>[Re:3] ビギナーさんは書きました :
> おお様、返信ありがとうございます。
> 成熟した分泌タンパク質は、シグナルペプチドが除去されているから、機能解析を行う目的であれば、シグナルペプチドはいらないという意味でしょうか。
> 私が懸念していることは、シグナルペプチドがないことで、触媒ドメインの立体構造の形成には影響がでないかということです。
>
構造に関しては明言できません。想像だけで言うなら、シグナルペプチドは膜に繋ぎ留められていて折り畳みが進行するのは膜から出た空間と言ったモデルが示されている事が大抵。それを見る限りシグナルペプチドがフォールディングに関与しているようにみえないです。
実際色々なぶんぴつたんぱくが、シグナルペプチドを含まない状態で大腸菌内に発現させて、可溶画分に活性あるタンパクを発現出来たり、封入体を作るので変性させて可溶化して、renature したりとか、さまざまな方法をとっているのが現状です。
PMCID: PMC3553018
PMID: 23372793
IL-6
ペリプラズマと菌体内両方で発現したりして、菌体内では不溶画分になりがちなので、なるべく可溶化できる工夫をしている。菌体内はもちろんシグナルペプチドを含まない配列で発現させている。
PMID: 21086721
IL-2
シグナルペプチドなしで菌体内で発現。不溶画分にくるので変性してRenature
doi.org/10.1007/s12257-017-0060-0
IL-33のシグナルペプチドを除きTEV認識配列とGSTなどのタグで可溶性は高いものを探っている。
doi: 10.1038/s41598-022-22960-0
VEGF-C
色々やってる。まあ読んでくれ
PMID: 26176652
IL-30
アブストしか読めんがN末に可溶性に寄与するタグをつけて菌体内で発現させてるかな。
PMID: 18556814 DOI: 10.1007/s12010-007-8019-9
EGF
これはペリプラズマで発現させていて、CBBで確実に染まっているからまあまあの量がとれてるかな。
まあ考えてもほんとかどうか分からない、らしい結論が導き出せたらいい方なので、ペリプラズマ、菌体内、両方のコンストラクトを組んで、やって上手くいくものを選ぶと言うのが正攻法かもしれません。上記の論文のいくつかは、そう言う試行錯誤の過程まで公表してくれてます。
大腸菌でペリプラズマに発現したい時は、大腸菌のシグナルペプチドを成熟型の配列のN末につけるのが一般的でそれ用のプラスミドも売っています。
方法論的なことは生物学などでは曖昧な部分が多いので上記のように色々な例を調べながら、自分に合った方法論を考えるか、あり得るオプションを並行してやるのがこの分野の常套手段だと思います。これが正解とか言うのを追っていても正確に答える人はいないと思いますから。 |
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