いつも勉強させていただいております。
私はHEK293T細胞を使って、His6タグを付加させた組換え分泌タンパク質(35 kDa)を発現させ、その培養上清(無血清OPTI-MEM1)からNi-NTAアガロースを用いて精製を試みています。
培養上清をそのままCBB染色をすると遺伝子導入していないコントロールでは見えず、導入した方ではしっかり見えているような発現・分泌効率のよいタンパク質です。
この培養上清30 mlに、100 mM Tris, pH 8.5で平衡化したNi-NTAアガロースを1 ml加え、更に終濃度5 mM Imidazoleを加えて、バッチ法にて50 mlチューブ内で4度、穏やかに転倒混和させながら一晩インキュベートさせました。
その後、ディスポのカラムにアガロースごと全量流し込み、排出させたのち、20 ml程度の5 mM Imidazole in 100 mM Tris, pH 8.5で洗ったのち、250 mM Imidazole in 100 mM Tris, pH 8.5を1 mlで5回溶出(計5 ml)を試み、各溶出液分画のOD280を測定しました。
OD280の結果は、
0.050
0.068
0.058
0.035
0.025
でした。
全く精製できていませんでした。確認のため、非結合分画のCBBをinputの隣に流し、CBB染色を行うと、inputで見えていたバンドがすっかり非結合分画から消えていたので、次の可能性を考えています。
1. 20 ml程度の5 mM Imidazole in 100 mM Tris, pH 8.5で洗った際に、カラムから溶出されてしまった。
2. 溶出が不完全で、溶出液を加えてから数時間、インキュベートなどする必要があった?
を考えています。
当方、Fcタンパク質の精製はよく行っていますが、Hisタグタンパク質の精製は経験が浅いです。
皆様の洗浄と溶出する際の方法につき、私の不適切なステップ等をご指摘いただけましたら幸いです。
どうか、よろしくお願いいたします。 |
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