細胞によって原因は違うので参考までにどうぞ。
これまで遺伝子導入を試みた接着系の初代細胞のうち、
1. ピューロマイシン存在下で蛍光強度の高い細胞が減っていく
2. ピューロマイシン存在下で蛍光が一見見えない細胞が増えていく
ということは割と遭遇した問題です。
1については、私の仮設ですが、細胞腫によって外来遺伝子発現によるストレスに強弱があり、蛍光が強い(=外来タンパク質をガンガンに発現させている)状態も、ピューロマイシンも細胞に様々なストレスを与えているのだと推測しています。よって耐性遺伝子があっても、ストレスのコンボで死にます。
2については、蛍光が見える見えないは観察手段に依存しており、蛍光が見えずともピューロマイシン耐性遺伝子は発現していることはあります。
その上で1-2が観察された際には、以下のことを検討するようにしています。
3. むしろピューロマイシンを添加しない方が蛍光強度の強い細胞が残ることがあるか?
これがYesであれば、
4. ピューロマイシン濃度を効果のあるギリギリ下限にする
5. ピューロマイシンを使わず、100%陽性になる感染条件を探す
6. 時間と共に蛍光の弱い細胞が増えてくるので、導入から時間をあまりかけずに実験に供する。
7. ピューロマイシンを使わず蛍光を基に陽性細胞をソーティングする
私が常時試しているのは4-6ですが、4で問題を解決できたことは残念ながら無く、成功例では5か6で細胞を調整しています。この問題が起こったことがある細胞は、だいたい7のソーティングのストレスに耐えられずに細胞数が激減するので、今では7は検討するのを止めました。 |
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