三者である論文レフェリー等も簡単に同意できそうに
ないことはしないですが。

(無題) 削除/引用
No.11324-4 - 2023/04/01 (土) 10:00:50 - ビギナー
加えて、以下の内容に関しても経験上ご存じの方がいたらお聞きしたいです。

> 酵母などの発現系において、真核生物由来のタンパク質 (シグナルペプチド付き) が菌体外に分泌された例は知っていますが、大腸菌発現系において、真核生物由来のシグナルペプチドにより、分泌発現されることはあるでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.11324-3 - 2023/04/01 (土) 09:59:16 - ビギナー
おお様、返信ありがとうございます。
成熟した分泌タンパク質は、シグナルペプチドが除去されているから、機能解析を行う目的であれば、シグナルペプチドはいらないという意味でしょうか。
私が懸念していることは、シグナルペプチドがないことで、触媒ドメインの立体構造の形成には影響がでないかということです。

(無題) 削除/引用
No.11324-2 - 2023/04/01 (土) 04:24:12 - おお
あなたの対象とするたんぱくのシグナルペプチドはEndogenusな発現において、切断されていないのでしょうか?

マチュアー分泌たんぱくはすでに切断されている場合が多いように思いますが、

分泌タンパク質のシグナルペプチドに関して 削除/引用
No.11324-1 - 2023/03/31 (金) 17:44:15 - ビギナー
こんにちは。
真核生物が有するセルラーゼなどのタンパク質の大腸菌異種発現を試みる際に、
シグナルペプチドを持つ場合は、一般的にはシグナルペプチドを除去した形で
クローニングすることが多いでしょうか。
最終的な目標が結晶化である場合は、シグナルペプチドのようなフレキシブルな
構造があると、結晶化が阻害されそうですが、シグナルペプチドを除去した
ことで立体構造の形成や機能発現において影響はないでしょうか。
おそらく、どちらも試せば分かることだと思いますが、経験上、機能解析を
目的とする場合どちらをファーストチョイスにするかお聞きしたいです。
また、酵母などの発現系において、真核生物由来のタンパク質 (シグナル
ペプチド付き) が菌体外に分泌された例は知っていますが、大腸菌発現系に
おいて、真核生物由来のシグナルペプチドにより、分泌発現されることは
あるでしょうか。

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