>み さん
返信ありがとうございます。
「先人の残した全ての情報」には過去のその方の論文、並びに関連論文も含めており、それらを統合した情報が前述の記載となっております。(一応、一番近い先人の方に連絡は取ったのですが、具体的なアドバイスは現在のところいただけておりません)
>胎仔組織バラすとき普通はパパインやAccutaseなどマイルドな酵素使用する。物理的にバラすと手技によってはダメージ入っているでしょう。
仰る通り酵素を利用して組織をほぐす方法がメジャーであることは承知しております。先人はなぜ酵素を利用しない方法を採用したのかは正直定かではございませんが(一説によれば物理的にほぐす方法を利用すると神経細胞偏向的(?)に細胞死を誘導することができ、幹細胞・前駆細胞の割合を相対的に増やすことができるとか云々)、そのダメージを低減させる為の肝が「十分に冷やした後」ということだそうです。確かに十分に冷やしたものとそうでないものを比較すると生存細胞数で差が出ているのかなという実感はあります。
>継代前は増殖しているようですが、分裂終了細胞の割合が高くなっている可能性は否定できない。いったんニューロンに分化したら剥がすと死にます。
EGF,bFGFがあれば分化阻害されますが、枯渇すると分化方向に傾くでしょう。わざわざLIFを加える方法もある。万能ではないですが、、、
成長因子の枯渇に関しては前述の方法では正確に記載しておりませんでした。成長スピードに依存して状況は変わりますが、 2-3日に一回成長因子を含んだ培地を利用して全体の半量、培地交換を行っております。「毎日成長因子を追加+2−3日に一回の培地交換(半量)」する方法と「単純に2−3日に一回の培地交換(半量)」の方法があるようですが、後者の方法を採用しています。継代後に細胞がかなり死んでしまうことを考慮すると、やっぱり成長因子がかなり劣化してきてしまっているのでしょうか。新規の購入を検討したいと思います。LIFを追加している方法も散見されるのですが、そこまで劇的に効果はみられないのでしょうか。。
>増殖維持培養にN2加えますか?昔はニューロンへの分化にN2、この20,30年はB27にとってかわられていますが添加します。
N2、B27共に未分化維持、分化誘導に使用すると記載している文献があり、正直役割分担が理解できておりません。正確に役割について比較検討している文献がございましたらご教授願えればと思います。
>DMEM F12はグルタミン不含ですか?Glutamax添加しているようなのでその辺り確認しないと実は2倍量入っているかも。
GibcoブランドのDMEM/F-12, GlutaMAX supplement (#10565018)というものを利用しております。Media formulationの記載を見る限り大きく問題はないのかなと思いますが、いかがでしょうか。
>ラミニンコートだけでもある程度、分化方向に進む細胞がいると思う。うちでは浮遊スフェアで増殖維持している。
仰る通り、ラミニンコーティングで分化が誘導されてしまう報告は理解しております。ただ十件の都合上、浮遊状態のニューロスフィアの利用はなるべく避けたいと思っています。他のポリリジンなどのコーティングも実は試してみましたが、どうやら原因はここではないようです。。
次に続きます。 |
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