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トランスフェクション後のタンパク質の活性がない トピック削除
No.11237-TOPIC - 2023/02/27 (月) 11:15:32 - もう3月
HEK293T細胞に15kDa程度のタンパク質をトランスフェクションして活性を見たいのですが、ウェスタンブロットで見るとバンドは出ているものの、in vitroのアッセイ系で活性を測定すると全く活性が出ず困っております…

実験は
・24ウェルプレートにサブコンフルのHEK293T細胞に目的タンパク質-DYKタグ入りpcDNA3.1をリポフェクションでトランスフェクション(TransIT293,培地:OptiMEM+4% FBS)
・培地交換はせずに48~72 h後に上清とRIPA処理後の細胞溶液を回収
・ウェスタンブロットでタンパク質発現を確認、上清で活性を測定
という流れです(本法については既報が複数ある確立済の方法です)。

結果として
・ウェスタンブロットではトランスフェクション非処置と比較して顕著に濃いバンドが得られています
・上清を用いたアッセイでは非処置群と全く変わらない活性値
・目的遺伝子をCRISPRでKO後クローン単離した293T系統へトランスフェクションしてもバンドは復活するが活性が回復しない
という状況です。

プラスミドは外注品(出荷時シークエンス波形データ付き)で変異が入っていない事は(出荷時には)確認しています。
また、懸念事項として使用している293T細胞は補因子となる別の遺伝子を含むpcDNA3.1を安定発現した株を使用しています。
大腸菌等では同じプロモーターを含む複数プラスミドの導入はそれぞれの発言に干渉する、というような記載もありましたが影響などあるのでしょうか?(ウェスタンの結果を見る限り発現はしているのですが…)

明確な答えでなくとも何か可能性がある事があればご教示いただけますと助かります、よろしくお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.11237-10 - 2023/02/28 (火) 02:29:25 - おお
>[Re:9] もう3月さんは書きました :
> おお様
>
> ご丁寧にありがとうございます、それを聞くとやはりウェスタンではバンドが確認できているのに活性がないのは発現させすぎ説が現状有力かなという印象です。

個人的には可能性は高いと思っていますが、そういうことをまあまあの頻度で聞くという話であってそういう観点から集めた話をしているとも言えます。他の可能性なども考えながら色々と予備的にやっていくのがよろしいかと思います。

(無題) 削除/引用
No.11237-9 - 2023/02/27 (月) 17:46:41 - もう3月
おお様

ご丁寧にありがとうございます、それを聞くとやはりウェスタンではバンドが確認できているのに活性がないのは発現させすぎ説が現状有力かなという印象です。
今までタンパク質は機能解析の応用研究ばかりで基礎的な局在のメカニズム等は全く意識してこなかったので改めて教科書レベルの勉強が必要だなと思いました。

(無題) 削除/引用
No.11237-8 - 2023/02/27 (月) 17:30:34 - おお
ERで合成されるタンパクはシグナルペプチドを持っていて、小胞体内腔露出する部分は糖鎖修飾を受ける事がしばしばあります。糖鎖修飾はつけたら完成ではなく、小胞から移動するにつれたトリミングやモディフィケーションを特異的な場所で受けながら移動していきます。このような修飾酵素のキャパシティーはあまり高くなく過剰発現では滞ってしまう事があり、それに伴う移動が抑制されてしまうと言う話をよく聞きます。

加えて、最終的なdestination についてはアミノ酸配列がコードしている事もよくあります。そのタンパク自身でなくとも、そのタンパクに結合するタンパクにそういうコードがある場合もあるでしょう。


まあざっくりとしかかけませんが、タンパクの局在のメカニズムに関してはテキストによっては相当なページ数を割いているものも多いと思いますので、生化学や細胞生物学みたいな本を一度目を通しておくといいでしょう。

(無題) 削除/引用
No.11237-7 - 2023/02/27 (月) 16:30:48 - もう3月
みなさまご丁寧にありがとうございます、大変助かります。

>>元々バイオマーカーの放出量が飽和状態
これ自体はあり得るかもしれません(バイオマーカーもpcDNA3.1で安定発現している)。
ただ標的タンパク質の発現によりバイオマーカーは放出量が増えるのではなく翻訳後修飾で活性を獲得するタイプなので活性の上昇は少しは出るのが自然かなと思います。また、仰せの通り標的タンパク質KO後の細胞(分泌あり、活性0)に再トランスフェクションしても活性が1ミリも増加しないのが不自然なところです。


>>膜タンパクや分泌されるタンパクなどで顕著に現れる
そうなんですね、細胞自体はバイオマーカーの安定発現及び標的タンパク質のKOをしている293Tがありこれを一から作り直すのがかなり手間なためSV40ori無しプラスミドで再度試してみようと思います。
取り急ぎ今のpcDNA3.1の添加量を減らして試してみます(現状は24ウェルに対しメーカー推奨の0.5µg/1wellでプラスミドを添加しています。)

ちなみに基礎知識で申し訳ないのですが、プラスミド自体にはタンパク質の局在を示す情報は無いと思うのですが細胞はどのように発現タンパク質の局在を認識しているのでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.11237-6 - 2023/02/27 (月) 14:00:58 - おお
>[Re:4] もう3月さんは書きました :
> 早速のご返答ありがとうございます!

> 特にいただいたご意見の「過剰発現のために局在するべきところに運ぶメカニズムが飽和」等がありえるかなと思ったのですがそこの調整などはあまり知識がありません。
>

これは膜タンパクや分泌されるタンパクなどで顕著に現れる事があります。昔この板で、293TとpCDNA3の組み合わせで確か分泌タンパクを発現させたけど上手く行かなかったという相談がありました。この細胞とプラスミドの組み合わせはプラスミドのエピソーマルな増幅がかかるので、発現量が細胞のキャパを超える事が結構起こります。エピソーマル増幅がかからないようにSV40oriのないプラスミドを使うことを提案しましたが、それで上手くいったようです。あるいLargeT antigen を発現していない細胞を使うとか。

(無題) 削除/引用
No.11237-5 - 2023/02/27 (月) 13:59:16 - 774R
元々バイオマーカーの放出量が飽和状態で、追加で発現させても増加が見込めないという可能性。
KO細胞にトランスフェクションしたら当然増加が見込めるはずなのですが、それはどうですか?

(無題) 削除/引用
No.11237-4 - 2023/02/27 (月) 13:44:34 - もう3月
早速のご返答ありがとうございます!!

>>Lysateの調製は大丈夫か?
今回の標的タンパク質は本来は小胞体膜タンパク質で、活性はこのタンパク質の働きで細胞外に分泌されるタンパク質をバイオマーカーとして測定するため、バイオマーカーが含まれる細胞培養液を用いて測定しています。
このため上清を用いたアッセイの活性が無い事についてLysateの調製法の寄与度は低いかと思います。

>>アッセイ系(ポジコン・ネガコン)は大丈夫か?
こちらはルーチンで実施しており、全て問題ないはずです(無処置293T自体の内因性の活性は検出できており、KO後293Tの活性はバックグラウンドレベルまで低下しています→この双方でトランスフェクション後の活性上昇が認められません)


上記の通り発現タンパク質は小胞体膜タンパクで、また、活性にタンパク質内でのジスルフィド結合の形成が必要なのですが、これを哺乳類培養細胞に一過性に発現させる際、注意事項などあるのでしょうか…?
特にいただいたご意見の「過剰発現のために局在するべきところに運ぶメカニズムが飽和」等がありえるかなと思ったのですがそこの調整などはあまり知識がありません。


既報(Nature姉妹紙も含む)では特筆点なく、標的タンパク質を一般的な試薬でトランスフェクションしているのでそこまで難しい話ではないのかなとも思っていたのですが…

(無題) 削除/引用
No.11237-3 - 2023/02/27 (月) 12:23:24 - あの
念のための確認ですが、
活性の測定法のための、ポジコンやネガコンは大丈夫ですか?

(無題) 削除/引用
No.11237-2 - 2023/02/27 (月) 12:21:21 - おお
CRISPRでKO後クローン単離した293Tと通常の293TまたはMockKOで比べて活性が見れますか?

過剰発現のために局在するべきところに運ぶメカニズムが飽和したりして局在がうまく行ってないとかありますか?

そのAssayのポジコンはありますか?よく発現している細胞や組織のLysateなどで活性は見れてますか?またリコンビナントのタンパクでAssay系がくめますか?

Lysateの作り方は妥当ですか?デタージェントが悪さしているとか、いちお溶けていそうだけど何らかの大きなタンパクの塊になっていてうまくDissociationしてないとか、膜タンパクであるため膜に埋まっていたり、その中での配置、トポロジーが活性に重要だとか。

そのタンパクが局在するコンパートメントをフラクショネーションできませんか(たとえばP450だったらマイクロソームフラクションを取ってきますよね。)?

細胞のLysateを作らずに、細胞でアッセイする方法はありませんか?

タグが邪魔してませんか?

トランスフェクション後のタンパク質の活性がない 削除/引用
No.11237-1 - 2023/02/27 (月) 11:15:32 - もう3月
HEK293T細胞に15kDa程度のタンパク質をトランスフェクションして活性を見たいのですが、ウェスタンブロットで見るとバンドは出ているものの、in vitroのアッセイ系で活性を測定すると全く活性が出ず困っております…

実験は
・24ウェルプレートにサブコンフルのHEK293T細胞に目的タンパク質-DYKタグ入りpcDNA3.1をリポフェクションでトランスフェクション(TransIT293,培地:OptiMEM+4% FBS)
・培地交換はせずに48~72 h後に上清とRIPA処理後の細胞溶液を回収
・ウェスタンブロットでタンパク質発現を確認、上清で活性を測定
という流れです(本法については既報が複数ある確立済の方法です)。

結果として
・ウェスタンブロットではトランスフェクション非処置と比較して顕著に濃いバンドが得られています
・上清を用いたアッセイでは非処置群と全く変わらない活性値
・目的遺伝子をCRISPRでKO後クローン単離した293T系統へトランスフェクションしてもバンドは復活するが活性が回復しない
という状況です。

プラスミドは外注品(出荷時シークエンス波形データ付き)で変異が入っていない事は(出荷時には)確認しています。
また、懸念事項として使用している293T細胞は補因子となる別の遺伝子を含むpcDNA3.1を安定発現した株を使用しています。
大腸菌等では同じプロモーターを含む複数プラスミドの導入はそれぞれの発言に干渉する、というような記載もありましたが影響などあるのでしょうか?(ウェスタンの結果を見る限り発現はしているのですが…)

明確な答えでなくとも何か可能性がある事があればご教示いただけますと助かります、よろしくお願いします。

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