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Flagタグタンパク質の精製について トピック削除
No.11234-TOPIC - 2023/02/25 (土) 15:45:49 - Flag
お世話になります。
大腸菌の可溶性画分からFlagつきの組換えタンパク質を精製予定です。
Flagタグを利用した精製は初めてです。(ライセートからのFlagタンパクのIPではよくやっています。)

これまでタンパク質精製ですとHisタグとIgGFcタグを使ってきましたが、Flagは初めてです。
手元にanti-Flag-agaroseがあります。
マニュアルではこれを使って精製できるとのことです。

これに関しまして三つ質問させてください。

1.
binding capapcityが書かれておらず、たとえば1 mgのFlagタンパク質を精製したい場合、1 mgほどのanti-Flagがついたビーズをもちいるべきでしょうか?
そうなるとかなりのコストがかかります…

2.
3x Flagペプチドでの溶出予定ですが、効率はいかほどでしょうか?

3.
ペプチド溶出後のagaroseは更に酸で洗うことでペプチドを解離させ、結果的にビーズを再利用することは可能でしょうか?

どうかご教授いただけましたら幸いです。
 
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(無題) 削除/引用
No.11234-9 - 2023/03/02 (木) 03:53:45 - おお
レクチンアガロースは特異的な糖鎖をターゲットにしたもので、そういったたぐいのタンパクにはよく使われます。それぞれのタンパクで使ったときの収量はわかりませんが、同じタンパクでも糖鎖修飾にバリエーションがあればつかないものもあって不思議ではないです。

培養上清や血清などでよくやられるのはヘパリンカラムでサイトカインなど細胞外マトリクスの一種であるヘパリンに親和性があることを利用して吸着して回収する方法です。これでついてもつかなくてもものがあるフラクションをイオン交換などで更に精製するなどして、サイトカインなど活性のあるフラクションを探っていったりするというのが新規サイトカインなどの模索でやられてきた一つの手法だったと記憶してます。ちなみにヘパリンは非常に強くネガティブにチャージされていますのでDNAやRNAのリン酸の部分を認識するDNAやRNA結合タンパク質を吸着しやすくそういったタンパクの精製にも使われています。

前回の回答でゲルろ過とイオン交換のコンビネーションを書きましたゲルろ過はしっかりとしたカラムを立てて、カラムに対するサンプルのボリュウムもかなり制限されますので結構しっかりやらないと行けないかもしれません。かわりにHydroxyapatiteゲルを使うてもあるかもしれません。一応リン酸による陽イオン交換とも言えるかもしれませんがもうちょっと複雑でCaなどの関わってきたりするせいか、通常の陽イオン交換ゲルより色々なタンパク質を吸着します。バッチ吸着でごそっと拾って、ステップワイズで溶出してもののあるフラクションをDEAEなりQAEなりにかけるといった流れがシンブルでいいかもしれません。吸着の具合でその逆がいいタンパクもあるかもしれませんけど。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6249711/

ちなみにDEAEやQAEどちらでもいいと申し上げましたが、実際そうは思っているのですが、QAEのほうが強いのでDEAEにつかないタンパクだった場合QAEのほうが良かったかなぁと思うケースも出てくるかもしれないなぁと後で思った次第です。ちなみに付かないというのはある意味そこそこうまく行った精製法で、それはつくタンパクはごっそり除けるからです。そういう意味でも2種類ぐらいカラムを通すストラテジーは色々なケースでワークするとも言えるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.11234-8 - 2023/03/01 (水) 19:42:47 - 独り言
in vitroで結合確認するために、大腸菌からタンパク質精製するなら、GSTとかHisタグで精製するのが、安価で大量にえれます。

Flagは、目的タンパク質が発現量高くなかったりすると、ますますお金がかかります。個人的には、大腸菌からFlagビーズで精製するのは見たことない。


大腸菌ライセートをカラムかけてから、HisなりGSTで精製できればベストですし、
結合を見るだけなら、ライセートからHisなりGSTで直接精製しても、結合実験はできるでしょう。

(無題) 削除/引用
No.11234-7 - 2023/03/01 (水) 19:38:58 - Flag
おお先生、

大変詳しく説明してくださり、ありがとうございました。

「2種類以上の違ったカラムを通すことで精製度を上げたりというのが常套手段ではある」
ということを聞けたことは本当に有益な情報です。

大腸菌由来のものではないのですが、哺乳類動物にて分泌させた培養上清がありましたので、陰イオン交換担体が届く前に手元にある手段として何が活用できるか調べて行ってみました。

さっそくなのですが、WGAレクチンアガロースがありましたので、それをpacked 30 ulと、培養上清1 mlとを室温で2時間混和し、その後、アガロースビーズをPBSで洗浄後、SDSサンプルバッファーで溶出してみました。

すると、レクチンアガロースと混和する前のinputのCBB染色では欲しいモノが50%で存在するのに対し、WGAアガロースビーズと混和後の溶出サンプルはほぼ100%目的のモノになっていました。とても驚きました。ただ、unbound分画を見ると、inputの2割減といったところでした。

以上のことから、WGAビーズは目的のモノを高い精度で精製することが可能であるか、その効率は良くない、という印象です。今、培養上清を50 mlほどありますので、そこから全てを精製しようとなると、一体どれだけのWGAアガロースが必要なんだろうかとか、もっと結合効率を高める工夫はないだろうか、など考えています。もしかしたらWGAビーズの前にPBSなどに透析してフリーの糖を除く操作をした方がいいのかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.11234-6 - 2023/03/01 (水) 08:21:05 - おお
イオン交換は陰イオン交換樹脂がよく使われます。陽イオン交換ではつかないタンパクも多いようです。種類としてはDEAEとかQAEでいいかと思います。
一つの懸念はイオン交換で目的のタンパクと同じ挙動を示す関係のないタンパク質がある可能性です(目的のものが効率よく発現していてしっかりと濃縮された状態で溶出できるなら気にならない程度になるでしょうけど)。なので少し工夫できるように考えておくといいでしょう。生化学的な研究から入った私は2種類以上の違ったカラムを通すことで精製度を上げたりというのが常套手段ではあると思っていますが、生化学でタンパク精製一本槍で研究する人は構造などを見ている人ぐらいかと思いますので、あれこれとカラムを立てているラボも少ないと思いますがいくらか選択肢を考えておくといいかもしれません。イオン交換とゲルろ過のコンビネーションであれば結構きれいになるだろうなという気がします。

(無題) 削除/引用
No.11234-5 - 2023/02/28 (火) 22:53:00 - Flag
おお先生、独り言先生

大変お世話になっております。
また、コメントをいただき、誠にありがとうございます。

これまで哺乳動物細胞でのタンパク質発現としてFlagタグを使用していました。
何も疑うことなく、同じことを大腸菌で行っていた、というのが正直なところです。
哺乳動物細胞では細胞に過剰発現させ、Flagビーズでプルダウン後、興味あるタンパク質を質量分析で同定していました。
そこでその結合をインビトロで確認するために、大腸菌で発現精製を行おうとしていました。
疑うことすらしなかったこと、とても恥じています。

イオン交換クロマトのこと勉強していました。
原理はわかったのですが、クロマト担体は購入する必要がありそうです。
それが入手すればスモールスケールでNaCl濃度を振り、どの分画で溶出されるかを行えそうです。

どうしてもわからないことが一つあり、それに関してコメントをいただけたら幸いです。
私のタンパク質が陰イオン交換担体に結合するのか、それとも陽イオン交換担体に結合するのかは、両方やってみないとわからないというのが答えでしょうか?両方の担体を購入する必要がありますでしょうか。

昔、QAEという陰イオン交換担体を先輩が使っていたのを当時は見ていただけですが覚えています。塩で洋酒流していました。

おすすめの担体がありましたらご教示いただけましたら幸いです。
当方、生化学実験に長けてるラボではありませんので、オープンカラムを使ったマニュアルでのクロマトを行えればと思っています。

質問に質問を重ねてしまい恐縮ですが、どうかよろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.11234-4 - 2023/02/28 (火) 10:59:44 - 独り言
SigmaのFlag M2だと
0.6 mg/mL, resin binding capacity (FLAG-BAP)
と書かれており、
さらに
Flag peptideによる溶出効率が50%ほどと仮定して、

さらに
Flag peptideを除くための過程を考えると、

目的タンパク質1mgを精製するためには、Flag ビーズが2-3mlは必要なのでは。
価格としては1回5−10万円ほど。なかなか高い。


なぜに大腸菌からFlagなのでしょう。

(無題) 削除/引用
No.11234-3 - 2023/02/26 (日) 04:16:11 - おお
mgオーダーのタンパクなら個人的にはイオン交換クロマトとか考えちゃうけどね。アフィニティーカラムしか頭にないのだろうかと思うこともある。

(無題) 削除/引用
No.11234-2 - 2023/02/26 (日) 04:11:04 - おお

ab270704
Binding Capacity>1mg DYKDDDDK fusion protein/mL medium


A2220 Millipore
capacity
>0.6 mg/mL, resin binding capacity (FLAG-BAP)

M8823 Millipore
capacity
≥0.6 mg/mL binding capacity

Pierce Anti-DYKDDDDK Affinity Resin
Catalog number: A36801
Binding capacity: ≥3.0 mg DYKDDDDK-tGFP-His protein (∼32 kDa)/mL settled resin

Thermo Scientific
Pierce Anti-DYKDDDDK Affinity Resin
のWebサイトにはターゲットのタンパクを酸で溶出して7回ぐらい再利用できたとあります。

Flagタグタンパク質の精製について 削除/引用
No.11234-1 - 2023/02/25 (土) 15:45:49 - Flag
お世話になります。
大腸菌の可溶性画分からFlagつきの組換えタンパク質を精製予定です。
Flagタグを利用した精製は初めてです。(ライセートからのFlagタンパクのIPではよくやっています。)

これまでタンパク質精製ですとHisタグとIgGFcタグを使ってきましたが、Flagは初めてです。
手元にanti-Flag-agaroseがあります。
マニュアルではこれを使って精製できるとのことです。

これに関しまして三つ質問させてください。

1.
binding capapcityが書かれておらず、たとえば1 mgのFlagタンパク質を精製したい場合、1 mgほどのanti-Flagがついたビーズをもちいるべきでしょうか?
そうなるとかなりのコストがかかります…

2.
3x Flagペプチドでの溶出予定ですが、効率はいかほどでしょうか?

3.
ペプチド溶出後のagaroseは更に酸で洗うことでペプチドを解離させ、結果的にビーズを再利用することは可能でしょうか?

どうかご教授いただけましたら幸いです。

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