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2つのmonoclonal抗体がおんなじHCをもつことがあるのか トピック削除
No.11195-TOPIC - 2023/02/11 (土) 03:18:10 - May
題のようにある会社にモノクローナル抗体を作ってもらいました。
全部で6つピックアップしてもらったところ、5つは同じで合計2つのモノクローナル抗体が同定されました。
この配列を調べてもらったところ、この2つのモノクローナル抗体のHCが全く同じヌクレオチド配列で同じアミノ酸でした。LCは異なります。
このようなことが実際に起きえるのかがわかりません。
この会社の解釈としては以下のように言われています。
very dominant epitope driving much of the immune response and B cell selection
超変異とかを起こしているようなら少なくとも多少は違いがありそうですが、もし経験がございましたらお教えください。
 
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(無題) 削除/引用
No.11195-14 - 2023/02/15 (水) 03:09:51 - May
2MEさん、

さらに詳細にご教示いただきありがとうございます。
知らないことが多く勉強不足を痛感しております。
この抗体はハイブリドーマからとられています。
ハイブリドーマ培養上清を使ってのELISAは行っていただきました。
その後LEMコンストラクション(Linear Expression Modules)ということを行っていただき、抗体を産生するプラスミドを作ってもらいました。そのプラスミドを293Fにトランスフェクションした後の上清もELISAで確認してもらっていますので、確かにこの2つのモノクローナル抗体はエピトープを認識すると思いますが、最後に手違いが本当になかったかを聞いています。
現在ラボでこの抗体を発現させ、自分でELISAを行ってみる予定です。
今回の件、大変勉強になりました。
ありがとうございました。


>[Re:13] 2MEさんは書きました :
> 追伸で申し訳ない。
>
> 通常、B細胞はアレル排除 allelic exclusionにより片アレルの免疫グロブリンしか発現しないことになっているが、ハイブリドーマによっては、両アレル発現 biallelic expressionすることも知られている。
> メカニズムとしては、片アレルのサイレンシグでアレル排除されるが、ハイブリドーマによってはサイレンシングが外れて両アレル発現される、という仮説がある。
> メカニズムはともかくとして、ハイブリドーマによっては1クローンから2種類のH鎖のcDNA、あるいは2種類のL鎖のcDNAが取れてしまうことがある。その頻度はパートナー細胞にも依存するが、意外とあると思った方がよい。私も経験がある。ああ、マウスの話だけれども。ウサギもそうかもしれない。
>
> ともかく、きちんとした業者ならばハイブリドーマの両アレル発現のことは知っており、対処方法も知っている。しかし業者によっては知ってか知らずか、そこまで見ない業者もある。だから「各クローンのcDNAが取れました。H鎖が同一でL鎖が別ですが、うちの仕事はここまでです。はい終わり」というふざけた業者もある。
>
> まあ、とにかく業者に問い合わせることですね。

(無題) 削除/引用
No.11195-13 - 2023/02/14 (火) 09:07:06 - 2ME
追伸で申し訳ない。

通常、B細胞はアレル排除 allelic exclusionにより片アレルの免疫グロブリンしか発現しないことになっているが、ハイブリドーマによっては、両アレル発現 biallelic expressionすることも知られている。
メカニズムとしては、片アレルのサイレンシグでアレル排除されるが、ハイブリドーマによってはサイレンシングが外れて両アレル発現される、という仮説がある。
メカニズムはともかくとして、ハイブリドーマによっては1クローンから2種類のH鎖のcDNA、あるいは2種類のL鎖のcDNAが取れてしまうことがある。その頻度はパートナー細胞にも依存するが、意外とあると思った方がよい。私も経験がある。ああ、マウスの話だけれども。ウサギもそうかもしれない。

ともかく、きちんとした業者ならばハイブリドーマの両アレル発現のことは知っており、対処方法も知っている。しかし業者によっては知ってか知らずか、そこまで見ない業者もある。だから「各クローンのcDNAが取れました。H鎖が同一でL鎖が別ですが、うちの仕事はここまでです。はい終わり」というふざけた業者もある。

まあ、とにかく業者に問い合わせることですね。

(無題) 削除/引用
No.11195-12 - 2023/02/13 (月) 21:16:47 - 2ME
>[Re:11] Mayさんは書きました :
> 情報を小出しにして申し訳ないのですが、この抗体はラビットのmonoclonal抗体です。

抗体の塩基配列は秘匿したいでしょうから、この掲示板でこれ以上開示する必要はありません。

ラビットであれば、SHMのほかに遺伝子変換(gene conversion)が知られていて、塩基配列がかなりドラスティックに変化します。したがって繰り返しの説明で恐縮ですが、生理的には同じナイーブB細胞に由来する2つの形質細胞のH鎖が同じであり、L鎖(κ鎖)が大きく異なるということは、可能性としてはあり得ます。

一方、生理的な意味ではなく、技術的なことを言えば、ラビットのモノクローナル抗体の作成方法は、ハイブリドーマ法とは限らないので、その手法によって、L鎖が異なりH鎖が同一であるという状況の説明が異なります。

要するに、ヒューマンエラーの疑いが拭えないということです。

手法にもよりますが、サンプル取り違えやクロスコンタミのリスクが高くなることがあります。抗体受託会社がサンプル取り違えやクロスコンタミをしたとはあまり考えたくないですが、人間のすることですから、その可能性は否定できません。その件は、業者に問い合わせていますか?

つまり、実際にリコンビナントとして抗体タンパク質を発現し、ELISAやBiacoreなど、正しく抗原抗体反応が見られるところまで、しっかり確認する必要があるということです。ただ、契約によっては、発現確認までは責任を負わないところもあるでしょう。。

前にも述べたように、H鎖が同一でL鎖が大きく異なることは、可能性としてはあり得ます。しかし頻度はかなりレアケースだと思ってください。

おそらく高額な費用を払ってのことですから、「クローンが取れました。実は間違いでした」はただのぼったくりです。

私ならば、その業者がサンプル取り違えをしたかクロスコンタミをしたのではないかと疑って、業者にQCを求めるか、発現させて抗原抗体反応まで見ますけどね。

(無題) 削除/引用
No.11195-11 - 2023/02/13 (月) 20:22:01 - May
2MEさん、

改めて大変勉強になります。
情報を小出しにして申し訳ないのですが、この抗体はラビットのmonoclonal抗体です。
現在のデータだけでは特定できないことは承知しておりますが、どのような可能性があるかをこの分野の専門の方の意見をお伺いできてよかったです。
ありがとうございます。

>[Re:10] 2MEさんは書きました :
> ついでに言えば、質問者はマウスの話をしているんだろうと思って私は書いたけれども、もし他の動物種の免疫の遺伝子再構成の話ならば、けっこうドラスティックに遺伝子変換してしまうので、話はさらに複雑になる。要するに同一のナイーブB細胞からドラスティックに複数の遺伝子変換が起きてしまうので、結果だけ見るとまるで別物に見える塩基配列のくせに、実は同じナイーブBに由来してた、みたいなことがある。謎だらけ。ともかく免疫学は未発掘のお宝がまだまだ眠っているので、是非!

(無題) 削除/引用
No.11195-10 - 2023/02/13 (月) 11:20:30 - 2ME
ついでに言えば、質問者はマウスの話をしているんだろうと思って私は書いたけれども、もし他の動物種の免疫の遺伝子再構成の話ならば、けっこうドラスティックに遺伝子変換してしまうので、話はさらに複雑になる。要するに同一のナイーブB細胞からドラスティックに複数の遺伝子変換が起きてしまうので、結果だけ見るとまるで別物に見える塩基配列のくせに、実は同じナイーブBに由来してた、みたいなことがある。謎だらけ。ともかく免疫学は未発掘のお宝がまだまだ眠っているので、是非!

(無題) 削除/引用
No.11195-9 - 2023/02/13 (月) 11:10:34 - 2ME
>[Re:8] Mayさんは書きました :
> AATAACGTCAATT
> AGTGGCAACCGCT
> *.*..*.:*.. *
>
> CCCCTGTGTCTGCAG
> CTTCCAAGTCTGTCC
> * * .:***** .
>
> これだけではなかなか判断がつきづらいのですが、これだけ違うと同一クローンからの派生ではないような気がしますが、どうでしょうか?

前の2つはCDR1みたいですね。なのでSHMでしょう。
後の2つは前後の配列がわからないのでなんとも言えないがVJ recombinationかな。
まあなので、2つのクローンは独立したクローンということでいいんじゃないかな。

ただまあ、胚中心(GC)での生理的な現象のこととして「同一クローンからの派生」をイシューにしているのであれば、提示された2クローンが「同一クローンからの派生」だとはあまり思えないのではあるが、だからといって「同一クローンからの派生」ではない、とも断言しきれない。

それで、今ここでイシューになっている「同一クローンからの派生」というのは、上に書いたGCの生理的な現象のことではなく、ハイブリドーマ・クローンの継代中に生じる現象のことを指しているものと勝手に推測するのだが、それならたいてい1、2塩基程度の置換だから、そういう意味では提示された2クローンは「同一クローンからの派生」ではなさそうだ、ということになるでしょうね。

(無題) 削除/引用
No.11195-8 - 2023/02/11 (土) 21:25:33 - May
G25さん、

私も同じように考えておりましたが、可変領域はかなり異なっているという印象があります。
一部は下のようなかんじです。

AATAACGTCAATT
AGTGGCAACCGCT
*.*..*.:*.. *


CCCCTGTGTCTGCAG
CTTCCAAGTCTGTCC
* * .:***** .

これだけではなかなか判断がつきづらいのですが、これだけ違うと同一クローンからの派生ではないような気がしますが、どうでしょうか?

>[Re:7] G25さんは書きました :
> 質問の意図は、元は同一のクローンだったけど体細胞変異で派生クローンができた可能性はないのかということです。

(無題) 削除/引用
No.11195-7 - 2023/02/11 (土) 09:18:44 - G25
質問の意図は、元は同一のクローンだったけど体細胞変異で派生クローンができた可能性はないのかということです。

(無題) 削除/引用
No.11195-6 - 2023/02/11 (土) 09:06:27 - G25
LCのほうはどのくらい違っているんでしょうか。
体細胞超変異じゃ説明できないほどめちゃくちゃ?

(無題) 削除/引用
No.11195-5 - 2023/02/11 (土) 08:44:17 - 2ME
>[Re:4] Mayさんは書きました :
> これとは別に例えばもともと同じクローンがlight chainのみに変異が蓄積してheavy chainは変異が起こらなかったあるいは変異したものは選択されず脱落したようなこともあるのでしょうか?

あるか、と問われれば、あるかもしれないですね、とは言えます。頻度はともかくとして。

生体内(脾臓、リンパ節)で起こっている現象をリアルタイムの網羅的解析をした研究成果が積み重なれば、もう少しもっともらしい話が物語れるのでしょうがね。

たとえば10の何乗という細胞を、1個ずつシングルセル解析、非侵襲的に、タイムコースで、それも抗原を何種類も変えて、という実験を誰かうまい方法を考えてやってくれれば、質問の答えも見えてくるかもしれませんね。しかしながら今はまだ、変異と選択を繰り返して生き残った細胞の結果を見て、さもわかった顔をして物語っているだけですからね。

> もともと同じクローンがlight chainのみに変異が蓄積してheavy chainは変異が起こらなかったあるいは変異したものは選択されず脱落したようなこと

結果を見ればそういうことはあることはあるのですが、それが低頻度ながらも生理的に意味のある現象と言えるのか、それとも偶々なにかおかしな事が起こってそうなっただけなのか。まだ統計的にものを言える段階ではないと思いますよ。

ご興味がおありなら免疫学に足を踏み入れてください。

(無題) 削除/引用
No.11195-4 - 2023/02/11 (土) 07:22:46 - May
おおさん、

そうです、同じエピトープに対する抗体です。この会社では20ほどのモノクローナル抗体を取り出し、その培養上清をELISAで調べて、その中からアフィニティーの高い6つのクローンの抗体の配列を調べております。

2MEさん、

ご意見ありがとうございます。
ご指摘のように可変領域のことを指しておりました。
訂正いたします。

> 異なるクローン間で可変領域の塩基配列が同一であることは、あることはある。頻度はさておき。
あるのですね。大変勉強になります。
これとは別に例えばもともと同じクローンがlight chainのみに変異が蓄積してheavy chainは変異が起こらなかったあるいは変異したものは選択されず脱落したようなこともあるのでしょうか?
別の可能性があればそちらの可能性も考慮したいと思っております。
何卒宜しくお願い致します。


>[Re:3] 2MEさんは書きました :
> 異なるクローン間で可変領域の塩基配列が同一であることは、あることはある。頻度はさておき。
>
> その会社の解釈は、あくまでもあり得そうな解釈の一つ、ぐらいに受け止めておいた方がよい。その解釈の通りかもしれないし、そうでないかもしれない。網羅的に実験して考察しているのならまだしも、10の何乗という膨大な細胞のうち、たかだか2個の細胞を比較して何が言えるだろうか。可能性だけで言えば、"very dominant epitope"に対応するCDRを持つ抗体を作る細胞があったかもしれず、そいつのクローンをピックアップできなかっただけかもしれない。その2クローンがベストという保証はどこにもない。ということぐらいのことは私でも考える。
>
> なお質問の"HC"のCがconstant、定常領域の意味ならば、そりゃあ定常領域がクローン間で同一配列であることは至極当然でしょう。しかし質問者が聞きたいのは可変領域、variable, Vのことだろうと解釈して、そう書きました。

(無題) 削除/引用
No.11195-3 - 2023/02/11 (土) 07:06:59 - 2ME
異なるクローン間で可変領域の塩基配列が同一であることは、あることはある。頻度はさておき。

その会社の解釈は、あくまでもあり得そうな解釈の一つ、ぐらいに受け止めておいた方がよい。その解釈の通りかもしれないし、そうでないかもしれない。網羅的に実験して考察しているのならまだしも、10の何乗という膨大な細胞のうち、たかだか2個の細胞を比較して何が言えるだろうか。可能性だけで言えば、"very dominant epitope"に対応するCDRを持つ抗体を作る細胞があったかもしれず、そいつのクローンをピックアップできなかっただけかもしれない。その2クローンがベストという保証はどこにもない。ということぐらいのことは私でも考える。

なお質問の"HC"のCがconstant、定常領域の意味ならば、そりゃあ定常領域がクローン間で同一配列であることは至極当然でしょう。しかし質問者が聞きたいのは可変領域、variable, Vのことだろうと解釈して、そう書きました。

(無題) 削除/引用
No.11195-2 - 2023/02/11 (土) 06:59:15 - おお
同じものに対する抗体でしょうか?

2つのmonoclonal抗体がおんなじHCをもつことがあるのか 削除/引用
No.11195-1 - 2023/02/11 (土) 03:18:10 - May
題のようにある会社にモノクローナル抗体を作ってもらいました。
全部で6つピックアップしてもらったところ、5つは同じで合計2つのモノクローナル抗体が同定されました。
この配列を調べてもらったところ、この2つのモノクローナル抗体のHCが全く同じヌクレオチド配列で同じアミノ酸でした。LCは異なります。
このようなことが実際に起きえるのかがわかりません。
この会社の解釈としては以下のように言われています。
very dominant epitope driving much of the immune response and B cell selection
超変異とかを起こしているようなら少なくとも多少は違いがありそうですが、もし経験がございましたらお教えください。

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